コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

戦略コンサルタント的ピアノ上達法(1)

かつてなく真剣にピアノ上達について考え試行している。
戦略コンサルタントならではのアプローチを今までしてこなかったところに盲点があった。
いや、正確には部分的には実施していたのであるが、徹底していたかと言えばまったくそうではない。
天賦の才能とか資質とか練習量とかそういうことに帰着させるのではなく、ビジネスにおける戦略的な事業価値向上の観点で如何に効率的にとして最も効果的に上達するかを考える。
王道のアプローチは、企業の成長戦略の策定アプローチである。
①事業環境を3C(自社、市場、競合)の観点で捉え、
②As Is(現状)を客観的かつ正確に分析し、
③To Be(あるべき姿、ありたい姿)を描き、
④As IsとTo Beのギャップを埋めるには如何なる事業モデルを構築するか
⑤事業モデルの遂行に必要なケイパビリティをどう補完するか、そして
⑥それらを施策に落とし込み
⑦実行し、進捗をモニタリングし必要に応じ戦略・施策を修正する(このサイクルを速くする)、
これだけである。
これをピアノ演奏に関して具体化するとどうなるか。
①は自社はもちろん自分であるが、市場は言うまでもなく聴き手であり、競合は他の音楽家(ピアニストに限らない)である。最も重要なのは市場が何を求めるか、どのような演奏に価値を認めるか、である。クラシック音楽であれば、楽曲は西洋音楽の歴史においてどのような発展をたどり、作曲家が何を意図してどのような語法を用いてその楽曲を作曲したのかを理解しておくことは必須である。優れた楽曲であれば、楽譜に必ずしも書いていないことであっても、守るべきルールがあり、単純に見える楽曲であっても、それを実際に演奏行為に移すことは簡単ではない。そして、自分はなぜその楽曲を演奏したいと思うのか、その楽曲の演奏を通じて自分の世界観をどう伝えたいのか、というところに「自分」が入ってくる。そこには自分の得意不得意も入ってくる。戦略の境界条件を規定するものであり、戦略とは「捨てること」であるから、ただ弾きたい曲を弾けば良いというものではなく、あくまで市場がどういう演奏を求めるのか、自分がそういう演奏ができる可能性があるのか、を②以降で行なう。
次に、②であるが、これが最も難しいところであり、改善の余地があるところである。レッスンで師匠に指摘してもらうのもよいし、コンクールでも講評を戴ける場合もある。決して批判ではなく、建設的な視点・意見として虚心坦懐に受け止めることが必要である。これがなかなか難しい。どうしても自分の解釈が入りフィルターをかけたり、過度にネガティブになってしまう場合もある。逆にほめられたからと言って調子に乗ってもいけない。