これまでショパン前奏曲集作品28は、ライブ、音源(CD、Youtube)で50人超のプロ、アマ(アマといっても国際コンクールがほとんど)の演奏を聴いてきたが、かなり高い水準の演奏であっても、どうしても気になってしまい好きになれない演奏があるので、どういう演奏が好きになれないかを、自戒を込めて述べてみたい。
どう弾くべきか、誰の演奏が素晴らしいか、については既に多く書かれているが、悪い演奏について書かれているものは寡聞にして知らない。
1番 ハ長調:
- 左手と右手が一体になっていない演奏。バスからの一つのうねりになっていてほしい。
- 盛り上げすぎる演奏。あくまでも24曲で構成される大曲のイントロとして位置付けてほしい。
2番 イ短調:
- 左手の内声と外声のバランスが悪い(バランスが崩れる場合も含め)演奏
3番 ト長調:
- テンポが速すぎる演奏
- 左手の表情が豊かすぎる演奏
- ペダリングが厚い演奏
- 右手の複々付点が甘い演奏
4番 ホ短調:
- ソプラノを歌うあまり左手がつられてしまっている演奏(ショパンは右手はルバートしても左手は常に正確にタクトを刻むよう指示しているはず)
- 和声進行に伴う色彩の変化に乏しい演奏
次回は5~8番について書く。