コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

ショパン前奏曲集作品28(108)参考文献リスト①

これまでに読んだショパン前奏曲集に関する文献を列挙してみる。特に参考になった文献には☆をつけてみた。

 

☆譜を読む(1)~(21)新しく―大胆に ショパン前奏曲」編 / 渡辺圭子、レッスンの友(レッスンの友社)連載 1992年9月~1994年5月

☆連載レクチュア イエルク・デームス 池田明子編ショパン24の前奏曲op.28」(1)~(3)、Chopin Magazine 連載 1985年5月~1985年7月

ショパン24の前奏曲集』のもう一つの顔(2) 蓑口 和之 学士会会報 2018(4)=931:2018.7 p.131-133

  1. ショパンのピアノ演奏におけるアゴーギクの効果 : 24の前奏曲作品28を例として前田 拓郎 尚美学園大学芸術情報研究 = Journal of informatics for arts, Shobi University (27):2017.10 p.13-27

☆幽冥の世界への前奏曲 : 堀辰雄ショパン「二十四の前奏曲」研究をめぐって 中島 国彦 比較文学年誌 / 早稲田大学比較文学研究室「比較文学年誌」編集委員会 編 (52):2016 p.1-15

☆下田幸二のピアノ名曲解体新書(58)ショパン 24の前奏曲 下田 幸二 レコード芸術 / 音楽之友社 [編] 64(10)=781:2015.10 p.200-202

19世紀におけるピアノのための前奏曲比較研究 : フンメル,カルクブレンナー,ショパン,ブゾーニ,スクリャービンの《24の前奏曲》を中心に 李 珍和 エリザベト音楽大学研究紀要 (34):2014 p.29-37

過去の名盤、モダンな新盤、どっちが凄いか我ら現代名盤鑑定団(157)ショパン:24の前奏曲Op.28 ポリーニ、《前奏曲集》で示す真の収穫期 浅里 公三, 小林 利之, 濱田 滋郎 レコード芸術 / 音楽之友社 [編] 62(1)=748:2013.1 p.255-259

ショパンペダリングにおける美の様式《24の前奏曲》作品28-1,2,13番の分析による実践的研究 加藤 一郎 音楽研究 : 大学院研究年報 / 国立音楽大学大学院 編 23 2011.3 p.1~16

ショパン24の前奏曲」op.28にみる各曲の関連性と対照性について 木下 千代 音楽表現学 / 日本音楽表現学会 編 5 2007 p.33-44

ショパン前奏曲集 op.28》--自筆譜、パデレフスキ版、ナショナル・エディション(エキエル版)の比較研究 安積 京子 財団法人日本ピアノ教育連盟紀要 (20) 2004 p.64~73

ショパン24の前奏曲」作品28について 伊藤 真由美 山口芸術短期大学研究紀要 35 2003 p.1~12

フレデリック・ショパン作曲『24の前奏曲』第1曲の分析--ミクロ・ポリフォニー技法への一考察 その4 宮沢 一人 徳島大学総合科学部人間社会文化研究 (通号 7) 2000 p.115~126

ショパンの「前奏曲op.28-20」の和音進行 川上 晃 群馬大学教育学部紀要. 芸術・技術・体育・生活科学編 (通号 30) 1995 p.19~27

ショパンの「24の前奏曲op.28」の速度と調性 川上 晃 群馬大学教育学部紀要. 芸術・技術・体育・生活科学編 (通号 28) 1993 p.p1~10

ショパン前奏曲(西方の音) 五味 康祐 芸術新潮 27(11) 1976.11 p.p128~130

演奏研究発表プログラム・ノート : 2018年3月21日 ショパン : 《24のプレリュード》Op.28より 第15-24番 根本 志保 演奏表現学会年報 = The annual of the Association for Music Performance Expression / 演奏表現学会 編 (20):2017 p.76-80

☆合理的な動きで理想の音を得るためのポイント : ショパン/「24のプレリュード」より (特集 左手は歌う! : 左手にスポットを当て、その合理的な使い方、歌わせ方を探る) 三村 和子 レッスンの友 : ピアノ音楽誌 = Lesson no tomo : a magazine for music lovers 40(2)=461:2002.2 p.18-23

ショパンのプレリュードの研究--ポーランド国立図書館蔵の自筆譜の研究(10) 佐藤 允彦 相愛大学研究論集 / 相愛大学研究論集編集委員会 編 16 2000 p.1~41

ショパン作曲《24のプレリュード作品28》の音楽的表象の図式的表現の試み 草間 真知子 広島大学教育学部紀要. 第二部 / 広島大学教育学部 編 (通号 46) 1997 p.75~82

☆F.ショパン,全作品の和声分析"プレリュード" 中山 孝史 熊本大学教育学部紀要. 人文科学 / 熊本大学教育学部 編 (通号 45) 1996 p.77~90

ショパンのプレリュードの研究(ポーランド国立図書館蔵の自筆譜の研究-9-) 佐藤 允彦 相愛大学研究論集 / 相愛大学研究論集編集委員会 編 (通号 9) 1993.03 p.p1~15

ショパンのプレリュードの研究(ポーランド国立図書館蔵の自筆譜の研究-8-) 佐藤 允彦 相愛大学研究論集 / 相愛大学研究論集編集委員会 編 (通号 8) 1992.03 p.p1~27

ショパンのプレリュードの研究(ポーランド国立図書館蔵の自筆譜の研究-7-) 佐藤 允彦 相愛大学研究論集 / 相愛大学研究論集編集委員会 編 (通号 7) 1991.03 p.p1~16

ショパンのプレリュードの研究(ポーランド国立図書館蔵の自筆譜の研究-6-) 佐藤 允彦 相愛大学研究論集 / 相愛大学研究論集編集委員会 編 (通号 6) 1990.03 p.p1~22

ショパンのプレリュードの研究(ポーランド国立図書館蔵の自筆譜の研究-5-) 佐藤 允彦 相愛大学研究論集 / 相愛大学研究論集編集委員会 編 (通号 5) 1989.03 p.p19~35

ショパンのプレリュードの研究(ポーランド国立図書館蔵の自筆譜の研究-4-) 佐藤 允彦 相愛大学研究論集 / 相愛大学研究論集編集委員会 編 (通号 4) 1988.03 p.p1~11

ショパンのプレリュードの研究(ポーランド国立図書館蔵の自筆譜の研究-3-) 佐藤 允彦 相愛大学研究論集 / 相愛大学研究論集編集委員会 編 (通号 3) 1987.01 p.p1~26

ショパンのプレリュードの研究(ポーランド国立図書館蔵の自筆譜の研究-2-) 佐藤 允彦 相愛大学研究論集 / 相愛大学研究論集編集委員会 編 (通号 2) 1986.01 p.p1~22

ポーランド国立図書館所蔵のショパンのプレリュード--作品28 自筆譜の資料的研究 (〔相愛女子大学・相愛女子短期大学〕創立90周年記念号) 佐藤 允彦 相愛女子大学・相愛女子短期大学研究論集. 音楽学部篇 (通号 26) 1978.12 p.p1~13

音楽構造と演奏-1-ショパンのプレリュードop.28の場合 谷 慶郎, 斎藤 洋  秋田大学教育学部研究紀要. 教育科学 / 秋田大学教育学部研修委員会 編 (通号 37) 1987.02 p.p1~21

ピアノ演奏指導のための試論--ショパン作曲「24のプレリュード」を素材として 清水 淳彦 神戸大学教育学部研究集録 / 神戸大学教育学部 編 (通号 69) 1982.07 p.p45~52

スーパームーン

ここ数日月が大きく見える。いわゆるスーパームーン🌕である。

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月の軌道は楕円形であるため、地球との距離は一定ではなく、約36万kmから約40万kmの間で変動している。

現在は。

この軌道形状による周期的変動とは別に、月と地球の距離は歴史的にも変化を続けているということだ。

現在は年におよそ3cmとわずかだが地球から月は遠ざかっているとのこと。

このペースでいくと1億年後には3百万メートルすなわち3,000km遠ざかる。これは現在の地球と月の距離の1%にあたる。

歴史を遡れば30億年前は今より30%近かったということだから、現在のスーパームーンなど比較にならないほど大きく見えたことであろう。

ショパン前奏曲集作品28(107)初レッスンでの指摘事項④19番

先日の作品28レッスンでの指摘。今回は19番変ホ長調

  • 1-2小節: ここは主調でダンパーペダル踏みっぱなしで自然にcresc.であり、決して間違ってもIの和音以外の音を弾いてはならない(ミスタッチは絶対に許されない)。左手の跳躍は手首の回転を使うところと平行移動とがあるので同じ動きの繰り返しではない。ゆっくりさらうこと
  • 5-8小節: 和声が変化したら必ずはっきりペダルは踏みかえること。決して濁らないように
  • 24小節、28小節: あくまでも主役はソプラノのライン。内声を出したい気持ちはわかるしそれはおもしろいが、あくまでもソプラノを出すこと
  • 29-32小節: ヘミオラはあくまでも2拍目が突出しないように
  • 56-57小節: 右手の十度和音は二声体
  • 68小節目: スラーを意識すること

ショパン前奏曲集作品28(106)初レッスンでの指摘事項③18番

先日の作品28レッスンでの指摘。今回は18番ヘ短調

  • 1小節目: 右手のレシタティーヴォ(recitativo)と右手の減9度の和音はまったくの別物であるので、そのように聴こえなければならない。
  • 3-4小節: (当然想定された指摘)ユニゾンは決してズレてはならない。手指の都合でフレーズが切れたり変なアクセントがつくということは決してないように
  • 8小節: 特に左手で1の指が下をくぐるのがぎこちない。
  • 9-12小節: 十六分音符のパッセージとsfのついた和音は別物。かつ、全体にcresc.なので十六分音符パッセージはdimであってもsfのついた和音が段階的にcresc.していくこと
  • 13小節目: 3拍目の三連符は記譜は無いが当然ダンパーペダルを使う
  • 16小節目: 裏拍にアクセントがついているので決して逆にならないこと
  • 18小節目: 十六分音符三連符ははっきりと。変にaccしないこと。休符はたっぷりと

ショパン前奏曲集作品28(105)各曲の鳥肌ポイント⑥

どの曲にも(好きな曲に限定されるが)自分が言うところの「鳥肌ポイント」がある。

この箇所を素晴らしく弾くと鳥肌が立つからそう名付けている。

必ずしもその曲の「ピーク」とは限らない。

作品28の各曲について、鳥肌ポイントがどこか、そしてなぜそうなのか、を6回に分けて解説する(一度に24曲分書くのは大変なので)。

今回は21番から24番まで。

 

第21番 変ロ長調

箇所: 13小節目

理由: 天からゆっくりと半音階的に舞い降りてくる和音のユニゾンの色彩。

 

第22番 ト短調

箇所: 17小節目

理由: ここは曲のピークでもあるが、durでありながら底抜けの明るさではない。

 

第23番 ヘ長調

箇所: 8小節目

理由: b音の響き。言わずもがなこの小節はC durの主和音からF durの属七の和音への進行となっており、珍しくもない和声進行だがしかしショパンの手にかかるとこうも美しい。

 

第24番 ニ短調

箇所: 41小節目

理由: c mollナポリの6の和音Des durへ。もちろんここは深いくもった響きで。しかし曲想は全体に猛々しいのであまり弱弱しくなってはならない。

ショパン前奏曲集作品28(104)初レッスンでの指摘事項②17番

先日のレッスンでの指摘。今回は17番変イ長調

  • 1~5小節: ここはまったくcrescやdimの指示はないのであまり抑揚をつけないこと。
  • 6小節目: 右手の旋律。あくまでも2つ目の音は一つ目より弱く。
  • 14、18小節: 右手の中声部の和音が出しゃばらないこと。
  • 19小節目: はっきり色を変える。
  • 20、22小節目: 左手のラインは最初の音から出すこと。
  • 25小節目: 弱くし過ぎないこと。次の小節で落とすことを計算してmf程度に。
  • 40-41小節目: ここはまだf。dimし過ぎないこと。
  • 65小節目: 冒頭のバスAsは強くしない。既にここは時間帯で言えば夜。
  • 84小節以降: perdendosiだからほとんど消えゆくように。

ショパン前奏曲集作品28(103)初レッスンでの指摘事項①16番

前回、師匠その4のレッスンでいただいたアドバイスについて書いたが、みていただいた6曲のそれぞれについて、具体的な指摘について書いてみる。

なお、レッスンでの指摘というのはその人の実力や曲の出来具合に応じた、あくまでも個人的かつそのレッスンに限るものであることは言うまでもない(しかしだからこそ個人レッスンの意味がある)ので、どちらかといえば備忘録的なものであることをご理解いただきたい。

今回は16番変ロ短調

  • 1小節目: まずは出だしの5連符。これはとにかくソプラノのラインがはっきり聴こえることが何より大切。どんな重和音でもそうだが必ず鳴らす音とおさえる音がある。
  • 2小節目以降: 次に、曲全体に無窮動的に続く右手の十六分音符。これは決して抜けたり外したりしてはならない。そのためには親指が自由であり、かつ3の指や4の指をまたぐ動作がスムースであること、かつ動きの向きが変わるときに手首や肘が柔軟かつ遅滞なく動くこと。かつ、con fuocoであるので、決して弱くならないこと。
  • 18小節目以降: 展開部。主調だがバスがオクターブになる。スラーのかかり方が提示部と異なることに注意する。
  • 26小節目以降: 中声部の和音はラインを成す。横のつながりを良く聴いて弾くこと。
  • 30-31小節: 左手の十度の和音は弱拍(2拍目、4拍目)が突出しないように注意する。
  • 40-41小節: 左手の3連続和音はカデンツespressivoに。

ショパン前奏曲集作品28(102)初レッスン

昨晩は、時折見ていただいている師匠その4(コンサートピアニスト)に初めてショパン前奏曲集作品28をみていただくという、きわめてチャレンジング(きわめて基本に厳しい方のため)な体験であった。

みてもらったのは16番から21番まで(22番から24番は手が回らなかった)。

結論からいうとこのタイミングでみてもらったのは大変よかった。まだ再開して2ヶ月足らずであり、まだまだいろいろ模索中の段階だからである。

バッハ平均律ベートーヴェンソナタを見てもらった際にも言われたことだが、拍子、強拍・弱拍という、当たり前すぎて楽譜にだれも書く訳がないところを今回もきびしく指摘された。

もう一つは和声の変化を如何に表現するか。ひととおり和声進行は分析しているが、デュナーミクペダリングなどどう具体的に実践するかは別問題。より緻密に計算し設計しなければならない。

渋谷のホール&スタジオ

先日、アメリカ留学時代の先輩から誘われてピアノ弾き合い会に参加してきた。

渋谷駅から歩3分と交通至便な立地。

https://www.shibuyahall.com

スタジオとホールがあるが、今回使ったのは5Fのホール。

新品のファツィオリF212がある。64席のホールにちょうどいい。

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なかなか良い響きであった。

この立地とピアノとホールで土日でも1時間4,000円とはかなりリーズナブル。

次回弾き合い会はここで企画しよう。

二二六事件について学ぶ③

二二六事件について学んでわかった重要なことがある。

この事件を理解するにあたり重要なこととは、それをあたかもドラマ仕立てで捉えたり、俗っぽい陰謀説として捉えたり、誰かを英雄もしくは悪者に仕立てそれだけをクローズアップするとか、そういうこととは対極にあるものとして理解するということだ。

複雑なのである。

自分の商売は複雑なことをシンプルにわかりやすく伝えることだが、必ずしもそれが正しくない場合がある。たとえば二二六事件である。

うがった見方をするのではなく、丹念に史実を知り、それらの関係を事実に基づいてつなぎあわせ(今となっては遺書や裁判記録も明らかになっている)、複雑だと片付けるのではなく、その複雑さの本質を冷静に客観的にとらえることだ。

こういう能力は必要である。教養として。