コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

エンゲージメントとは何か

ここのところ人事関連のプロジェクトも多いので、最近の人事領域で何がホットなのか調べています。

様々な「HRテック」も花盛りだが、エンゲージメントとインクルーシブネスが考え方としては依然ホットなようです。

エンゲージメントとは、「日本の人事部」サイト(https://jinjibu.jp/keyword/detl/176/)によると:

エンゲージメントとは、社員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」を表すものと解釈されますが、より踏み込んだ考え方としては、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」のことをいいます。

だそうです。

あれ、この記事は2007年ですね。その当時は外資系に勤務していた頃ですが、人事の人ともよくプロジェクトで一緒に仕事をしていましたが、エンゲージメントなんて言葉を使っていませんでした。

人事の人同士では使っていたのかもしれません。

よくよく調べると、これは和製英語なのですね。アメリカではemployee engagementと言うそうで、engagementと言えばやはり婚約です。

自分が勤めていた米国系企業では、engagementではなく、別の表現を、人事の用語ではなく、全社員共通の行動規範として表現していたので、わざわざengagementという言葉を使う必要が無かったのだと思います。

上記のエンゲージメントの説明は、正しいといえば正しいのでしょうし、そういう状況が実現できている組織は素晴らしいと思いますが、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」というのがどういう姿なのか具体的にイメージできるものなのでしょうか。

難しいですよね。

かつてGEに勤務していた頃、GEのリーダーの発言の中で最も印象に残っているのは、当時のボスのボスであったJoe Hogan(当時のGE HealthcareのCEOで、後にABBのCEOに就任)が日本に来た際にわれわれ日本法人たちの前で言った:

Love your company.

です。

日本の会社の社長が社員に向かって「あなたの会社を愛しなさい」というでしょうか。

言うのも気恥ずかしいし、言われた社員としてもしっくりくるでしょうか。

「何言ってんだよw」という反応が多かったりしないでしょうか。

しかしJoeの言葉は心からのもので、場がしらけるなどということもなく、自分自身はとても「そうだ。会社を愛するんだ。」と思いました。

GEのリーダーには、Joeに限らずこういう方々がおられました。

エンゲージメントを高めるには、人事施策をいろいろ講じても難しいと思っています。会社のビジョンであり、戦略であり、それがあって初めて個人の能力や意向に応じた働き方や業務を提供できるのです。

そうはいっても現実にはなかなか難しい。

それでも何か短期的に効果的にエンゲージメントを高めることはできないものか。

こんな場合こそリーダーシップの価値が顕在化します。

Love your company.と言えるようなリーダー。そしてそれが社員に腹落ちする。

世の中にこんなリーダーが増えてくることを期待していますし、そのような社長の相談相手になれればうれしいと思っています。