コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

不動産テック

なにやらフィンテックFintechに続きリアルテックReTechなる言葉が昨年あたりから言われ始めアドテック含め〇〇テックが氾濫している。

不動産という業界はITの活用、というよりデジタル化が遅れている領域と言われているが、大学の頃から建設CADをやり、建物や構造物の地震や風による振動とこれに伴う損傷を人工地震波をフーリエ変換で合成し確率論的に定量化する研究をやり、企業の研究でも制震アルゴリズムを開発し実験とコンピュータシミュレーションでやってきた、またPMLという指標を日本で始めて導入し建物の耐震信頼性を定量化した自分にとっては、何をいまさらという言葉ではある。

ただしIoTやブロックチェーンという新たな技術の商用化によって、可視化や効率化やデコンストラクションが広範に可能になったことは事実である。

昨年からそして今もAIやIoT、スマートフォンやスマートロックを活用した事業に関わっているので最先端の状況も把握しており、大手建設不動産ともつながりのある自分としては不動産テックの領域を引っ張る存在にならなければならない使命感を覚える。

どのテック領域もそうだが、デジタルとリアルの融合には既存old worldプレイヤーとnewな星たちを結びつけるところが難しくそこにこそ価値がある。まさに自分でなければできないポイントだ。

博多に来て思ったこと

今週はまたも1泊のやや弾丸出張で博多に来ました。

地元で不動産コンサルタントを務める先輩の街を見る視点が新鮮です。

博多の人の生態と街づくりについて実際に街をくまなく歩きながら東京との違いを考えさせられました。

博多のひとたちは、きちんと信号待ちをします。

赤で渡ることはもとより、フライングすることもありません。

歩く速度もゆっくりです。

東京とは対照的です。

ふと、自分は日頃何を焦っているのだろうと思いました。

いつも何かに追われているような動き方をしているんだと。

「時間に追われる」といいますが、時間は決して誰かを追ったりはしません。

そう思うのは単なるたとえであり思い込みに過ぎません。

どうせならこちらが時間を追えばいいのかもしれません。裁量はこちらにあるのです。

決して自分のペースを他の誰にも何にも決めさせてはならない。それでは決していい結末は訪れない。

マイペースで。

要領が良すぎる男

服部卓四郎という人物。

先日の日本近現代史勉強会で実際どういう人物だったかあらためて識者からうかがったが、実に極めて「要領が良い」男であったことは確かであるようだ。

服部卓四郎についてはこれまで多くの研究者や歴史愛好家が書いているのであらためて解説する必要もないしできないのだが、たとえば以下のようなソースを参照されたい。

 

https://www.amazon.co.jp/二人の参謀―服部卓四郎と辻政信-芙蓉軍事記録リバイバル-高山-信武/dp/4829502347

 

ブログ投稿もいくつか:

http://kojioka.blogspot.com/2010/01/blog-post_200.html?m=1

http://kajikablog.jugem.jp/?eid=530495

 

その服部くんがGHQの仕事としてまとめたのがこれ。

https://www.amazon.co.jp/大東亜戦争全史-服部-卓四郎/dp/4562040882

読む意味は無いと思われ。

 

自分も仕事がらビジネスの世界、内資でも外資でも、或いは官僚の世界でも、単に目から鼻に抜ける知性を持っているだけでない、抜け目ない(英語ではshrewd)機を見るに敏で要領が途轍もなく良い人物を数々見てきているが、この服部くんに比肩する人物はいない。これからも会うことはないだろう。

 

彼の罪は極めて重い。文字通り万死に値するだろう。

しかしその能力(運も含む)には刮目せずにはいられない。

日頃から人間の能力の限界を考えているものとしては、研究対象にしなければならない。見習うという意味では勿論ない。

 

 

 

 

イエメンで何が起きているのか

先週のThe Ecoomistの記事「いかにしてイエメンが地球上で最も悲惨な場所になったか~新たな湾岸戦争」のタイトルが目を引き読んでみた。

How Yemen became the most wretched place on earth - The new Gulf war

 

日本人のほとんどにはこれがどこまで「悲惨」なことか想像すらできないだろう。

自分にも想像できない。

 

政治も行政も安全保障も教育も医療も食事ですらシステムとして破綻している。

先日の脆弱国家リストでも最下位の一角。

国連はこういう状況こそ使命を発揮せねばならない。

国連がいま具体的に何をしているか調べてみよう。

 

玲瓏

羽生永世七冠がもうかれこれ10年以上抱いているイメージを表す言葉。

玲瓏。

明鏡止水と近いのかもしれない。

どの道であれ真剣勝負するならばこの境地に至るべきという心境。

何度もこの言葉を聴いてきた。

実感できるにはそれなりの、いや並大抵ではない努力と苦悶が必要なのかもしれない。

自分には到底無理だとずっと思ってきた。

しかしここにきて分かるような気がしてきた。

ピアノを通じて。

わずか3分の練習曲。

もう1,000回分は練習してきて、辿り着けないかもしれない境地に少しずつ近づいてきた気がする。

 

ムヒカ大統領の演説

ウルグアイのムヒカ前大統領の、2012年国連持続可能開発会議での有名なスピーチ。

www.youtube.com

スペイン語国連公用語の一つ)でのスピーチだが、英語のキャプションが付いているのでぜひご覧いただきたい。

先進国そして新興国を支配する消費至上主義こそを見直すべきという強い主張である。

持続可能な開発を論じるならこの大前提こそを見直さなければならないと主張できる先進国の首脳が果たしているだろうか。否。

ムヒカ大統領は"the poorest president"(最も貧しい大統領)などと呼ばれることがあるが、必ずしもそれは正しくない。

大統領公邸に住むこと(およびそこに使えるスタッフを使うこと)を拒み、資産は1987年製のフォルクスワーゲンビートル(20万円相当)のみ、首都モンテビデオの郊外に住み菊を栽培して販売し、大統領としての報酬の9割は寄付。この姿勢はおそらくポーズなどではなく自ら強く抱いている価値観を体現したものであろう。そのような大統領の口から発せられるものであるからこそ説得力がある。

だが実際にはこれに傾聴し、グローバルの潮流を変えるには至らなかったのであろう。

国連は国連としての仕事をしている。問題は加盟国側の努力如何であり我々の意識の変化と行動である。

自らの仕事の意義についても考えさせられた。自分の仕事の多くの部分は確かに経済と事業の成長を是としている。しかしムヒカさんの言うとおり、たとえばもしインドがドイツ並みに乗用車を保有したらどうなるか、確かにこれは地球環境に多大なる悪影響を及ぼすであろう。同じことが食に関しても言える。

未だに各国を分類するのに「開発途上」と呼ぶことがあるが、果たしてここでいう「開発」とは何なのか。何をゴールとするのか。そして「途上」とはどういうことか。どこまで「途上」なのか。

これほどに重要な問題を先進国とされる日本の国民として、既に人口減少社会になっており価値観の転換を迫られている者として、真摯に捉えなければならないと散歩しながらあらためて思った猛暑の土曜日であった。

脆弱国家指数

日本のTVで報道される海外情勢は、ここのところもっぱら北朝鮮がらみか、直近のハワイ島グアテマラのように自然災害(地震、台風、噴火等)がもっぱらで、あとはせいぜいシリアやパレスチナが時々報じられる程度であり、まったくグローバルで深刻な報道すべきことを報道しないのには既に嘆かわしいとすら思わなくなっている。

しかし、やはり日本人が正しい世界観を抱くため(もし意図的にマスコミが報道しないのであればマスコミに洗脳されないためにも)、たとえばイエメンがいまどういう状況にあるかをしっかり伝えるべきである。

Fragile States Index(脆弱国家指数)というのが毎年発表されている。

Fragile States Index | The Fund for Peace

これは米国のNPOであるFund for Peaceがここ14年間にわたり世界178か国の国家としての安定性、持続可能性を独自の手法で評価し結果を公表しているものである。

最新の2018年版は2017年1年間の状況に基づいているが、前年からの変化とその要因についても解説している。

たとえば米国は悪化している。

最上位(最も持続可能性が高い)には北欧諸国が並び、最下位(他の指標では脆弱国家もしくは失敗国家と呼ばれることもある)には南スーダン、シリア、イエメン、中央アフリカなどが挙げられている。

単にランキングとして見るのではなく変化とその要因を考え、我々として何ができるかを考えなければならない。

 

【読書メモ】世界一周 わたしの居場所はどこにある!?

読みだしたら止まらない本にひさびさに出合った。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00DTO1788/ref=oh_aui_d_detailpage_o01_?ie=UTF8&psc=1

Kindle版571円) 

 

テンポがいい。リズムがいい。

先日読書メモに記した天才シナリオライターライトノベルでもこう評した。

しかしこの本の著者は本業が文筆業ではない。

仕事で知り合った自他共に認める天才マーケターであり会社経営者である。

 

この本を読むと、その文体からまるで「もはや日記とかそういう次元ではない」の熊谷真士を思わせるが、そうではなく熊谷真士がこの著者の西井さんのスタイルに似ているというべきであろう。何しろこの西井さんの本が出たのは2013年7月、もう5年も前の話だ。

manato-kumagai.hatenablog.jp

 

しかもこの本は旅行記として、著者自身が命がけで(大げさではない)体験した、普通ならとても行けない世界各地の情景と人々の営みが描かれている。