ベートーヴェンのピアノソナタは1番から32番までほぼひととおり遊び弾きを含め(てか遊びの方が多いですよ?)弾いたことがあるほど、小学生の頃から好きな曲集です。
子供の頃は、ベートーヴェンの交響曲が大好きで、1人で日比谷公会堂に小澤征爾の第九を聴きに行くほどでした。
そんなベートーヴェンのピアノ曲の中でも、中学生の頃から弾いているのが、ピアノソナタ第21番作品53ハ長調「ワルトシュタイン」です。
解説はこちら:
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ピアノソナタ第21番_(ベートーヴェン)
この曲、ぱっと見はやさしそうに見えるところが曲者です。
高校2年の頃に近所の厳しい先生(井口愛子門下、中村紘子さんとは姉妹弟子だったそうですが)にみていただいた記憶があります。その頃はまあまあ弾けていたと思うのですが、そのまま20年以上放置してしまいました。
40過ぎてあらためて藝大卒のピアニストの方にみていただき、まあいろいろ直されました・・・
4年前に2011年のクライバーンアマチュア参加者たちがリユニオンして東京でコンサートを開いたときに全楽章弾いたのですが、出来はうーむというところ。
他のソナタをやる気にもならず、昨年春ぐらいからぼちぼち丁寧にさらっており、今月末にあらためて今の恩師に指導を受ける予定です。
Wikiにもありますが、この曲は難聴に悩まされていたベートーヴェンが、新しいタイプのピアノ(従前のものより音域が広くかつ豊かな音が出せる)を得てインスピレーションが爆発し書いた、ある評者によれば交響曲的な、20番までとはスケールの大きさが違う壮麗で表情豊かな作品になっています。
それでいてシンプルな構造美にも溢れ、様々な場面の切り替わりが面白い1楽章、朗々としたカンタービレの2楽章、そして最後が天上美で飾られる華麗なロンドの3楽章、どこをとってもまた全体としても「完成度の高い」作品です。
ピアニストにとってはメカニカルな難しさはもとより、如何に曲想の変化や多様な色彩を出せるか、特に1楽章と3楽章は練習曲のように陥ってしまうことのないようにするなど難題のオンパレードですが、それだけに学びが多く挑戦のし甲斐がある曲です。