経営コンサルという仕事柄、年に数百冊のビジネス書、経済書に目を通すのですが、おかげで自然と速読になってます。
以前このブログで私見を披露させていただいたのですが、ビジネス書の99.5%は読む価値がありません(1,000冊を超える本をチェックしたことからの経験則)。
一方で、じゃあその0.5%はどれか、と聞かれた際、実は本当に役に立ったと思った本は実は人に教えなくなかったりするので、ずいぶん時間が経ってから(鮮度が落ちてから)教えたりします。
この本はしかし間違いなく0.5%に入ります。
amzn.to
未来予測的な本(2050年のなんとか、とか)はいつの時代も売れますが、これまで何十冊も読んできて正直「おおっ」と思ったものはありませんでした。が、これは本物です。
特に「新しい」ポイントは:
変化が加速し予測がますます困難になっている状況において(技術のみならずジオポリティカルにも)、この本で紹介されている、社会が進化するパターンを見抜くこと、は本質だと思いましたし、自分のなかでモヤモヤしていたことがすっきり整理され、知的刺激が大いにありました。
FacebookやGoogleが本当のところ何を目指しているのか、も明快に説明されています。
また、コンサルタントの武器である仮説検証の限界についてもなるほどと思いました。我々も進化しなければ。
ビジネスを進めるプロセスとして、PDCAとかOODAがよくとりあげられますが、コンサルタントとして常々言っているのは、ビジネスは仮説検証だということです。
自分なりに定義すれば「HVE」です。仮説を構築し(hypothesize)、検証し(verify)、進化させる(evolve)です。
PDCAのP(plan)も実際には仮説構築にすぎませんし、D(Do)とC(Check)は構築した仮説を検証する行為、A(Action)はどういうアクションかというと仮説を進化させるアクションです。