という願望は子供の頃から抱いているがちょっと試し弾きしたことがあるだけ。
なぜ弾きたいか。それはチャイコフスキーのバイオリン協奏曲が最も好きな音楽だからである。
中学生の頃クラスメートが弾くのをピアノで伴奏した記憶がある。
やはり自分がソリストで弾きたい。
難しいんだろうな。
しかしやってみたい。
名ピアノ教師として広く知られるジョセフ・レヴィーンによる著書の日本語訳です。
10年ぐらい前から時折繰り返し読んでいますがその度に学びがあります。
世の中にピアノ演奏法に関する書は数多く出ており、自分もおそらく20冊ぐらい買って読んでいますが、この本が金子一朗氏の著書「挑戦するピアニスト」と並び最も学びの多いものです。
日本語でないものも含めると、おそらくいい教科書は多々あるのだと思います。
たとえば、ウェブ上で無料で読めるPDFのものなどがありますが、英語でしかも数百ページにおよぶので、なかなか読みこなすのは骨が折れるでしょう。
この「ピアノ奏法の基礎」は、数多あるピアノ奏法に関する考え方を、簡潔に、真に重要なことだけをシンプルに述べています。
それだけに、さらっと読めてしまうのですが、ひとつひとつの記述がとても重いものです。こういった記述は、初心者が読んでもまずその真意を理解することは難しく、ある程度弾けるようになり、壁にぶちあたって初めてそのいくつかがやっと理解できるという類のものだと思います。
友人がつい先ごろ樺太(サハリン)に旅行してきたので、先日自分が行ってきた沖縄の八重山諸島とどれだけ距離があるのか調べてみようと思いましたが、サハリンはロシアなので、日本列島の端から端までどれぐらい距離があるのかにしました。
北東の端から南西の端までというと、北東は知床岬から、南西は与那国島の西端にある日本最西端の碑の間の距離が最も長そうです。
稚内だとかえって大圏距離は短くなるのですね。また南端というと小笠原諸島なのですが、これでもやはり短くなります。
上の図に示したのがGoogleマップで大圏距離が簡単に出せるので両地点間の距離を測った結果ですが、3,003kmでした。長いですね。
リンクはここです:
しかしそれでもたとえばアメリカ合衆国で調べてみると、ロサンジェルスからニューヨークまでが3,928kmと、日本の端から端までよりさらに1,000km近く長いのですね。やはりアメリカは広大です。
いつもこのGoogleマップでいろいろな都市間の距離を測って遊んでいます。
ちなみに東京から地球上でもっとも遠い地点は理論的には20,000km先、地球の裏側の南大西洋上なのですが、ここには陸地はありません。
大体この辺です。Googleマップによると20,037kmとあります。ウルグアイからおよそ1,200kmの沖合にあります。東京から小笠原までの距離が約1,000kmですからほんとに遠いですね。
赤道長が40,075kmですから、地球がやや楕円球(東西方向に長い)ことを考えても、20,037kmというのが最も遠い地点であると考えてほぼ間違いないと思われます。
ここに離島があったらよかったんですけどね。
ちなみにギネスブックが認めた「世界で最も孤立した有人島」であるトリスタン・ダ・クーニャは最も近い大陸まで2,400kmある絶海の孤島で、同じく絶海の孤島であるイースター島等は異なり定期便も無く簡単に旅行できない島が南大西洋にあります。
東京からの大圏距離は測ってみたところ17,540kmでした。まったくの裏側というにはほど遠いですがしかし何かこうこの地球の裏側の絶海の孤島というと掻き立てられるものがありますね!
感動する、楽曲のポテンシャルを最大限に発揮した素晴らしい演奏とは何より「きちんと弾く」ということができていることを痛感しています。
昨日、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ2番1楽章の展開部の難しさについて取り上げました。
この箇所ですね。レファラレ・ミ・ファ・ソ・ラという第2主題が3声のカノンでストレッタで繰り返されます。
ここが難しいのはテンポがアレグロ(といっても速すぎず)で音域の広い主題が1拍ずれてソプラノ、アルト、バスに次々現れ、d moll、g moll, C dur, F durと転調していきますが、すべて同じアーティキュレーションで、原則音量も同じで、決して拍が少しでも遅れることなく、しかも転調するので色彩を変化させなければなりません。これらすべてを同時に完璧に弾かねばなりません。ほとんどのピアニストはこれができていないとおもいます(もしできている方がいたら教えてください)。
次にバッハの平均律2巻19番プレリュードのこの箇所をみてみましょう。
この小節は主調A durに戻っていますが、当然ながら前の小節のV度からの解決で始まり、このプレリュードの主たるモチーフがこの小節で2回繰り返しになっているのは当然全く同じに弾かねばなりません。問題は右手に上行する対旋律があり、基本どちらもレガートで切れ目なく滑らかにかつ音のバランスを保って弾かねばなりません。それも全て厳密に完璧に弾かねば「でたらめ」に聴こえてしまいます。手や指の都合で変なアクセントがついたり音が切れてはなりませんし、つなぐためにペダルを使うにしても決して音が濁ることなく絶妙なタイミングと深さで踏まねばならないのです。
そして右手にばかり気をとられて左手のバス音が気の抜けた音になったり休符がいい加減になってもNGです。
次はスクリャービンのピアノソナタ第7番白ミサの再現部後半の重音五連符パッセージが続くこの箇所です。
このパッセージは主役ではありませんのであくまでも主旋律である第2主題がいつもと同じアーティキュレーションで弾かれた上で右手から左手への受け渡しは滑らかに切れ目なく行なわねばなりませんし、五連符を正確な音価で常に弾かねばならないことも当然なのです。そこに32音符のモチーフも絡んできますがこれも適当に入れてはなりません。楽譜に忠実に正確に音のバランスを設計し演奏することが求められています。極めて難しいです。
最後の例はメシアンの喜びの聖霊のまなざしの狩の歌第3変奏です。ここは左手がfffでリズミカルに弾くのが主ですがエコーのような左右の重音が両側の音域に奏され、両手重音のパッセージは弱音で始め急速なクレッシェンドで、跳躍で遅れることなく弾かねばなりませんしペダルで濁り過ぎてもなりません。対位法的扱いも丁寧に表現しなければなりませんし、I度とV度とのカデンツも当然ながらespressovoとは書いてなくてもそう表現するのが音楽の基本です。
バッハで求められる基本はこのように古典でも或いは近現代でも同じように守らねばいい音楽にはなり得ません。
ロマン派の例を出しませんでしたが、これはショパンでもとても重要です。
きちんと弾くこと、それも「つもり」ではダメです。能動的に音を聴いて、明らかにできていると誰もが思えるほどに厳格に守られているか。練習においてどこまで聴き分け表現できるか。そしてレッスンでチェックして修正する。地味なことですがこの繰り返しで音楽を創っていくことは決して苦行などではなく、そのプロセスこそが喜びであり芸術行為だと思うのです。
。。。という根拠は1楽章展開部後半のこの箇所をよくよく見ていただければお判りいただけるだろう。
近現代のベートーヴェン弾きと言われる名ピアニストの演奏を13人分聴いたが、ここを作曲家の指示どおり弾けていると言えるのは僅か数人である。
第2主題による3声のストレッタのカノン。
原則として同じ音型は同じアーティキュレーションで弾かねばならない。
音のバランスも必要。
かつ拍感は厳格に。
調性の変化も表現せねばならない。
十度の前打音はしかし軽くなり過ぎてはならない。
仮に十度が楽に届いてもそれだけでは全く問題の解決にはならない。
アンドラーシュ・シフのこの曲に関するYoutubeを見ると難しさがお判りいただけるだろう。彼曰く、この箇所故にあのルドルフ・ゼルキンですらこの曲を人前で弾きたくなかったと言う。
しかしそこまで難しいとなると却って挑みたくなる損な性分。
がんばるぞ!
先日ご報告のとおり、ねこあつめの新キャラ(レアねこさん)である「みかづきさん」からいただいたたからものは従前のねこさんたちのたからものとは違い「使える」というのがきわめて画期的なのであります。
これがたからものをいただいたばかりの画面です。「つかう」というボタンがご覧いただけるでしょうか。
そしてこれが「つかう」を押したばかりのたからものです。使った結果は先日ご報告申し上げたとおりなのであります。すばらしい機能を発揮します。
そして、ガラスの小瓶が空になっていることもおわかりいただけることでしょう。
まる1日が経過しました。コメント欄の末尾が「(1/10)」となっているのをご覧いただけますでしょうか。これはおそらく10日で満タンになるということを示唆しているとおもわれます。
しかし・・・ 中身が増えたようには・・・ みえません・・・
そしてこれがまる2日経過した状況の画像です。コメントの末尾が(2/10)になっていますね。しかし中身は・・・ 増えたようにはみえないであります・・・
そしてこれがまる3日経過した状況です。コメントは同じくアップデートされていますが・・・ 中身は・・・ 増えているようには・・・ みえませんよね・・・
次の日の朝、使ってから3日半が経過したところでみると・・・ 増えてる!!!
丸4日経過。量は変わっていない。「つかう」ボタンもまだ現れない。
丸5日が経過。状況は変わらず。。。
6日半が経過。。。あっ 増えてる!!
7日半が経過。
8日半が経過。増えてない。。。
9日半が経過。増えてないです。どうやら10段階で増えるのではなく4段階のようですね。きっと次に増えるときは(明日)満タンになっている(初期状態)と予測されます!
そしてついに丸10日が経過!
満タン!!
「つかう」ボタン!!!
使ってしまった(*≧∀≦*)
たのしー!
ピアノは好きな曲が弾けなくても取り組むプロセスを楽しむものだし楽しまなければ上達も無い。
日本人特有の「がんばる」的な苦行は上達には逆効果だ。長時間がむしゃらにただ弾いても、それなりに「弾ける」ようになるかもしれないが、人に聴かせる音楽にはならない。
しかしただ弾いてて楽しいだけでは、自分勝手な独りよがりの演奏になってしまいがちである。これはプロであり音大で教鞭を執る立場である私の師匠ですらそう仰る。彼は定期的にレッスンを受けている。
アマチュアにはしたがってレッスンを受けることは当然として、コンクールに出たり、コンサートに出演したりという目標が上達のマイルストーンとして有効であり必要である。
私は目標設定をまずレッスンを受けられるレベル(lesson ready)を最低到達水準に置き、次にコンクールに参加できるレベル(competition ready)、その上にリサイタルで弾けるレベル(recital ready)、そして最高水準にDVDに録画録音できるレベル(DVD ready)を置いている。まだ手を付けはじめただけの曲はNR(not ready)、レベル0とする。
それぞれ略してLR、CR、RR、DRとする。そしてこの4段階のレベルの自分なりの定義は以下のとおり:
レベル1 LR(lesson ready, レッスンを受けられるレベル): 先生にもよるが、原則として自分なりに曲をアナリーゼ(分析)し終わっており、運指も決まり、ある程度弾き込んで暗譜で弾けるが、インテンポでは弾けず、まだ一部メカニカルに弾けない部分も残っている状態。解釈にも判断に迷うところがある。
現時点でこの状態の曲: バッハ平均律2巻19番(すでに何回かレッスンは受けている)、ベートーヴェンピアノソナタ第2番1楽章、ショパンワルツ作品64の2、ショパンマズルカ作品24の2、ショパン幻想ポロネーズ
レベル2 CR(competition ready, コンクールに参加できるレベル):既にインテンポで暗譜で弾けるようになっており、レッスンを受け解釈も定まっている状態。
現時点でこの状態の曲: メシアン喜びの聖霊のまなざし、バッハ平均律2巻14番&16番&23番、ハイドンピアノソナタ60番、
レベル3 RR(recital ready, リサイタルで弾けるレベル):レッスンを受けまた公開演奏を何度も重ねておりかなり自信をもって弾ける曲。ただし自分の演奏の録音を聴くと「うーん」となってしまう状態。
現時点でこの状態の曲: スクリャービンソナタ第7番白ミサ、シマノフスキセイレーンの島、ショパンエチュード作品25の5、
レベル4 DR(DVD ready, DVDに録画録音できるレベル): 公開演奏で評価も高く、自分で聴いてもある程度納得のいく演奏がconsistentにできている状態。これならDVDに録音録画して繰り返し聴くのに耐えるという状態:
現時点でこの状態の曲:ありません・・・
いまの目標はレベル4の曲を1曲でもつくることです。これこそ真のレパートリー!
きのうは有給休暇を取得して、音コンピアノ部門3次予選を聴きにトッパンホールに来ました。
1次予選、2次予選共にほんの一部しか聴いていないのと、同じ門下の人や、1次予選、2次予選で期待した人がいることもあり、全部聴くつもりで来ました(3人聴いてよほど期待はずれだったら帰ろうかとも思いましたが)。
1次予選参加者は219名、ここから2次予選に進んだのが47名、そこから9名がきょうの3次予選に臨みました。本選に進むのは4名です。
3次予選出場9名の演奏順と演奏曲目は以下のとおり(冒頭の数字は1次予選の演奏順=参加者番号です):
173 安並 貴史(やすなみたかし、男性、東京音楽大学大学院修了) ハイドン:ピアノ・ソナタ第32番ト短調Hob. XVI:44/リスト:ソナタロ短調
174 尾城 杏奈(おじろあんな、女性、東京藝術大学1年) ハイドン:ピアノ・ソナタ第55番変ロ長調Hob. XVI:41/ショパン:前奏曲集 作品28
187 吉見 友貴(よしみゆうき、男性、桐朋学園高2年) バッハ:平均律1巻22番BWV867変ロ短調/リスト:ソナタロ短調
215 原嶋 唯(はらしまゆい、女性、桐朋学園大学大学院音楽研究科1年) モーツァルト:グルックの歌劇「メッカ巡礼」の主題による変奏曲/シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番D958ハ短調
11 鐡 百合奈(てつゆりな、女性、東京藝術大学大学院修士2年) モーツァルト:グルックの歌劇「メッカ巡礼」の主題による変奏曲/シューマン:ピアノ・ソナタ第3番(グランド・ソナタ)作品14 ヘ短調
119 梅﨑 秀(うめざきしゅう、男性、桐朋学園大学2年) ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調「熱情」/リスト:巡礼の年第3年『イタリア』より「ダンテを読みて」
122 小井土 文哉(こいどふみや、男性、桐朋学園大学4年) ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番作品110/ブラームス:4つの小品作品119
147 本間 里衣奈(ほんまりいな、女性、桐朋学園大学4年) バッハ:トッカータBWV/フランク:グランド・カプリス1番作品5/フランク:コラール、プレリュードとフーガ ロ短調
171 金 ジャンミッシェル(男性、パリ国立高等音楽院) ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番作品111/リスト:巡礼の年第3年『イタリア』より「ダンテを読みて」
結局、少し仕事で抜けたため聴けなかった梅崎さんと小井土さんの1曲目を除き、今回はほとんど聴くことができました。
審査はあくまでも審査員の仕事なので本選進出者予想等はしませんが、あくまでも審査基準を想定しつつ聴いた上で「これは通るな」と思ったのは3名。原嶋さん、鐡さん、小井土さんです。
原嶋さんのシューベルトはこの曲に現れる空恐ろしい、長調に転調した途端奈落の底に落とされるような恐怖感、和声の変化に応じた見事な色彩の変化など細部まで緻密に練られたのみならず、演奏者ご本人の個性も活きていると思いました。モーツァルトとの曲想の対照も良かったです。
鐡さんのシューマンは先日の特級ファイナルでも弾かれた曲ですが、このロマン派ソナタの中でもおそらく3本の指に入るであろう難曲(個人の感想です)を見事にきっちり設計し計算していながらも情感豊かに演奏されていました。どうしても流されて拍感が失われたり、構成がわかりにくくなってしまう曲ですが、そうならない設計とコントロールはさすがです。モーツァルトも素晴らしかったです。
小井土さんのブラームスは、ベートーヴェンで弦が切れるアクシデントで中断の後とは思えない(いい気分転換になったのかも)落ち着いた堂々とした演奏で、4曲の(とても小品ではないですが)性格の鮮やかなコントラストが明らかで、1曲目冒頭の芯の通ったピアニッシモから終曲のラプソディーの重厚さ・力強さまで、表現の幅の広さを十分にアピールした演奏でした。ベト31も聴きたかったなー。
そして結果は演奏終了後数時間で毎日新聞から発表されました:
吉見さん、原嶋さん、鐡さん、小井土さん本選進出おめでとうございます!!!
10/21(土)のオペラシティでのコンチェルト選曲が楽しみです。
なお、きょうの第3予選の演奏は10/3にNHK-FMで放送されるそうです。