メンデルスゾーンのピアノ曲の中でおそらくコンクールで最も良く弾かれる曲のひとつが、ロマン派の変奏曲の中でも傑作の一つに数えられる「厳粛なる変奏曲(Variations Serieuses)作品54」であろうかと思います。
ここ5年というもの、バッハの平均律かラベルかスクリャービンという、ピリオド的にかなり偏った選曲をしてきたのですが、これには自分の苦手意識が大きく関係しており、ショパンやシューマンを含めてロマン派はどうも大人になってから、本気で取り組む気になれず、遠ざかってしまっていたのです。
個人的には、ロマン派の作曲家で好きなのはショパンとシューマンで、曲によってはブラームスも弾きます(弾けるということではありません)が、メンデルスゾーンははっきり言って厳粛なる変奏曲以外にはまったく興味がない一方でこの変奏曲は最も好きな曲の一つで、死ぬ前に一度取り組みたいとずっと思っていた曲ではあります。
昨年11月ごろからぼちぼち取り組んでおり、6月のコンクールに出すと決めた1月ごろから割と真剣に取り組んではきたのですが、結局6月の時点では生煮えもいいところ、いまでもどうも全体にまとまりません。
その後に手を付けたスクリャービンの白ミサの方が客観的にはよほど難しいはずなのですが、メンデルスゾーンはどうもなかなか友達になってくれません(のだめ風に)。
まず最初に難関はテーマです。4声。繊細。緻密。うぅぅ。。難しい。。(涙)
第一変奏と第二変奏は同じテンポで(涙)
第三変奏は左右の対話。涙。
第四変奏は走らないように。涙。
…
とにかく厳格さが求められるがそうは言ってもロマン派の作品。単調で直線的ではマイナス100点。
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難しい。涙
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とにかく抑えて抑えて第十四変奏のコラール。美しい。。はぁ。。
…
第十五変奏は侮ってはなりませぬ。音は少ないが。ここで奏者のセンスが試される。涙
第十六変奏。まだ爆発してはなりませぬ。
第十七変奏。技巧的だけど歌心忘れず。。難しい。。走らない。。
コーダ。。機械的になってはいけません。。
はぁ。。。。
なんだこの難曲。。