クライバーン国際ピアノコンクールが日本時間で日曜の最終日で終わり、若干「クライバーンロス」になっていましたが、ようやく回復してきました。
印象に残った演奏をラウンドごとに独断と偏見で選んでお送りしてきましたが、これで最後です。
ファイナルは6名の演奏をほぼ全て聴きました(ウェブで視聴しました)。
室内楽1曲(指定候補から選択)全楽章をブレンターノ弦楽四重奏団、自身の選択のピアノ協奏曲をレナード・スラトキン指揮フォートワース交響楽団と1曲演奏するというタフなレパートリーです。
室内楽については特に強く印象に残った演奏はなかったので、印象に残った演奏は6名の協奏曲から選びます。
2人います。
ひとりは優勝(金メダル)したYekwon Sunwoo(韓国、28歳)によるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番です。
スケールの大きさが唯一の評価ポイントです。ミスタッチとかオケとの対話とかダイナミックレンジの広さとはあくまでも副次的なものです。
ピアノ協奏曲というものの魅力をそもそもどこまで伝えられているか、ピアノソロでは達し得ないスケールの大きさが唯一最大の評価ポイントと個人的には考えていますが、今回のコンクールで最もそれを強く感じたのはSunwooのこの演奏でした。
もう一人は3位(銅メダル)のDaniel Hsu(アメリカ、19歳)です。
コンクール最終日の投稿にも書きましたが、少しミスタッチガ目立ちました。が、そんなことは彼の瑞々しいエネルギッシュな熱演の価値を損なうものではありません。
ほんとうに学ぶところの多いコンクールでした。自分の見る目、聴く耳も成長したのみならず、自分自身の練習、演奏にも違いが出てきたようです。