コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

ポリクロニック

空間にユニバース(universe)やマルチバース(multiverse)があるように、時間にもモノクロニックとポリクロニックという概念がある。
現代人の我々、それも都会でビジネスをしている人間にとって、時間は過去から未来へ一定の速度で不可逆的に一方向に流れるモノクロニックなものであり、それ以外の何ものでもない。
PCやスマホのカレンダーにクライアントやチームとのミーティング設定を記し、それに従って動いている。TVを見るのもコンサートに行くのも唯一の時間軸で動いている。モノクロニックに支配された生活。

しかしそれは実は特殊な概念であり行動かもしれない。
鷲田清一さんはこう書かれている(抜粋)。
「人はいろんな時間を多層的に生きるポリクロニックな存在である。仕事にあたりながら、心ここにあらずといった感じで別の思いをずっと引きずったままのときがある。手が止まり、放心したかのように思い出に浸るときもある。ずっと心に引っかかるものがあって、一つのことに集中できないことがある。過去へと流れ去ってくれないトラウマに心がじくじく疼(うず)いたまま、というときもある。そのように意識がさまざまの時間に引き裂かれ、一つにまとまらないというのは、さしてめずらしいことではない。」
(2018/1/7 日経新聞

現代でも、国によっては必ずしもモノクロニックに人々は考え行動してはいない。
自分にしても、昔のことを思いを起こしたり未だ来ぬ未来に思いを馳せることもある。
時間について哲学したのはフーコーだけではない。
時間という概念に関しても柔軟に自由に考えていいのではないか。
ふとそんなことを思った。