コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

火星は大接近しない

ここ数日メディアを火星大接近なる熟語が賑わせているが(いや正確にはメデイアが主語)、火星は決して(少なくとも我々に関係する時間軸では)大接近しない。いやできない。

火星は地球型惑星でその直径は約6,800kmと地球の約半分の巨大な岩である。

今年4月に直前まで接近に気づくことができなかった小惑星2018GE3は直径48-100mで、地球から20万kmの距離まで迫ったという。この小惑星は時速10万kmであったというからもし地球に衝突するとすればあと2時間ということになる。

これは「大接近」と称しても問題ないだろう。

しかし今回の「大接近」はどうか。7/31の地球と火星の距離は5,759万km。月との距離38万kmの150倍、地球の直径の4,000倍超である。光速でも3分かかる距離である。とても遠いではないか。

そもそも大接近という言葉の意味を考えてみよう。接近とは文字通り接するほど近いということである。そして大接近とはさらに近づく、つまりとても近いということだ。

地球と火星を人にたとえてみよう。大きさで地球は大人で火星は子供に相当する。

大人の身長の4,000倍は6-7kmに相当する。自分の子供を6-7km先から認識できるだろうか。

そもそも地球と火星は同じ公転面上を異なる周期で公転し、かつ火星の公転軌道は偏心率がやや高い楕円形であるため、太陽から同じ直線上にあっても距離は一定ではない。火星が近日点にあり火星と太陽を結ぶ線上に地球が来た瞬間、地球と火星との距離は最も短くなる。今回がこれだ。

ちなみに国立天文台は「大接近」ではなく「最接近」と表現している。接近ではないと思うのだが最接近の方がまだよい。

NHKのニュースでは火星をピンポン玉に見立てたとき130m先にあるとしていた。自分を皮肉ってますね。

まあ「宇宙スケール」で言えばということなのだろうが、やはりそれでも「大接近」には違和感ある。

互いの引力で引き合い衝突コースに入ってこそ大接近だと思う。何億年か後にはあり得るのだろう。パリ天文台は35億年後と予測している。その時には空は火星で覆われるのだろう。きっと圧巻であろう。