The Economist誌7/5号にWorld ifという特集がある。
「もし〜が〜だったら」というトピックで10ほどの記事があり、その中に「もし地球に月がなかったら高度な知的生命体は存在しない」という仮説が述べられている。
地球と月の関係は太陽系の中でも衛星が際立って大きいことで他の惑星と一線を画す。
水星と金星に衛星は発見されていない。
火星の衛星は2つ知られておりフォボスとダイモスだがいずれも火星の重量の1,000万分の1に満たない。
これに対し月は地球の重量の100分の1程度ある。
準惑星となってしまった冥王星には自分の1/19ほどの重量の衛星カロンが1976年に発見されているが、現在では衛星ではなく連星系とみなされている。
The Ecomistの記事が提示する仮説とは、月のお陰で地軸の公転面に対する角度がほぼ22-24度に保たれており、そのため気候が安定するのだという。これに対し火星は軸が大きくかつ頻繁に振動するため生命の棲息には厳し過ぎるのだという。
これはあくまで仮説だが筋は通っている。
しかもこのように大きな月がどうしてできたのか実は解明されてはいない。
もし地球と月の関係が高度知的生命体の生存に必要であり、しかもこれが極めて稀なものだとすると、この宇宙に高度な知的生命体が他に存在する可能性は低くなる。
我々はとても孤独なそして貴重な存在かもしれない。