コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ショパン前奏曲集作品28(113)各曲の関連性②

論文を見つけた。やはり研究している人はいるのだ。 ショパン「24の前奏曲」op.28にみる各曲の関連性と対称性について, 木下千代, 音楽表現学, 5, 33 - 44, 2007年11月 である。 まず要旨にはこうある: 「筆者(注:ピアニストである)も演奏に際してどの…

ショパン前奏曲集作品28(112)各曲の関連性①

ショパン前奏曲集作品28に関して述べたウェブサイトは多い。これまでおそらく20を超えるサイトを見てきたが、その中に「各曲の関連性は(五度調と平行調という調性関係を除けば)無い」という論調のものがいくつかある。 これに対して異を唱えたいので、自分…

ショパン前奏曲集作品28(111)遠藤郁子のアルバム

遠藤郁子はショパン弾きとして知られるピアニスト。第7回ショパン国際ピアノコンクール(1965年)で「特別銀賞」を受賞している。 彼女はショパンの録音を多く残しているが、前奏曲集作品28&作品45のアルバムは「春夏秋冬」と題している。 ジャケットは「和…

ショパン前奏曲集作品28(110)初レッスンでの指摘事項⑥21番

先日の作品28レッスンでの指摘。今回は21番変ロ長調。他の曲(16~20番)に比べかなり多くの指摘をいただいた。 1小節目: 3/4拍子であることを意識すること 1小節目: Cantabileのメロディー、最初の1音は特によく響かせる。ただし強すぎないこと 1小節目以…

ショパン前奏曲集作品28(109)初レッスンでの指摘事項⑤20番

先日の作品28レッスンでの指摘。今回は20番ハ短調。 1-4小節: フレーズ感を出すこと。ここは1+1+2小節。弱拍が突出しないこと。 5-8小節: 右手は外声を出すか内声を出すか方針をはっきりすること。 9-12小節: 5-8小節とは音のバランスの方針を変えてもよ…

ショパン前奏曲集作品28(108)参考文献リスト①

これまでに読んだショパン前奏曲集に関する文献を列挙してみる。特に参考になった文献には☆をつけてみた。 ☆譜を読む(1)~(21)新しく―大胆に ショパン「前奏曲」編 / 渡辺圭子、レッスンの友(レッスンの友社)連載 1992年9月~1994年5月 ☆連載レクチュア イ…

スーパームーン

ここ数日月が大きく見える。いわゆるスーパームーンである。 月の軌道は楕円形であるため、地球との距離は一定ではなく、約36万kmから約40万kmの間で変動している。 現在は。 この軌道形状による周期的変動とは別に、月と地球の距離は歴史的にも変化を続けて…

ショパン前奏曲集作品28(107)初レッスンでの指摘事項④19番

先日の作品28レッスンでの指摘。今回は19番変ホ長調。 1-2小節: ここは主調でダンパーペダル踏みっぱなしで自然にcresc.であり、決して間違ってもIの和音以外の音を弾いてはならない(ミスタッチは絶対に許されない)。左手の跳躍は手首の回転を使うところ…

ショパン前奏曲集作品28(106)初レッスンでの指摘事項③18番

先日の作品28レッスンでの指摘。今回は18番ヘ短調。 1小節目: 右手のレシタティーヴォ(recitativo)と右手の減9度の和音はまったくの別物であるので、そのように聴こえなければならない。 3-4小節: (当然想定された指摘)ユニゾンは決してズレてはならな…

ショパン前奏曲集作品28(105)各曲の鳥肌ポイント⑥

どの曲にも(好きな曲に限定されるが)自分が言うところの「鳥肌ポイント」がある。 この箇所を素晴らしく弾くと鳥肌が立つからそう名付けている。 必ずしもその曲の「ピーク」とは限らない。 作品28の各曲について、鳥肌ポイントがどこか、そしてなぜそうな…

ショパン前奏曲集作品28(104)初レッスンでの指摘事項②17番

先日のレッスンでの指摘。今回は17番変イ長調。 1~5小節: ここはまったくcrescやdimの指示はないのであまり抑揚をつけないこと。 6小節目: 右手の旋律。あくまでも2つ目の音は一つ目より弱く。 14、18小節: 右手の中声部の和音が出しゃばらないこと。 19…

ショパン前奏曲集作品28(103)初レッスンでの指摘事項①16番

前回、師匠その4のレッスンでいただいたアドバイスについて書いたが、みていただいた6曲のそれぞれについて、具体的な指摘について書いてみる。 なお、レッスンでの指摘というのはその人の実力や曲の出来具合に応じた、あくまでも個人的かつそのレッスンに限…

ショパン前奏曲集作品28(102)初レッスン

昨晩は、時折見ていただいている師匠その4(コンサートピアニスト)に初めてショパン前奏曲集作品28をみていただくという、きわめてチャレンジング(きわめて基本に厳しい方のため)な体験であった。 みてもらったのは16番から21番まで(22番から24番は手が…

渋谷のホール&スタジオ

先日、アメリカ留学時代の先輩から誘われてピアノ弾き合い会に参加してきた。 渋谷駅から歩3分と交通至便な立地。 https://www.shibuyahall.com スタジオとホールがあるが、今回使ったのは5Fのホール。 新品のファツィオリF212がある。64席のホールにちょう…

二二六事件について学ぶ③

二二六事件について学んでわかった重要なことがある。 この事件を理解するにあたり重要なこととは、それをあたかもドラマ仕立てで捉えたり、俗っぽい陰謀説として捉えたり、誰かを英雄もしくは悪者に仕立てそれだけをクローズアップするとか、そういうことと…

ショパン前奏曲集作品28(101)各曲の鳥肌ポイント⑤

どの曲にも(好きな曲に限定されるが)自分が言うところの「鳥肌ポイント」がある。 この箇所を素晴らしく弾くと鳥肌が立つからそう名付けている。 必ずしもその曲の「ピーク」とは限らない。 作品28の各曲について、鳥肌ポイントがどこか、そしてなぜそうな…

ショパン前奏曲集作品28(100)各曲の鳥肌ポイント④

どの曲にも(好きな曲に限定されるが)自分が言うところの「鳥肌ポイント」がある。 この箇所を素晴らしく弾くと鳥肌が立つからそう名付けている。 必ずしもその曲の「ピーク」とは限らない。 作品28の各曲について、鳥肌ポイントがどこか、そしてなぜそうな…

二二六事件について学ぶ②動機

前回、二二六事件について3つの大論点を挙げた。 大論点1は、「なぜ青年将校たちはクーデター(coup d'etat、英語ではcoup)を企てるに至ったのか、であった。 言い換えれば、首謀者達の動機は何だったのか、である。 彼らがどれだけの憤懣不満を抱えていた…

ショパン前奏曲集作品28(99)各曲の鳥肌ポイント③

どの曲にも(好きな曲に限定されるが)自分が言うところの「鳥肌ポイント」がある。 この箇所を素晴らしく弾くと鳥肌が立つからそう名付けている。 必ずしもその曲の「ピーク」とは限らない。 作品28の各曲について、鳥肌ポイントがどこか、そしてなぜそうな…

二二六事件について学ぶ①

来週の近現代史研究会のお題である二二六事件についてここのところ多くの論文や図書を読み勉強している。 学校の歴史では実に軽くしか扱われない二二六事件。 日本近代史でも最も重要な出来事の一つ。重要というのは我々現代人が現在および将来について考え…

バスリコーダーを自作する

楽器はそもそも安いものではないし、価格で決めるものではないが、それにしてもバスリコーダーは安くない。 楽器はいかなる楽器でも精巧に作られた工芸品であるとはいえ、必ずしも自作が不可能ではない(グランドピアノはさすがに個人では難しいが)と思い、…

クラムボン

小学校の国語の教科書の教材として 昭和46年に採用された、 宮沢賢治の短編「やまなし」。 クラムボン この言葉が何度も出てくる。 短編の中でクラムボンが何かを説明していない。 小学校の先生へのアンケートによると、教えにくい教材と答えた教師が7割と…

バスリコーダーの森

ふと見つけてしまった。 去年12月にヤマハ銀座店でやっていたリコーダーフェアのツイート(公式)。 バスリコーダーの森 なる魅惑の画像。 バスリコーダーやはり買うしかないか。。 しかし問題はF管であることだ。 やはりC管がよいのだが、そうなるとテナー…

ショパン前奏曲集作品28(98)各曲の鳥肌ポイント②

どの曲にも(好きな曲に限定されるが)自分が言うところの「鳥肌ポイント」がある。 この箇所を素晴らしく弾くと鳥肌が立つからそう名付けている。 逆に言えば、これら鳥肌ポイントを無思慮に無造作に弾いてしまっている演奏には魅力を感じないともいえる。 …

ショパン前奏曲集作品28(97)各曲の鳥肌ポイント①

どの曲にも(好きな曲に限定されるが)自分が言うところの「鳥肌ポイント」がある。 この箇所を素晴らしく弾くと鳥肌が立つからそう名付けている。 必ずしもその曲の「ピーク」とは限らない。 作品28の各曲について、鳥肌ポイントがどこか、そしてなぜそうな…

ショパン前奏曲集作品28(96)現実的な注意点⑥

前回に続き、21番から24番まで。 第21番 変ロ長調 左手はどうしても1-1の運指にならざるを得ない箇所があるがここはつなげなければならない。耳で聴くレガートを。 第22番 ト短調 オクターブのスケールはバタバタしないこと。あたかもオクターブでないかのよ…

ショパン前奏曲集作品28(95)現実的な注意点⑤

前回に続き、今回は17番から20番まで。 第17番 変イ長調 技術的には特にこれといって難しいところは無いように見えるが、無造作に弾くと必ず左手の和音連打がうるさくなる。これを美しく響かせるのは実は難しい。タッチのコントロール。 第18番 ヘ短調 ユニ…

ショパン前奏曲集作品28(94)現実的な注意点④

前回に続き、今回は13番から16番まで。 第13番 嬰ヘ長調 中間部テノールのラインは準主役なので主張しつつも主役ソプラノのじゃまを決してせずハーモニーを大切にすることは意外にも意外ではないが難しい。とにかくよく聴くことと親指の独立。 第14番 変ホ短…