ショパン前奏曲集作品28解凍、3日目は第3番である(年内に24番までひととおり解凍するペース)。
コルトーが小川のささやき(The singing of the stream)と評した軽快な曲である。
実際、ショパンはこの曲の冒頭に leggiermente(軽く優美に)と指示している。ショパンがこう明記しているのだから、本当に軽く優美に演奏しなければならない。
この曲の最初から最後まですべて16分音符の左手のパッセージを軽快に優美に弾くには手が鍵盤上を滑るように、常に指は鍵盤に限りなく近く、手首のしなやかな回転も駆使し、スムーズで確実な離鍵を心がけて弾くことがポイントである。そしてペダリングはあくまで控えめに。スラーはもちろんのこと正確に認識して弾くこと(1番同様)。
あまりに高速で弾いてはならない。
このような曲は、実はあまり速いテンポではなくとも、粒を揃えて正確なリズムで弾くことによって実は速く弾いているように聴こえるのである(と師匠から昔教わった)。
また、右手の複々付点は決して甘くならないこと。