コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

経営者は育成できるのか

いまドライブしているプロジェクトのお題は「経営人材育成」である。
超大手企業からの依頼である。
経営人材育成は、自分が知る限り、業種や規模を問わず、どの企業にとっても重要な経営課題である。

このお題を解決するにあたって、まずどう論点を設定するかだ。
最初の、そしてもっとも重要な論点は、そもそも「経営人材」とは何か、である。この定義が明確になること無しに次には進めない。

気を付けなければいけないのは、経営人材を育成できたとして、その経営人材があたかも一人で事業を経営できるかのような状況を想定してはならない。

経営はチームで行なうものである。たとえ個人経営で一人でやっている事業であっても、果たしてその経営者=従業員がすべて一人で「経営」してうまくいくものだろうか。

自分の考えは、経営人材とは事業の成功に必要な資源を調達し適切に配分できること、そのためには事業の成功の必要十分条件を刻々と変化する事業環境の変化を適切かつ適時に察知しあるいは予見し、適応できることが必要だ。

このような人材を座学で育成できるものではないし、修羅場を経験させると言っても、では経営人材として求められるものが例えば「自信」や「胆力」であったとして、その修羅場で自信や胆力が身に着くとも限らない(そのような修羅場を特定するもの難しい)。

ではどうするか。
まず、誰でもが経営人材になれる訳ではないことをまず認識することが先決である。
本人に意欲や決意があること、適性があること、そしてスキルセットをある程度の水準で満たしている人材を選抜する。
この段階で初めて、経営者として派遣するなど実戦経験をさせる。

実戦経験を積むことで、あらためて自分に不足しているスキルが明確になり、そのうちのいくつかは座学で身につけることができるだろう。

このような学習プロセスを回すことによってしか経営人材は育たない。