読書メモです。
作家である百田尚樹さんが書かれた「至高の音楽」(PHP新書)を読みました。
クラシック音楽の良さを広くわかってもらいたい一念で書かれたエッセイ集+αで、全26曲の魅力を伝えられています。
自分も子供の頃からクラシック音楽には親しんできたので内容はすんなり入ってきます。
自分が知らなかったことも書かれており、勉強になりますし、あらためて聴いてみたくなります。
最初に取り上げられているのは、ベートーヴェンの交響曲第三番「英雄(エロイカ)」です。百田氏自身の思い入れもさることながら、この曲が大規模な交響曲としての金字塔であることなど名曲たる所以をすっきり語ってくれます。百田氏はよくあるクラシック本のように、決して「推薦盤(録音)」を押し付けることはしないながらも、いくつか名録音の例を挙げてくれるところも好感がもてます。
ピアノ曲も多く、ぼく自身もずっと取り組んでいるバッハの平均律、ショパン・エチュードなどについても、教科書的な説明ではなく、作曲家のエピソードや、如何にそれが西洋音楽史上画期的な作品であるかについてもシンプルかつパワフルに語ってくれるので、この当りの書き方はさすが作家と思わせる部分もあります。
クラシックを普段聴かれないが少し関心がある方も、あるいはぼくのようにずっとクラシックをやってきた者にとっても読む価値のある良著です。