コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

経営コンサルという仕事(3)コンサル嫌い?

経営コンサルが嫌いという経営者の方々がいらっしゃいます。面と向かって言われることもしばしばです。なぜ嫌いなのでしょうか。

理由は主に3つあります(なんでも3つ、とか最初に言うのは理由を説明する際の鉄則です。いろいろ、とかいくつか、では聴衆が不安になるし考えが整理されていない印象を与えてしまいます)。

1点目。過去に起用して価値を感じなかった(或いは無駄金を払った)。

2点目。使ったことはないが、詮索されたり小言を言われるのが嫌だ。

3点目。自分の事業は自分が一番判っている。助けてもらう。必要を感じない。大きなお世話。

どれも一見ごもっともです。が果たして常に正しいといえるでしょうか。

従前から多くの先輩が言われていることですが、正しい経営コンサルの使い方というものがあります。これは経営コンサルに限らず弁護士でも医者でも専門サービスに共通することでしょう。

ただこういう考え方は我々経営コンサルは少し改める必要があるとも思います。というのは、医者嫌いの不養生が病状の悪化を招くのに似て、経営者にとって事業の存続また成長のためどういう状況でどう使うべきかを知ってもらう責任は、事業経営のプロである経営コンサル側にあると思うからです。

状況が悪化するほど経営者が採択できる選択肢が限られてくることは前に申し上げましたが、何が悪化の兆候なのか、それをどう早く見極めるか、短期のみならず中長期の視点で客観的に正しく評価しなければなりません。そして答は必ずしも現場を熟知している経営者の視野には無いかもしれないし、様々な選択肢の全てを知っているとも限りません。

市場と競合の変化を鋭く察知し適切な策を立案し実行できる盤石な経営基盤があれば経営コンサルは不要ですが、果たしてそれが限られた経営資源(ヒトモノカネ)の最適な使い方でしょうか。

経営コンサルの側にも一層高い能力が求められます。地政学的な変化や技術革新が、一見ローカルでローテクな事業にもある時激烈な脅威をもたらすこともあります。もちろん全ての脅威に対して万全の策を打つことは不可能ですが、かといって責任ある経営ならば何でも想定外と言い放つ訳にもいかず、優先順位をつけ、捨てるものは捨てなければなりません。その為にはロジックが必要です。

個人的には経営コンサルは経営者に勇気を与え組織に活力を与えることが使命と考えやってきました。新しい事業を始める、海外に打って出る、買収する、或いは事業を売却し撤退する、いずれも勇気が要ることです。ドタ勘とガッツだけではできません。