コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

ショパン前奏曲集作品28⑧

前回に続き4曲ずつ個々の楽曲解説を試みる。今回は9番から12番まで。

参考にさせていただいたサイトは④に記載している。

 

第9番 ホ長調(E major) Largo、4分の4拍子、12小節

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付点リズムを多用した荘重な曲。しばしばこの付点リズムの奏法について議論されるが、ショパンは付点リズムを三連符と合わせることを意図した書き方をしており(実際、バロック時代はこのように演奏された)、それをどう解釈するかは演奏者によって異なる。コルトーはこの曲について予言的な声(Prophetic voices)、ビューローは展望/見通し(Vision)と述べている。

 

第10番 嬰ハ短調(C sharp minor) Allegro Molto、4分の3拍子、18小節

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高音から下降する動機とマズルカリズムのものとが対になって繰り返される。右手のフレーズは、ショパンが指示した運指では4の指を使う等、独特である。コルトーは地球に墜落するロケット(Rockets that fall back down to earth)、ビューローは夜の蛾(The night moth)と述べた。

 

第11番 ロ長調(B major) Vivace、8分の6拍子、27小節

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曲想は典雅で発想記号 (Vivace) の解し方が問われているが、決して速くではなく、活き活きと弾くというのが正しいと思う。

コルトーによればこの曲は少女の望み(Desire of a young girl)、ビューローによればトンボ(The dragonfly)だそうである。

 

第12番 嬰ト短調(G sharp minor) Presto、4分の3拍子、81小節

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ややヴィルトゥオーゾ的な曲。半音階的な旋律が手短にまとめられている。スラブ的。

コルトーによれば夜の騎行(Night ride)、ビューローによれば決闘(The duel)だそうである。