コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

【近刊チェック】アナログの逆襲

仕事関連や自分の趣味の範囲の本だけを読んでいても視座が変わらないので、いまやっていること、興味があることから少し離れたところの話題の本を読んでみることも時に必要だと思っている。
書評サイトFlier(知人が経営している会社)のサイトを見ていたら、「アナログの逆襲」が目に止まった。

アナログの逆襲: 「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる 単行本 – 2018/12/10
デイビッド・サックス (著), 加藤万里子 (翻訳)
https://amzn.to/2WuB2dh

原題はThe Revenge of Analogなので、ほぼ直訳だが日本人にもウケそうなタイトルという珍しいパターン。
アナログを代表するレコード、紙、フィルム、ボードゲームなどが今あらためて見直されている例を各々につき1章を割いて語られている。

ただ、誤解してはならないのは、デジタルに置き換わったアナログが「逆襲」してデジタルを置き換えるという意味ではないことだ。

そうではなく、デジタル(インターネットやスマートフォン、オンラインゲーム等)が普及した今だからこそ、アナログな媒体や手段ならではの価値が見直されているということである。

インターネットがこれだけ普及しても、依然としてコンピューター外の世界が厳然としてしかも大きな存在感を以て存在しており、それはテクノロジー界のスラングでIRL(in real life)と呼ばれているという。
そして、テクノロジーに直接ビジネスで携わる人たちも、実は仕事ではアナログなコミュニケーションを重視しているということも語られている。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)が今ビジネスの世界では流行りだが(猫も杓子も状態)、実はその本質はデジタルとアナログの両立であり融合であると自分は常々言っている(昨日もクライアントにそう熱く語ってしまった)。
デジタル化すればするほど、デジタル化できないものの価値が見えてくる。AIも然りである。

「逆襲」というより「復権」と呼ぶ方が適切かもしれない。