コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

ショパン前奏曲集作品28⑳弟子から見たショパン

ショパンを演奏する上でとても有益な手がかりになる一冊がある。

これである。

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p115〜に、各曲の解釈ということで弟子たちの貴重な基準がある。

 

レリュード変イ長調作品28の17
ある日のこと、わたしがプレリュードの17番を弾いていると、デュボワ夫人が、ショパン自身もやはり最後のゼクエンツ(第65小節〜終り)にある低音のを強く打ち鳴らしながら、それ以外の部分はディミヌエンドで弾いていましたと、はっきりそう言ってくれた。ショパンはこの音には特別の意味をこめ、いつも同じように力を入れて弾いていたと言うのだ。そしてプレリュードの曲想も、もともと11時を打つお屋敷の古い鐘の音から来たものだと説明してくれたそうだ。デュボワ夫人はこの連続したラ♭を少しずつ弱めたりしてはいけませんとわたしに教えてくれた。ーところがわたしはディミヌエンドを弾き続ける右手の動きに合わせようとわざと弱めて弾いていたのである。が、ディミヌエンドで鳴ることなどないのだから、低音はいつも同じ強さでー弱めたりしないでー弾かなければならない, とショパンは口ぐせのように言っていたそうだ。だからこの低音は鐘のように響くことになる。
デュボワ/パデレフスキ(154)

 

プレリュードハ短調作品28の20
わたしが弾いたのは, 日頃から「お祈り」と呼んでいたプレリュードハ短調でした。 (原典版では) 2巻目の第20番にある曲です(中略)。(ショパンの指にかかると)この曲は地上的なものを超えて, この世ならぬ調べを奏で、はるか永遠の彼方への憧れを表現するのでした。
スターリング/ヴロブレフスカ=シュトラウス、LSJ (110)