この本をブログで取り上げるのは3回目になるのだが、これまで書いていないがどうしても書いておきたいことがあってあえて投稿する。
以前の投稿はこちら:
それは何かというと、本書のテーマであるIUT(宇宙際タイヒミュラー理論)の構築者である、京都大学の望月新一教授(著者である加藤文元教授の友人)が、巻頭に言葉を寄せているからである。
この「刊行に寄せて」という文章が激しいのである。文調は穏やかなのであるが、内容はきわめて刺激的である(特に数学界の方々にとっては)。
部分的に引用すると本来の文脈に沿った解釈を歪めてしまう可能性があるので割愛するが、これは現代の数学、いや他の学問分野においても、真に画期的な理論を受け容れることが如何に当事者にとって難しいことか、それはかつてのガリレオやアインシュタインにとどまらず、今の時代においてもそうではないのか、という実に本質的な問題提起である。