16番、24番と並び作品28中特に難しいのが19番である。なにしろ注文が多い。
- 終始開離分散和音であるため、疲れやすい。疲れると音が硬くなったり外しやすくなるため、手首や肘の柔軟性、手首の水平方向の回転で弾くべきところと、素早い平行移動を行なうべきところを見極めて弾く必要がある
- あくまでも旋律はソプラノにある。内声が決してうるさくならないようしかしバランスよく響かせること
- 最初の2小節、および9-10小節、33-34小節、41-42小節はすべてEs durの主和音構成音(es, g, b)のみから成り、ダンパーペダルの指示も踏みっぱなしであるゆえに、決して主和音以外の音を弾いてはならない
- ショパンは繰り返しを決して同じように弾いてはならない。5-6小節と7-8小節はほぼ同じではあっても明らかに色は違う
- 16小節3拍目から場が変わる。場の変化をビジュアルに感じ取れるように弾くこと
- 21小節から光が差してくる。明るさを出していく。がこれも束の間で25小節から若干暗くなる
- 29-30小節は2拍毎にはっきりと色を変えること
- 32小節絵の2拍目のスラーには意味がある
- 34小節からは再現部であるから、はっきりと回帰感を出すこと
- 41小節目は同じ動機の4回目であるが、これが最後である感じを出すこと
- 46-47小節と48-49小節は明らかに性格が異なる。57-58小節と59-60小節も同様
- 62小節の最初のバス音は決して前後で間延びしない/遅れないこと
- 68小節目の3拍目のスラーを忘れないこと