コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

1マイルレースの醍醐味

陸上のトラック競技で人気競技と言えば何といっても100mだが、欧米では5,000mや1,500mといった中長距離走も人気である。
1,500mより少し長い1マイルレース(1,609m)は、度量衡でヤード・ポンド法を採用している国(アメリカ等)では実は人気レースだったりする。

今でこそ1マイルの世界記録は3分43秒余と(エルゲルージが20年前に出した驚異的な世界記録)と、4分を軽く切っているが(ちなみに日本記録は23年前につくられた3分58秒余)、かつて1マイルを4分未満で走るというのは、かつて100mで10秒を切る、あるいはエベレスト登頂と同じくらい、人類にとって未踏の世界の一つとされたものであった。

1マイル(1,609m)を3分43秒で走るということは、平均で100mを14秒を切るスピードで走るということである。
走ってみるとわかるが、普通の人は100mで14秒を切るのも楽ではない。
それでトラックを4周するのである。
実際にみると感動的ですら、いや畏怖ですらある。
たとえばこの動画をみていただきたい。
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そして、かつて世界屈指のランナー達が、1マイル4分を目指して激しく熱く燃えたことがあった。
この挑戦が1冊の本にまとめられている。

パーフェクトマイル―1マイル4分の壁に挑んだアスリート 単行本 – 2004/7
ニール バスコム (著), Neal Bascomb (原著), 松本 剛史 (翻訳)
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胸が熱くなる1冊である。

恐怖症

誰しも多かれ少なかれ恐怖症はあると思う。

何かを異常に恐れること。なぜと問われても怖いものは怖いのだ。

自分の場合は3つある。

 

一つは閉所恐怖症。エレベーターとか無窓居室(特に面積の小さい部屋)は怖い。脂汗をかき激しい動悸がするというほどではないものの、なんとなく怖い。

タワーマンションには決して住めない

 

二つ目は渋滞恐怖症。昨年の冬に親戚の家に法事で向かう途中、事故で高速が大渋滞になった。あの時は激しい動悸、そして冬なのに大汗をかいた。

極力電車や飛行機を使いたい。飛行機は極度の閉所恐怖症の人には乗れないが、自分の場合はそこまでではない。

 

三つ目は先端恐怖症。キリとか包丁とかナイフとかが怖い。ゾクゾクっとする。

 

そもそも恐怖症とはなぜ存在するのか。

恐怖症はICD(国際疾病分類)では不安障害に分類される疾病だそうだ。

治療法としては行動療法があるぐらいで、あとは時間の経過と共に軽減・消失を待つしかないらしい。

しかし近年では精神疾患の治療にデジタルテクノロジーが応用され、臨床的に効果を認められているものもあるので、VRやAR、MRを用いて治療可能なのではなかろうかと思ったりもする。

日常生活に支障を来すほど重症なのであれば、デジタルセラピーに期待が持てるのではないだろうか。

臨床的に用いるものではなくとも、自分のように受診するほどではないが恐怖症がある人にとっては、有料でも使ってみたいと思うので市場はある筈だが。

井上ひさしさんの言葉

戦略コンサル時代の友人で、今は学者としてまた政策プロデューサーとして八面六臂の活躍をしている彼が先日SNS座右の銘のひとつとして井上ひさしさんの言葉を引用していた。

むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに
そしてゆかいなことはあくまでゆかいに

「むずかしいことをやさしく」だけでも言うは易く行うは難しであるが、コンサルタントはまずこれができなければならない。
そしてこれには上記のように続きがあるのである。

これを自分の仕事に当てはめてみると、やるべきことが見えてくる
むずかしいことをやさしく、とは、複雑な事業環境のダイナミクスの本質を捉え、テクニカルな言葉ではなく、相手に判ることで説明する。
そして、その判りやすい説明は実に含蓄の深いものでなければならない。すなわち、単に単純化したことや、ありきたりのパターンではなく、洞察が無ければならない。
そしてその洞察を、決して批判的になったりしないよう、相手に興味関心を持ってもらうように伝える。
かといって奇を衒ったりするのではなく、あくまで真摯に誠実に伝えるのである。
さらに言えば、それを伝えることで相手も自分もハッピーになれるように。もっともっとハッピーになれるように。

これは音楽においても(演奏でも作曲でも)言えることだと思う。

井上ひさしさんの言葉はやさしくふかくそしてとてもおもしろい。

SFの新たなジャンルを築いた名作

自分にとってSF(サイエンス・フィクション)は単なるエンターテインメントを超える意味を持っている。
今も現代の我々に勇気を与える名言「人間が想像できることは人間が実現できる」と言ったのは確かH.G.ウェルズだと思ったが、SFは人間のイマジネーションのフロンティア(最前線)であり、物理学の進歩に欠かせない仮説の構築にも資するし、新たなテクノロジーの生みの親ともなっている、人類の進歩をドライブするものであるとみなしてもいる。

雑誌kotobaの2017年秋号の特集には、各界の有識者が読むべき10冊をそれぞれ挙げているが、SFについては書評家の大森望さんが、「SFの新たなジャンルを築いた名作の本棚」として、必読の名作10冊を挙げている。
自分はこの中のいくつかは読んでいるが、読んでいないものもあり、早速Amazonで購入して読んでいる。

以下、大森さんが挙げた珠玉の10冊である。特に「あなたの人生の物語」は読んでみたい。

フランケンシュタイン』メアリ・シェリー著、森下弓子訳(創元推理文庫)
https://amzn.to/2G5dPZX
ホラーと思われがちだが、実は科学技術の暴走を描く近代SFの嚆矢(こうし)。

『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス伊藤典夫訳 (ハヤカワ文庫SF)
https://amzn.to/2S6KtPz
変貌した遠未来世界を幻視し、椎名誠貴志祐介にも影響を与えた。

『タイムマシン』H・G・ウェルズ著、池央耿訳(光文社古典新訳文庫ほか)
https://amzn.to/2XEHcNB
時間旅行という古来の人類の夢に“航時機”という形を与えた。

『結晶世界』J・G・バラード著、中村保男訳(創元SF文庫)
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外宇宙から内宇宙への転進を説くニューウェーヴSF提唱者の代表作。

幼年期の終わり』、アーサー・C・クラーク著、池田真紀子訳(光文社古典新訳文庫ほか)
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異星人とのファースト・コンタクト、人類の進化のヴィジョンを描く。

ニューロマンサーウィリアム・ギブスン著、黒丸尚訳(ハヤカワ文庫SF)
https://amzn.to/2Jp2g1G
ブームを起こし、現代SFのモードを変えたサイバーパンクの頂点。

ソラリススタニスワフ・レム著、沼野充義訳(ハヤカワ文庫SF ほか)
https://amzn.to/2JpbHhJ
人間に理解できない異質な知性をリアルに構築し、SFを革新した。

万物理論グレッグ・イーガン著、山岸真訳(創元SF文庫)
https://amzn.to/2xCXmrn
宇宙のすべてを説明する究極の科学理論がもたらす衝撃の未来。

あなたの人生の物語テッド・チャン著、浅倉久志ほか訳(ハヤカワ文庫SF)
https://amzn.to/2G4o2G0
現代SFの頂点を極める短編集。表題作は映画「メッセージ」原作。

『闇の左手』アーシュラ・K・ル・グィン著、小尾芙佐訳 (ハヤカワ文庫SF)
https://amzn.to/2JyVtRX
両性具有の異星人との旅を通じ、性差と異文化を正面から考察する。

常識を疑え

常識とは何か。
一般的に正しいとみなされること。
知っていて当たり前とされること。
そう。常識はまず知っていなければならない。
その上で疑ってみる。
ただし、ただ否定するだけではない。
なぜそれが常識なのかその理由を理解することだ。
皆がそう言うからそうなのだ、では単なる思考停止にとどまる。
常識から言って不可能とされること、あり得ないとされることにこそチャンスがあるとまず仮説を構築する。
新たな価値は常にそこが起点である。
この姿勢を貫きたい。

青春欲

mixiでつながっているアマチュアピアノ仲間の間では、連日コンクール準備や挑戦(予選参加、本選参加)の書き込み(つぶやき、日記)が百花繚乱である。
昨日、その仲間の一人がつぶやいた。

「きょうはみんな青春してるんだろうなー」

彼は今年はコンクールに参加せず、来年「青春する」のだそうだ。

そんなやり取りをしていて、「そうか、みんな青春したいんだ」とはっと気づいた。

ピアノに限らない。

目下自分が通っているジムでは、トレッドミルで走ったり、ボート(water rower)を漕いだり、フロアでダンベル使ったトレーニングや体幹レーニングをやっているが、一人でやるのとちがい、周りががんばっているので自分もがんばれるし、「ヒュー」「わー」「おー」などと掛け声をかけたり、まるで部活のノリである。

それぞれ痩せたいとか体力付けたいとか美ボディになりたいとか目的はあるのだろうけど(自分の場合は脳を活性化したいのと、ワークアウト後の爽快感と集中力の高まり、そしてスリ筋を求めている)、共通してあるのは「青春したい」なのではないだろうか。

そう。そしてこれを「青春欲」と名付けた。

世の中「大人の~」などと名付けた習い事が数々あるが、いまひとつダイレクトに青春力を充足するサービスとして成熟していないように思う。
昨年、20年ぶりに本格的に英語を習ったが、これも実は「青春したい」からではなかったかと思う。
ゴルフとかではだめなのだ。マスターズ陸上とかマスターズ水泳とかどうも「年寄りの冷や水」的で青春とは程遠いイメージがある。

なんかこう、アンチエイジングとかフレイル防止とかといった打算なく一生懸命何かに打ち込む感じ、が欲しい。

これは新規事業ネタとして真剣に考えたくなってきた。元同僚の新規事業のプロと議論してみることにする。年内の事業化を目指して。

イツァーク・パールマン

NHKパールマンのドキュメンタリーやってた。指揮者、ピアニスト、バイオリニスト、声楽家、数々の音楽家を子供の頃から聴き目にしてきたが、誰に最も心惹かれたかといえばパールマン。彼のメンコンとチャイコンを上回る演奏に出会ったことはない

ビリージョエルとのセッションは殊に震える。天才はジャンルを超える。

アルゲリッチとのバッハのソナタもいい✩°。⋆⸜(*˙꒳˙* )⸝

「美しい音が出せる人と出せない人の違いは何か。それは聴こえるか聴こえないかだ。」蓋し名言である。

やはり自分は本当にバイオリンが好きなんだと思った。

目の疲れを防ぐには

ここ数週間、2つプロジェクトを回しておりプレイングマネジャーであるため、自分で情報収集し分析している。コンサルタントを1人つけてはいるが、それでも自ら目を通しExcelPowerpointを作成しているので、かなり目に負担がかかっている。
裸眼で視力もいいのだが(視力検査では1.0-1.2)、おそらく現時点では0.5-0.6に落ちているだろう。
そんな時にはどうするか。
できるだけ目薬には頼らないようにしている。
なるべくスマホやPCを使わず、目をつぶって構想を考え、書くことが決まってからPCに向かう。
それともう一つ。無理に焦点を合わせないようにする。
さらには、長時間作業を続けない。
TVもみない。
ゲームもやらない。
ピアノの練習はできるだけ目を閉じてやる。
現代人は目を酷使し過ぎなのである。
ロービジョンも増えていると聞く。
休めることが大切。
これも大切な仕事術。

【読書メモ】クリエイティヴィティ

仕事、ピアノ、筋トレ、ランニング、すべてにおいて圧倒的な質と生産性向上が見込まれるフロー体験についてさらに研究すべく、
原典とされる本を読んでみた。

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クリエイティヴィティ : フロー体験と創造性の心理学
図書 M.チクセントミハイ 著, 浅川希洋志 監訳, 須藤祐二, 石村郁夫 訳. 世界思想社, 2016.10

この本の第5章「創造性のフロー」に、フロー体験に共通する(アスリート等へのインタビューに基づく)9つの要素が挙げられている。
1.過程のすべての段階に明確な目標がある
2.行動に対する即座のフィードバックがある
3.挑戦と能力が釣り合っている
4.行為と意識が融合する
5.気を散らすものが意識から締め出される
6.失敗の不安がない
7.自意識が消失する
8.時間間隔が歪む
9.活動が自己目的的になる

いずれも納得のいく要素であるが、では実際にこれらすべてが実現している状況というのは極めて稀であろうこともよくわかる。
音楽などでは特に9.が重要かもしれない。たとえばコンクールで演奏する場合、結果がどうなろうとそんなことは演奏中は一切考えず、演奏という行為そのものを楽しんでいる状態である。
仕事でもそうだ。本当に集中し一切の雑念なく、自分の力量をちょうど発揮でき、「間違えたらどうしよう」などという不安もない状態。そして時の経つのも忘れ没頭している。これであればとてもクリエイティブな仕事ができるであろう。
常にできるだけこれに近い状態でいたい。どんな瞬間でも。