怖い曲である。作品28中最も音が少ない曲。ひとつの音の意味がますます大きい。
冒頭の「ミドーレシーシーシー」をどう弾くか。このモチーフは曲全体を通じて8回繰り返されるが、この「シーシーシー」は同じ「シー」を3回繰り返すものではもちろんない。しかも6回目の場合は松葉(クレッシェンド)がついているので、他とはまた異なる弾き方になる。
しかもdolceとわざわざショパンは書いている。つまり「きわめてやさしく」「とてつもなくやさしく」弾かなければならない。ピアニストとしての「やさしさ」の極限が試される。
そして15小節目の3拍目の右手の前打音をどう弾くか。
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などなど考えるべきこと、やるべきことは多い。