先日、ずっと見たかったドキュメンタリーを映画館でやっと見ることができました。
2015年公開のアメリカ映画、高名なピアニストであり偉大なピアノ教師、そして作曲家でもある、セイモア(シーモア)・バーンスタインが自ら出演し、ピアノについて、音楽について、そして人生について語ります。
Seymour: An Introduction | Official Movie Site | In Select Theaters March 27
邦題は「シーモアさんと、大人のための人生入門」です。
この映画が公開される前から彼のことは知っていました。
ひとつは、彼の著書を読んでいたからです。
もうひとつは、親しい友人が彼の弟子だからです。
友人のピアニストたち(プロもアマも)が、口々に「素晴らしい映画だ!!」「ピアノを弾くなら必見だ!!!」と絶賛しているのでずっと気になっていましたが、忙しくてなかなか身に行けませんでした。
結論から言うといい映画でした。
シーモアさんの一言一言が心に深く刺さり身に沁み渡る。とても深く重い。
決して新しいことを言っている訳ではないが説得力が強い。
"The real essence of who we are resides in our talent."
我々が何者であるかの本質は我々の才能の内にある。
"The struggle is what makes the art form."
苦しみもがくことこそが芸術を形作る。
"Most people don't tap that resource of the God within."
自分の内なる神の恩恵に与ろうとする人はまずいない。
字面だけなら大したことでは無いかもしれない。
が、これらはシーモアさん自らが苦悩と挑戦と格闘と熟考の末に自然と生まれた言葉であり、当の本人の口で淡々と語られる故に魂を持っている。
自分にはまだまだ苦悩も挑戦も格闘も熟考も足りないと痛感した。
このような映画に出会えたことに感謝する。