現代ロシアの作曲家ニコライ・カプースチン(1937~)はぼくの友人が日本に紹介したことで日本では一躍人気を博しました。
ぼくも例にもれずその魅力に取り憑かれた一人です。
彼が1984年に作曲した8つの演奏会用練習曲は、一度聞いたらその躍動感(グルーブ感)に弾かずにはいられないと思い、20年のブランクを破ってピアノを再開するきっかけになった曲集です。
結局5番と7番はコンクールに出して賞をいただくほどがんばりました(・・;)
しかしいまになって思えばかなり荒っぽい演奏でした。当時は細部より音楽を大きく捉えて流れが滞ることなど決してないことを最優先に弾いていました。
あれでコンクールの予選を通ったりしたのはきっと審査員が知らない、なんかやたら難しそうな曲、ということで加点が多かったのでしょうね・・・
いまは9年ぶりに3番のトッカティーナをさらい直しています。
同音連打が綴る躍動的な曲想はわかりやすく、メロディックでもあり、演奏時間2分半弱と短いながら、アンコールピースには最適な曲です。
そのうち藝大の卒演で弾かれたり、国際コンクールでも弾かれたりするなど(ユジャワンは変奏曲をレパートリーに入れてますね)すっかりメジャーになったカプースチンですね。
カプースチンの第一人者といわれるピアニストにレッスンを受けていた頃もあるのですが、クラシック音楽の伝統的な教育を受けていなくても、むしろ最初にカプースチンを手掛けたらかえって弾きやすいということもあるらしいです。まぁ、何曲かやってみるとカプースチンのイディオムが身についてくるとおもいます。
筆者はカプースチンはこの練習曲全曲(8曲)と、古典的な形式の組曲、それにブルー・ボッサの主題によるパラフレーズ、ピアノ協奏曲第2番(オケパート)は人前で弾いたことがあります。
が、それから何年もたち(5年ぐらいかな)すっかりごぶさたしていたので、せめて一曲でもちゃんとしたレパートリーにしようと思い、この曲をさらい直しているところです!