。。。という根拠は1楽章展開部後半のこの箇所をよくよく見ていただければお判りいただけるだろう。
近現代のベートーヴェン弾きと言われる名ピアニストの演奏を13人分聴いたが、ここを作曲家の指示どおり弾けていると言えるのは僅か数人である。
第2主題による3声のストレッタのカノン。
原則として同じ音型は同じアーティキュレーションで弾かねばならない。
音のバランスも必要。
かつ拍感は厳格に。
調性の変化も表現せねばならない。
十度の前打音はしかし軽くなり過ぎてはならない。
仮に十度が楽に届いてもそれだけでは全く問題の解決にはならない。
アンドラーシュ・シフのこの曲に関するYoutubeを見ると難しさがお判りいただけるだろう。彼曰く、この箇所故にあのルドルフ・ゼルキンですらこの曲を人前で弾きたくなかったと言う。
しかしそこまで難しいとなると却って挑みたくなる損な性分。
がんばるぞ!