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コンサルタントはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

戦略コンサルティングの価値

仕事術

戦略コンサルティングの価値とは何か。

この問いにつべこべ言わずズバリ一言で答えましょう。

事業価値を最も安価に高めることです。

15年間やってきた末の結論であり確信です。

たとえば、事業価値(売上高ではない)が現時点で100億円の企業があったとします。市場は成熟し競合は激化し事業価値は現状の方向では下がるのを食い止めるのが精一杯で、成行では5年後に50億円になってしまいます。ここで市場を見つめ直し、自社の能力や資産を最大限発揮する5年間のゴールと戦略を再定義し、事業価値が200億円になるとしたらどうでしょう。M&Aではありません。この差は150億円です。戦略コンサルタントに報酬として5億円払ったとしても30倍のリターンです。

事業を取り巻く環境すなわち市場/顧客、競合および法規制や技術は刻々変化し、その変化も予測が難しくかつ動的です。

いかに優秀な経営者といえども、全てを把握し常に最適な意思決定ができる訳ではありませんし、どんな経営者でも盲点はあります。

そしてそこに組織の慣性や複雑な利害関係者間の相剋が存在します。

経営者は常に不完全情報の世界で内外の見えるまた見えない敵とも戦わなければなりません。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」は確かにそうかもしれませんが、それはまず敵が誰かを特定できていればの話です。また、自分と自分の組織を理解するのも容易ではありません。

戦略コンサルタントは事業環境の変化を読み切り、クライアントの組織能力を客観的相対的に評価します。そして新たな世界観を作り出しクライアントのゴールを設定し、ゴール達成の道筋を描き、戦略オプションを立案し提言します。そしてさらに戦略遂行の阻害要因を特定しそれを除去する施策も提言し、経営者と合意します。

破綻とまではいかなくとも苦境に陥った企業を解剖すれば、このプロセスが適切に踏まれていないことは明らかです。

 

事業価値を上げる手段は戦略コンサルティングだけではありません。所謂BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)、M&Aやアライアンス、新製品開発や新規事業、組織人事改革など様々な経営支援はもちろん価値を生み出すものです。

しかしそれらの多くはまずゴール設定をどこに置くかによって、有害にもなり得ます。そもそもBPRにしても本来は単なる改善、現状の最適化ではありません。が実態は現状の事業のあり方を前提にした「合理化」「効率化」になっているケースが殆どです。

中長期的な事業価値で見た場合、どういう世界観をもちどこにゴールを設定するかが最終的には大きく事業価値を左右する最大のドライバーなのです。

 

現実にはこれを理解している経営者は少なく、実際に正しく戦略コンサルタントを使う経営者はさらにその中のごく一部です。

理解できない理由は自身を過信している(盲点です)からです。

正しく戦略コンサルタントを使えない理由は大きく3つあります。

1 企画部門の下請けとして使う

2 コンサルタントへの報酬を出し惜しみする

3 考え方ではなく知識をコンサルタントに求める

これらはいずれも戦略コンサルタントの価値を理解していれば防ぐことはできます。

あとは経営者が自分の任期の間さえ良ければいいという短視眼的思考と挙動に陥らないためのコーポレート・ガバナンスが必要です。この点本来はオーナー経営者が優位な立場にはあります。

 

悪貨は良貨を駆逐するという有名なグレシャムの法則コンサルティング業界によく当てはまります。

自分は少なくとも良貨である自負はありますし、安売りはしない方向を今後も貫き研鑽したいと思います。