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コンサルタントはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

薬を自分で作る

医療

薬を自分で作る、というとあまり良いイメージを抱かれないかもしれません。大抵想起されるのは麻薬、あるいは危険ドラッグでしょう。あるいは、伝統的なハーブ(ドイツなどでは薬として重宝されています)や、日本の「医食同源」(これは日本語)が近いかもしれません。しかし、人間には優れた免疫システムを含む自然治癒力があり、これを引き出すことこそ謂わば「薬を自分で作る」ことといえるでしょう。

毎回個々の製品ベースのイノベーションを紹介していますが、今後のイノベーションの温床(本来は良い意味の言葉です。英語では文字通りhotbed)となるトレンドについて今回は述べたいと思います。必要は発明の母と言いますが、未だ実現しないイノベーションはヘルスケアにおいては本質的なメディカル・アンメット・ニーズの充足あってこそ開花します。

現代の医療における、メタ疾病ベースの大きなアンメットニーズはがんと精神疾患です。以前にも述べましたが、抗がん剤は効きません。精神疾患はそもそも診断からしてきわめて難しいものです(後述)。

コンシューマライゼーション、consumer empowermentの進展、すなわち我々個人がさまざまな治療について以前より遥かに情報を得やすくなっている今、医療従事者や研究者との間の情報の非対称性は薄まり、従来の西洋医学の限界が露呈してきているため、従来の西洋医学の範疇に入らない医療、代替医療alternative medicine)が広まりつつあるようです。

日本では古くから鍼灸や整体が行われていますが、最近注目されているのが断食で、断食療法は国によっては専門の病院もあるようで(そうなると既に代替療法と言ってよいかどうか微妙ですが)、肥満やそれに起因する糖尿病などの疾患のみならず、精神疾患にも有効であるとされています。TVなどで紹介しているのは短期の、しかも完全な絶食ではなく食事量の制限なので手軽にできますが、2週間あるいは1か月といった期間にわたって絶食に近い断食をする場合は継続的なモニタリングが必要なため病院で行なう必要があるからです。

生体モニタリングがセンシング・解析・ICTの進展により、従来より遥かに簡単に安価で行なうことが可能になった今、フィットネスや患者の連続モニタリング以外の新たなアプリケーションが断食となると、必然的に新たな機能も生まれ、使われることによってデータが蓄積され、蓄積されたデータがエビデンスとなり、代替療法でなくなる日が近づくでしょう。既に代替療法エビデンス構築の実際の動きもあります(http://www.hindawi.com/journals/ecam/)。