ショパンの葬儀の際、6番と共にオルガンで奏されたというこの曲は、息の長い、動きの少ない旋律が、左手の和音連打の上に歌われる。
わかりやすい楽想ということもあり、15番「雨だれ」に次いで抜粋で演奏されることの多い作品であるが、きわめてショパンらしい色彩の微妙な変化の連続はどう設計して演奏するか熟考する必要がある。
右手の旋律はh-c-h-c-h-cときわめてシンプルだがこの3回のh-cは当然ながら色が異なる。決して単調になってはならない。
左手の和音は決してうるさく旋律を邪魔しないこと。変わった音を微妙に強調しあとは軽く弾くのがよい。
哀切が漂う曲なので、感情の揺れ動きを転調と共に如何に自然に表現するか。難しい曲である。