永田町界隈でTPP法案可決に賑わう中、国会議事堂からほど近い幼稚園でもTPPで盛り上がっていた。
その幼稚園とは私立のカトリック系聖ヒポキャンパス幼稚園。
スーパー英才教育で知られ、外国人も受け入れるためグローバルな教育環境で、将来を担うエリートに子女を育てたい政治家や官僚、実業家の父兄が多い。
この幼稚園でのTPPとは環太平洋自由貿易ではなく「たんぽぽ」を意味する。
この幼稚園では3年前よりたんぽぽ組とすみれ組が派閥闘争を繰り広げ、幼稚園における擬似国会における覇権争いが父兄を巻き込み激化していた。これをTPP問題という。
このほどたんぽぽ組すなわちTPPが超法規的支配を宣言し、すみれ組が激しくそれに抵抗し、これを抑えるべくステファノポーロス園長が解決の手段として、園児達のプライドに訴える妙案を打ち出し決行した。
3日間にわたり、両組の代表選手各5名が選ばれ、知力、体力、時の運を賭けた熱い戦いが繰り広げられ、地元TV局が決勝戦をライブで流した。
漢字の書き取り、英文読解に中学レベルの数学、陸上10種競技やテニス、ピアノや俳句といった全12種目の総合点を競い、決勝は両組最高スコアの代表によるカラオケ対決となった。
総じて大接戦であったが、決勝で戦ったたんぽぽ組代表は世界的なテノール歌手を父にもつイタリア系日本人であったことが勝敗を分けた。
しばらくの間これで聖ヒポキャンパス幼稚園にも平和が続くことを祈りたい。
はじめてショートショート投稿してみました。いかがでしたでしょうか。