コルトー、アルトゥール・ルービンシュタインなど往年の名ピアニストの作品28全曲をあらためて通して聴く。
この曲集を聴くときは必ず全曲通して聴く。
曲想のコントラストや曲間もこの作品の重要不可欠な要素だからである。
彼らの演奏を聴いていると、果たして現在のピアニストの存在意義は何なのだろうと思うことしばしばである。
単にメカニックだけをとっても、現在のピアニストが彼らに優るとも言えない。
それに加え、彼らのアゴーギクや色彩の変化による「香り」というものをあまり現在のピアニストに感じない。とてもクリーンな演奏はあるのだけれども。
人間のピアニストとしての進化は止まってしまったのだろうかと時に思うことがある。