前回(その1)に引き続き、Jean Francaix編曲によるショパン前奏曲集作品28オーケストラ版の個人的な評価を書いてみる。今回は5番から8番まで。
第5番ニ長調:さすが管弦楽だけあって色彩豊かであり、複数の声部の絡み合いが見える。ラヴァルス(ラヴェル)もそうだが、オーケストラ版で聴いてみると、やはりピアノソロだと速弾きしてしまうのが良くないというのもうなずける。
第6番ロ短調:この旋律はイングリッシュホルンであろうか。ここはやはりチェロではないだろうか。また、オリジナル版の高音部の坦々と響く鐘が失われてしまっているのが惜しい。
第7番イ長調:弦楽だけで構成されている。これは良い。
第8番嬰ヘ短調:この編曲者は管楽器に主旋律を受け持たせるのが好きなのだろうか。この曲の場合やはり主旋律は弦、特にバイオリンではないだろうか。