コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

傲慢社会

ども。経営コンサルのじむです。

消費者エンパワーメント

クライアント様の中長期戦略を策定するお手伝いをさせていただく機会が頻繁にあるのですが、戦略を策定する前提として、市場の大きな潮流いわゆるメガトレンドをまずおさえます。

メガトレンドをドライブするいくつかの要因(大抵は5つ程度)の一つに、消費者エンパワーメントがあります。

消費者エンパワーメントとは、モノやサービスを購入する個人が発言力を持ち、市場や業界により強い影響力を持つことです。

大量生産大量消費から、個人個人の必要や欲求を満たすべく多様なモノやサービスが出現し、生産やマーケティングが変わっていくということです。

この前提となっているのは、基本的なニーズや欲求が既に満たされ、かつインターネットの普及で個人がかつてとは比較にならないほど質が高い情報を容易に得られるようになったからです。

そして一部の領域では、消費者が新しい製品やサービスの創造に参加するような形も現れています。

 

マクロにはこういう潮流が先進経済国では起きており、その結果新たなビジネスモデルやそれを体現した企業台頭しています。

 

モンスター化

一方で、ミクロには個人消費者の行き過ぎた意識や行動も出てきています。

モンスター化ですね。

店や企業へのクレーム、鉄道や保育所や病院へのクレーム。。。

個人が傲慢になってきています。

なんか文句をいうことが当たり前になってきています。

金を払う立場だからでしょうか。

個人が強くなったと信じているからでしょうか。

言ったもん勝ちだと思っているんでしょうか。

行きどころのない欲求不満のはけ口にしているのでしょうか。

 

いや、個人が自分が強くなったつもりでも実はまだ微力あるいは無力なのです。

なので、ぼくはこの状況は過渡期だと思っています。

 

買った製品についてお客様相談窓口にいくら文句言っても、だからといって自分が気に入る製品が出るわけではないのです。

 

過渡期の先に

では個人はどうすべきか。「お客様の声」は反映されないのか。何を言ってもムダなのか。

 

できることはあります。大きく3つ:

1 欲しいものを自分で作る

2 開発初期段階で正しいルートで要求を正しく伝える

3 個人の意見ではなく組織化してロジカルに伝える

 

自分では作るのが難しい医療機器でも最近は個人が糖尿病管理デバイスを作って自分の糖尿病の息子に使ったりとか、難病患者の家族の会が当局を動かして難病治療薬をスピード承認させた例が米国にあります。

 

単に感情的に傲慢になっても何の利益にもならないことを消費者が認識し、作る側もサービスを提供する側も、ユーザーの意味のある意見には積極的に耳を傾ける、そうなればますます消費者は賢くなり真のエンパワーメントが生まれる。そんな状況に進化する過渡期なのです。