コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

技は盗むもの

コンサルタントになりたての頃、先輩達から口酸っぱく言われたことは

 

「技を盗め」

 

です。

 

大手コンサルティングファームでは、ロジカルシンキング、スライドの書き方、プレゼンテーションからプロジェクトマネジメントまで、トレーニングが充実しています。

 

しかも各講座は現役の身近な先輩コンサルタントが、自分の経験を踏まえて丁寧かつ厳しく教えてくれる、かつインタラクティブな内容なのでとても良いものです。

 

それでも、コンサルタントの技を身につけるにはいくらインタラクティブでも座学はとても足りません。

 

実戦で役立ちクライアントに対してプロとして付加価値をもたらし期待を上回ることは、トレーニングだけでは無理なのです。

 

先輩が作るスライド、やっている分析、プレゼンテーション、インタビューなど日々の作業なり行為は技の宝庫であり、全てをトレーニングで伝えるにはあまりに幅が広いし奥が深いのです。

 

コンサルティングは厳しい世界です。徒弟制度でないと学べない鍛錬の連続です。

 

かつて邦楽の世界では、弟子は師匠に質問してはならず、只管師匠の演奏を聴いて学んだと言います。弟子が演奏して師匠はただ首を横に振り、こうだと言わんばかりに自分が演奏し、弟子はそこに自分と何が違うのか、自分に何が足りないかを自分で理解し自分で実践し技を磨く。この果てしない繰り返し。

 

マニュアルなど無いのです。

マニュアルが作れるような仕事は、早晩付加価値が失われ陳腐化します。

今であれば人工知能に最も代替され易い仕事がマニュアル労働です。

 

コンサルティングに限らず、付加価値の高い、言い換えれば稀少価値の高い仕事は、ビジネスにおいても芸術においてもスポーツにおいても共通のこの上達のプロセスを経ることが要求されます。

 

技は盗むものです。最初は表面的に模倣することでもいいでしょう。そして繰り返すことです。質量転化の法則で上達する面も大いにあります。

 

技を盗む技も磨かれます。他者と自己の違いを敏感に感じとり正確に認識し自らの行動と思考を変えていく力。

 

技を常に盗む姿勢を身に付ければ成長は加速し、5年もすればはっきり大きな違いとなって現れてきます。