コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

ランニングの3C

コンサルタントとして、よく使うフレームワークがあります。

特によく使うのは3Cです。企業戦略策定や事業の評価に用いるのですが、Customer(市場/顧客), Competition(競合/競争), Company(自社の戦略・資産・能力)の頭文字をとって3Cです。

コンサルタントは3が好きです。3はゴールデンナンバーです。「その理由は3つあります」「要点は3つです」「本日は3つのポイントをお話します」と話すととてもコンサルタントらしく聞こえるのですが、それは聴き手が受け取りやすいからです。
「え~と、それにはいろいろ理由があるのですが例えば●●、あるいは●●、さらには●●」では聴き手は「いったいいくつ理由があるのだろう?それで全部なんだろうか?」と不安になりますし、覚えにくいですね。
そう。ただ3つに意味があるのではなく、その3つのそれぞれがMECEの関係にあることが必要なのです。
MECE = Mutually exclusive, collectively exhaustive、互いに排他的で全体として網羅的

本格的にランニングを始めて2ヶ月、あらためてこのフレームワークでランニングを考えてみました。
1日考えてみましたが、それは3Cです。

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ランニングの3C by じむ

解説します。

ランニングの3C = Craze, Control, Craft

1. Craze(夢中)
「夢中は努力に勝る」とは今年の箱根駅伝6区を走った矢野航平選手の言葉です。これにいたく感銘を受けました。
なぜ走るのか、そこに打算が混じることはあっても、好きで走る、夢中で走る、これには「何かのために」が勝つことはないでしょう。CrazeをPassion(熱意)と読み替えても、あるいはAddiction(中毒)と読み替えてもいいかもしれません。
(まったく走らない人からみたら、フルマラソンに挑む人の気持ちは理解できないでしょうし(去年までの自分含む)、どう考えてもHENTAIとしか思えないランナーが身近にいますしね・・・)

2. Control(制御)・・・自分を律することができる
いくら走るのが好きといっても、走り過ぎは怪我や故障につながりますが、かといってあまりにも走らなくても速くはなれませんね(速くなるだけがランニングの目的ではないですが速く走れたらうれしいですよね)。休養も必要です。
また、必ずしも楽ではない練習を続け正しい(身体に負担をかけず最適な推進力を出し続けられる)フォームを身に着けるにも、練習メニューを考えたり、自分の身体の声に耳を傾け自制することなくしては走り続けることはできません。
継続は力なりですが、ただ続ければいいというのではなく、自分を律することができないとですね。ControlをDiscipline(規律)と言い換えてもいいと思います。
そして常に良いコンディション(精神的にも身体的にも)を保つ食事もコントロールはもちろん重要ですね。

3. Craft(技)・・・身体の使い方を体得できている
これに関してはバイブル的存在のダニエルズのランニングフォーミュラはじめ数多くの理論が提唱され信奉者も多いのであえて詳細は語らない(語れない・・・)が、最も重要であることは間違いないです(少なくとも今の自分にとっては)。
ランニングはテクニックです。
しかしテクニックの深遠さを理解するには実践無くしてはあり得ないでしょう。
そしてテクニックの重要さは実はあまり理解されていないように思います。そもそも「テクニック」とは何かということですね。
走るということは特に学ばなくてもできてしまう(born to run?)からこそ、実は正しく走ることの意義・重要性が実はランナーですら完全にはわかっていないのかもしれません。

もちろん、真剣にランニングをやっている方々は、フォーム、呼吸、脱力、伸張反射など意識し、またトレーニングも工夫されていますが、実は走るという行為は極めて高度な統合作業であり、かつ個々のランナーに特異的なものである上、客観的に把握することが極めて難しい(そもそも運動生理学という学問は人体を完全に理解した上に完成する学問でありその意味では完成には遠い)のですから。

逆に言えば、相当な改善、いや改革の余地があるのではないでしょうか。

昨日フィットネススタジオのトレッドミルで、マシンの限界の20㎞/h(3'00"/㎞)で30秒間、数回走ってみました。
恐怖を克服して、ふっと力を抜いてみました。するとどうでしょう。ずっと楽に走れる感覚がほんの10秒間ほどですがありました。
少しテクニックの一端が見えた気がします。