コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

ショパン前奏曲集作品28⑩

前回に続き4曲ずつ個々の楽曲解説を試みる。今回は17番から20番まで。

参考にさせていただいたサイトは④に記載している。 

 

第17番 変イ長調(A flat major) Allegretto、8分の6拍子、90小節

f:id:jimkbys471:20181031153750j:image

温和な曲想で繋留音を多用している。 メンデルスゾーンの無言歌を思わせるが、当のメンデルスゾーンは「私はこの曲が好きだ。私には到底書けそうもない性質の曲だ」と述べたといわれる。

コルトーによればこの曲は「彼女が私に愛していると言った(She told me, "I love you")」、ビューローによれば「ノートルダム寺院の光景(Scene on the Place de Notre-Dame de Paris)」だそうである。

 

第18番 ヘ短調(F minor) Allegro Molto、2分の2拍子、21小節

f:id:jimkbys471:20181031153801j:image

両手で弾かれるユニゾン(斉唱)はイタリア歌劇に影響されたといわれている。レシタティーヴォを思わせる。コルトーによればこの曲は「神の呪い(Divine curses)」、ビューローによれば「自殺(Suicide)」だそうである。

 

第19番 変ホ長調(E flat major) Vivace、4分の3拍子、71小節

f:id:jimkbys471:20181031153814j:image

幅広い音域で(複数の)旋律を浮かび上がらせることが求められる。コルトーには鳥の羽ばたきと評されている。

実際には24曲中メカニカルに最も難しい曲である。

コルトーによればこの曲は「愛する人の下へ飛ぶ翼(Wings, wings, that I may flee to you, o my beloved!)」、ビューローによれば「心からの幸せ(Heartfelt happiness)」だそうである。

 

第20番 ハ短調(C minor) Largo、4分の4拍子、13小節

f:id:jimkbys471:20181031153836j:image

コルトーに「葬送」と評されている。シンプルなコラールだが、ショパンらしい半音階的和声の進行があり、情感深い作品である。

後に、これに基づいて、フェルッチョ・ブゾーニが「ショパン前奏曲第20番による変奏曲とフーガ」を、セルゲイ・ラフマニノフが「ショパンの主題による変奏曲」を作曲している。

コルトーによればこの曲は「葬儀(Funerals)」、ビューローによれば「葬送行進曲(Funeral march)」だそうである。