コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

地方都市を救いたい

いま仕事で検討している課題の一つに企業の社会貢献があります。

社会貢献とは、これまでのいわゆるCSR的なふわっとしたものではなく、社会が直面する深刻な課題の解決に積極的に関わることと考えています。

もともとCSRとはそういう意味合いだったのでしょうが、何か営利活動とは違う、企業イメージアップのための片手間な活動に成り下がっている気がします。

では、日本の社会が直面する深刻な課題とは何でしょうか。

地方都市の人口減少です。

医療介護の問題じゃないか、年金じゃないか、という声も上がりそうですが、前者は人口減少と合わせて考える問題だし、後者は一般企業が解決できる問題ではない(少なくとも積極的には)と考えているのでここでは除外します。

NHKはときどき人口減少をニュースや特集で取り上げますが、今はそこで取り上げられる問題が一部の例ではあっても、確実に広まっていきます。

なぜ人が減ると問題なのか。人が減るとそこで提供するサービスの単価が上がります。行政も教育も交通も医療も介護も買物も給油も郵便も、人が少なくまた疎らになれば利用者も減りますし、距離が増せばそれだけ不便になりますよね。

国土交通省は2014年に国土のグランドデザイン2050の中で、様々なサービスが成立する人口規模を示していますが、人口が十万を切ると多くのサービスが提供できなくなります。

住みにくくなりますね。

民間のサービスが消えれば雇用も減り、人口も減る。街の魅力も低下し転入する人も減る。転出できる人はするし、勤め先もないから大学進学で都市に出た若者も戻らない。農家や漁業や林業も後継がいないから廃業する。

たとえ観光資源があっても、来訪者は増えてもサービスは観光客向けばかりで住民向けがおろそかになり住みにくい。

地方創生などといって国やあちこちの自治体がいろいろやっているが、特産品をアピールしたりしても大した増益にはならず、未だに町おこしで人口減少を増加に転じた成功例は存在しない。

できることからやるのはいいのだけれど、大した予算もなくまた中途半端なやり方では大きな効果を望むべくもない。

ではどうするか。自治体のコミュニティマネジメントとマーケティングを民間大企業に任せるのです。

自治体としての売上を増さずに効率化ばかり図っても、縮小均衡で衰退は加速します。人口減少率は人口が少ない市町村ほど高いという事実があります。

売上はふるさと納税都道府県アンテナショップ程度では焼石に水です。

産業を誘致するといっても、工場立地できる土地がありますよーだけでは来ません。

民間大企業がまずはそこに拠点を構え、地の利を活かし最先端の技術と自社のノウハウを活かした研究開発と生産を行ない、また食品であれば地域の契約農家の生産性向上や承継問題解決も支援します。デジタル、フィンテック、全て駆使します。自社の社員と家族も移住させます。

安価な土地で複合施設を建設かつ運営します。医療、介護、スポーツ、ゲーム、映画、音楽、公共サービス、小売、すべて一体の高密度で多様な空間です。住居との近接も必要です。

地方都市への移住に踏み切るにはすべて揃っていなければならないのです。

たとえば自分が北海道の地方都市に移住するとしたら、食べ物が美味しいとか景色がきれいだけではまず検討すらしません。そこでどういうライフスタイルができるのか。いまの環境と較べて生活の質や収入面も併せて相対的に魅力的でない限りは、移住という一大決断はできません。

すべての地方都市でこんなことが可能な訳ではありません。

国の比較優位があるように地方都市の比較優位もあります。どういう資源があるか。交通などインフラはどうか。気候はどうか。などなど。

すごく引いて考えれば、もともと文明は肥沃な土地とか交通の要所とか温暖な気候とかそういった地に発し栄えたのです。

全体として日本の人口が