新規事業は失敗しない、と言うと「何をバカなことを」と思われるであろう。
新規事業は難しい、と思われる方がほとんどであろう。
今までお会いした経営者の方々の中には、新規事業を諦め、既存事業の軌道修正だけで充分だとおっしゃる方もおられた。それはそれで一つのスタンスであり、あえて否定はしない。
市場を見ていればしかし、至るところに新規事業のネタはある。
今の商品・サービスに常に妥協を強いられているのが顧客というものであるという視点だ。
ニーズとかウォンツではない。
妥協である。
顧客自身も気づいていない場合が多い。
今の商品・サービスの代替案を示して初めて明らかになる、顕在化する妥協がある。
この視点で常に顧客を理解することだ。
かつて支援したクライアントが10年以上売れ続けているロングセラー商品が生まれるに至ったアプローチもまさにそれだ。
別の視点として、失敗の定義がある。
「失敗というものはない。学びならある。」という言葉がある。
検証したい仮説がまずある。新しい商品もサービスも事業も仮説に過ぎない。仮説は検証し進化させるべきものである。失敗とみなした時点で仮説検証プロセスが終わってしまう。