いよいよあと4時間弱でセミファイナルラウンドが始まります。
ラウンドが進むにつれ聴衆も審査員もコンテスタントへの、演奏への期待は高まります。
もうこの段階に来ると、どんな難曲を弾くかとか、ミスの有無とかは判断基準になりません。
二次予選でカナダのトニー・ヤンが弾き終えた後に司会のアンダーソン君が言った一言、「ゾーンに入っていた」、これです。
自分勝手にゾーンに入るのではなく、聴衆も審査員も巻き込んでゾーンに入る。
もはや音楽の理解とかテクニックの次元の話ではありません。
セミファイナルでは誰がゾーンに入ることができるか、どんな広大で深遠な世界を創り出すか、この一点で見守りたいと思います。
4年に一度の大舞台で、世界中から選ばれし精鋭たちが生命をかけて自分を表現するかけがえのない一瞬を共有できるだけでも素晴らしいことです。