コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

2018-01-01から1年間の記事一覧

ショパン前奏曲集作品28(69)感情

この曲集は人間が抱く様々な感情の表出だと思っている。 コルトーやハンス・フォン・ビューローはそれぞれが何を意味するかを解釈したが、自分は少なくともこの曲集に関しては一曲一曲が感情の発露であるとして弾きたいと思っているので、現段階での仮説とし…

ショパン前奏曲集作品28(68)研究再開24日目ー第24番ニ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、24日目は第24番である。 言わずもがな終曲であるが、一説によると、24番をニ短調にすべくショパンは五度圏で設計したとか。 ニ短調という調性は、ショパンが作品28で伝えたかった最大のメッセージである、こよなく愛する祖国を…

ショパン前奏曲集作品28(67)研究再開23日目ー第23番ヘ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、23日目は第23番である。 もはや何度目かわからないがこの曲も難曲である。 この曲の難しさは、低音部は朗々と歌うのに対して、高温部の音域の広い分散和音は燦燦と明るく輝くかつ軽やかにレガートで奏することが求められるから…

ショパン前奏曲集作品28(66)研究再開22日目ー第22番ト短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、22日目は第22番である。 7年ほど前に取り組んでいた頃は、一見シンプルな譜面であるにもかかわらず、弾きにくい曲だと思った。 しかし、あれからリスト(ドンジョバンニ)、スクリャービンのソナタ(3番、7番)、メシアン(喜び…

ねこあつめ卒業ならず

ここ一年もアップデートがないねこあつめ。 制作会社のヒットポイントに「アプデはまだか」と聞いても返事がない(以前は返事が来たのだが。。。 目標としていた銀にぼし50万、金にぼし5,000は達成してしまった。 そして美しい数列の追求ぐらいしかもはや目…

ショパン前奏曲集作品28(65)研究再開21日目ー第21番変ロ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、21日目は第21番である。 のっけからショパン先生のキビシー指示である。 Cantabile。歌うように。 ショパン先生がおっしゃるからにはそんじょそこらのカンタービレではない。 ものすごく歌えということである。 右手の旋律が、…

ショパン前奏曲集作品28(64)研究再開20日目ー第20番ハ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、20日目は第20番である。 悲嘆のコラール。1拍毎に変わる和声の機能をしっかり理解して弾きなさい(と師匠に言われている)。 たとえば4小節目1拍目のドッペルドミナント、6小節目2拍目のドッペルドミナント第5音下方変位属9、そ…

ショパン前奏曲集作品28(63)研究再開19日目ー第19番変ホ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、19日目は第19番である。 左右共に開離分散和音で跳躍をしばしば伴うと共に同時跳躍もあるが、それは音楽的にもちろん意味があってのこと。 マインドレスに反復練習するのではなく、同時和音と見て各声部の移行を考えて弾くこと…

ショパン前奏曲集作品28(62)研究再開18日目ー第18番へ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、18日目は第18番である。 曲の冒頭から緊張感・不安定間の強い属9の和音で始まり、これが曲の過半を支配する。 最初はヘ短調、次に下属調のロ短調に転調するが、解決せず、やはり属9である。が、ここはしかし転調するので色は変…

ショパン前奏曲集作品28(61)研究再開17日目ー第17番変イ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、17日目は第17番である。 コルトーはこの曲を評して「She told me,”I love you.”」と言ったそうだが、自分の曲のイメージはこれに近い。 先行する3曲とはうってかわって優しさに溢れた曲想である。 この曲の演奏のポイントは、内…

ショパン前奏曲集作品28(60)研究再開16日目ー第16番変ロ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、16日目は第16番である。 Presto con fuocoと指示がある。烈しい曲である。が、最初から最後まで猛り狂う演奏では単調で凡庸である。 烈しい中にも感情の起伏を表現せねばならない。 右手は流れとうねりが重要。一音一音ではなく…

ショパン前奏曲集作品28(59)研究再開15日目ー第15番変ニ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、15日目は第15番である。 この曲を雨だれと呼んだのはショパンではない。ハンス・フォン・ビューローは雨だれと評したが、コルトーは死をイメージした。自分が抱くイメージはコルトーに近い。Asの連打は落ちる雨粒ではなく、絶え…

ショパン前奏曲集作品28(58)研究再開14日目ー第14番変ホ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、14日目は第14番である。 ほぼ全曲がオクターブのユニゾンのためソナタ2番作品35の終楽章との類似性をしばしば指摘されるが、ソナタがコーダ的意味合いなのに対し、この14番はIntermezzoであるところで一線を画す。 ユニゾンの曲…

ショパン前奏曲集作品28(57)研究再開13日目ー第13番嬰へ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、13日目は第13番である。 美しい曲である。ひたすら美しい。この美しさをどう表現するか。 またもや(11番に続き)ショパン先生は冒頭下段にlegatoと指示していらっしゃる。 この開離和音をlegatoでダンパーペダル控えめに弾くに…

ショパン前奏曲集作品28(56)研究再開12日目ー第12番嬰ト短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、12日目は第12番である。 作品28中難曲トップ5に入るとされる(8番、16番、19番、24番と共に)12番であるが、弾き方にコツが2つあるのでそれを理解すればそれほど難しくはない。以前(6年前)に弾いていた頃はそれを知らずに弾い…

ショパン前奏曲集作品28(55)研究再開11日目ー第11番ロ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、11日目は第11番である。 冒頭にlegatoとある。いきなりのキツい指示である。およそピアノのテクニックの中で最も難しいものをさらっと書くショパン先生恐るべしである。 ダンパーペダルに頼ってはならないし、音が重なってもム…

ショパン前奏曲集作品28(54)研究再開10日目ー第10番嬰ハ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、10日目は第10番である。 この曲は自分としてはほとんどダンパーペダルは踏んではならないと思う。せいぜいクォーターペダルか。 運指もフィンガーペダルを使うようにとのパデレフスキ版の指示にある。 また曲目解説にも書いたが…

ショパン前奏曲集作品28(53)研究再開9日目ー第9番ホ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、9日目は第9番である。 この曲は、付点四分音符と三連符をノート・イネガルで弾くピアニストが多いし、自分もそう弾いてきたが、自筆譜の研究を読んでからは、ノート・エガルで弾くことに決めた。 これによってより雄大な曲想が…

ショパン前奏曲集作品28(52)研究再開8日目ー第8番嬰へ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、8日目は第8番である。 この曲は曲集中難曲のひとつと言われることがあるが、実は両手とも同じ音型が終始繰り返されるため、弾き方の使い方を覚えればそれほど難しいことはない。 以前、自筆譜の分析(29)において: 「9-10小節か…

ショパン前奏曲集作品28(51)研究再開7日目ー第7番イ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、7日目は第7番である。 怖い曲である。作品28中最も音が少ない曲。ひとつの音の意味がますます大きい。 冒頭の「ミドーレシーシーシー」をどう弾くか。このモチーフは曲全体を通じて8回繰り返されるが、この「シーシーシー」は同…

ショパン前奏曲集作品28(50)研究再開6日目ー第6番ロ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、6日目は第6番である。 なんといっても演奏上の重要なポイントは左手で旋律をチェロの如く豊かなあたたかい音色で奏でることにある。 自然な滑らかな重心の移動、腕の重みを活かして大きな動きで自然な抑揚と音色の変化を出すこ…

ショパン前奏曲集作品28(49)研究再開5日目ー第5番ニ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、5日目は第5番である。 アナリーゼするまでもなく明らかだがこの曲の特徴は目まぐるしい転調である。これによる色彩のゆらぎが聴き手に伝わるような繊細なコントロールが求められる。 また以前この曲の簡単な解説で述べたとおり…

ショパン前奏曲集作品28(48)研究再開4日目ー第4番ホ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、4日目は第4番である。 ショパンの葬儀の際、6番と共にオルガンで奏されたというこの曲は、息の長い、動きの少ない旋律が、左手の和音連打の上に歌われる。 わかりやすい楽想ということもあり、15番「雨だれ」に次いで抜粋で演奏…

ショパン前奏曲集作品28(47)研究再開3日目ー第3番ト長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、3日目は第3番である(年内に24番までひととおり解凍するペース)。 コルトーが小川のささやき(The singing of the stream)と評した軽快な曲である。 実際、ショパンはこの曲の冒頭に leggiermente(軽く優美に)と指示してい…

ショパン前奏曲集作品28(46)研究再開2日目ー第2番イ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、2日目は第2番である。 ハンス・フォン・ビューローが「死の予感」と呼んだが、自分としては「死」そのもののように思える。 音の少ない曲だが、それだけに1音1音のウェイトが高い。まず冒頭の2声であるところの左手における声部…

ショパン前奏曲集作品28(45)研究再開1日目ー第1番ハ長調

ここ2ヶ月ほど文献収集・研究を続けてきたショパン前奏曲集作品28。 約8年ぶりに弾き始め(解凍)ました。 毎日1曲に限定し、楽譜にアナリーゼ(和声分析など)を記し、デュナーミクやアーティキュレーションももちろん含め丁寧にさらいます。 まずは第1番ハ…

ショパン前奏曲集作品28(44)最近のレコーディング(3)Andrew Tyson

既に国際的に活躍しており、日本でも人気のピアニスト(今年10月に来日)、Andrew Tysonのショパン前奏曲集作品28の音源がApple Musicに会ったので聴いてみた。 ちなみに月額980円で聴き放題のApple Musicはなかなか優れものである。 CDも出ている。 https:/…

ガンジーの言葉

世に名言数あれど、ガンジーのこの言葉ほど重いものはない。自分にとって。 “Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.” この20年以上の月日、この言葉のとおり生きてきたつもりだ。 不器用だけど。 毎日、今日が人生の…

ショパン前奏曲集作品28(43)最近のレコーディング(2)Julien Brocal

Apple Musicでショパン前奏曲集作品28の録音をいくつか保存しているが、これまで聴いたことのない或いは自分の知らないピアニストの演奏を聴いてみる。 Julien Brocalというフランスの若手ピアニスト(1987年生まれ)が昨年リリースした録音である。 彼の経…

ショパン前奏曲集作品28(42)最近のレコーディング(1)Christian Budu

これまで聴いていた音源に限定せず、最近のレコーディングで自分の好みに合うものはないか探している。 グラモフォンが昨年アップデートしたTop 10 Best Chopin Recordings (2017 update)の第9位にChristian Buduというピアニストのショパン前奏曲集作品28…