コンサルタント=ピアニストはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

悩むという贅沢

悩むというのは贅沢である。

自分の生存を脅かされている時人は悩めない。

マズロー欲求段階説は必ずしも正しくはない。

これまでのコンサルタント人生で最も苦労したプロジェクトがほぼ終息を迎えている。

いままでに培ったスキルとネットワークを最大限に活かし、新たなアプローチを駆使してもクライアントの期待に応えることが難しいプロジェクト。

必死になってがんばった。

数ヶ月で大きく成長した。

いろいろ思い悩む暇はなかった。

そんな暇があれば行動するしかない。

やはり悩むというのは贅沢なこと。

一日一定理

情報を得ることがますます容易になっていくこの世界において、数学は「ググればわかる」ものではないものの典型である。

数学を理解するとしないでは世界観の広さが違う。

一つ一つじっくり頭を使って考えることを積み重ねていって初めて理解できる。

そこで一日一定理というのを思いついた。

ずっと前に友人の数学者に勧められた加藤和也先生の本をあらためて最初から読んでみる。

最初に出てくる重要な定理が「平方剰余の相互法則」である。

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英語ではquadratic reciprocityという。

数学用語は日本語の方が難しい。

詳細は様々なサイトで紹介されているので割愛するが、オイラーが予想しガウスが証明し、ガウス自身が「黄金定理」と呼んだともされる、代数学の重要な定理である。

何が重要かというと、異なる素数間の関係を定式化しているからであり、この定理により代数学の他の多くの問題の証明が可能となるからである。

まずはこの定理とその応用の一端を理解することを今日の目標にする。

 

【読書メモ】日本が犯した七つの大罪(櫻井よしこ)

昨年秋から主宰している社外研究会の調査の一環としてこの本に目を通している。

日本が犯した七つの大罪 (新潮文庫)

日本が犯した七つの大罪 (新潮文庫)

 

2003年に出版されたものなので、ここ最近の情勢は勘案されていないが、「失われた30年」と日本の今後の針路を考える上では、ひとつ変わった(普段考えていない)視点も必要かと思い、あえてジャーナリストの視点がどういうものかみてみた。

櫻井さんが指摘するところの七つの大罪に、一章ずつ費やされている。順に挙げると:

  1. 日朝交渉・過ちの歴史
  2. これが本当に”改革”なのか 道路公団民営化
  3. 国家は喪失したのか 国際社会で際立つ日本の脆弱
  4. ”人権”とは何か 情報三法の実態
  5. ニセモノの”友好” 日中国交回復30年の欺瞞
  6. 病が私たちに教える多くのこと
  7. 狂牛病対策はなぜ遅れたのか

いずれも問題といえば問題かもしれないが、現在の日本が直面している重大な課題である、財政、産業競争力、社会保障(医療・介護・年金)、が重大な課題となることを許した立法と行政に罪はないのだろうか。

特に、人口動態という最も予見可能性の高い長期トレンドがドライバーである社会保障とその財源の問題は、優秀な官僚ならとうの昔に(30年以上前に)把握することができ、したがって施策を講ずることができた問題である。

産業競争力はたしか現政権の三本の矢の一つではなかったか。金融では日本の国際競争力を高めることはできない。

自己啓発モノの原点/原典

世の中特にアメリカ人が好きな自己啓発ものは、本質的に「思考は現実化する」と言っており、その時々に違う人が新しいことを言っているように見えても、基本はすべて同じで、

思考を変えれば言葉が変わる

言葉が変われば行動が変わる

行動が変われば習慣が変わる

習慣が変われば性格が変わる

性格が変われば運命が変わる

ということであることに気づいた。

そしてその原点は、As a man thinktheという1902年にイギリスの哲学者James Allenが著した書にあるようだ。Youtubeにaudio bookがある。 

https://www.youtube.com/watch?v=sn_eg3xDp8s&feature=youtu.be

ただこの考え方もさらに遡れば古代ギリシャなり中国の古典なりにその核心があるのであろう。

 

引っ張りだこのコンサルタントとは(1)

ごく一部のスーパーコンサルタントを除けば、大手を含めどのコンサルティング会社もコンサルタントも最も苦労しているのは案件獲得である。

コンサルティングという事業は装置産業とは対極的に労働集約型の事業である。

知的付加価値の高さを売りにしていても、その知的付加価値を創出するのは人に他ならない。

もちろんナレッジベースや資料作成など、テクノロジー活用は進んでいるが、それは付加価値の比較的低い業務に限られる。

当然である。コンサルタントの主たる業務がデジタル化自動化できるとすればそもそもコンサルタントという人材は不要になる。

大手であるほど、ジュニアからシニアまでピラミッド型の組織構成になっている。

これはパートナーなどシニアが「レバレッジ」を」効かせる為であり、キャリアディベロップメントの為でもある。

そうなると高い固定費の構造になっている訳で、それなりにまとまった報酬総額の案件を獲得する必要があり、したがってクライアントも案件も限られる。

 

では、対極的な存在であるフリーランスコンサルタントはどうだろうか。

(次回に続く)

 

使えるデータサイエンティスト

一昨年あたりから、ビッグデータを扱いたい、AIやIoTを導入したいと企業から相談が来ます。

全ての相談がそうだという訳ではないのですが、多くの場合テクノロジーありきで考えておられる場合が多いのです。

それはそれ自体が悪いことではなく、良いきっかけだと思いますし、テクノロジーにオープンであることは良いことです。

重要なことは、テクノロジーが(今まで解決できなかった)どのような問題を、どのように解決し、それによりどのような便益が得られるのか、そしてそれが経営戦略上どのような意義をどれだけ有するのかを、熟考することです。

実際の例として、経理の業務にRPAを導入したクライアントがいます。こちらがRPAを勧めたのではなく、既に相談される前に導入していたのですが、業務フローを見直すことなく導入し、何一つ効率化されてはいません。今のところ。

別のクライアントの例。中堅製造業様ですが、「とりあえずデータが大量にあるので、AIを使って何かできないか」とのこと。

IoTだビッグデータと騒がれるはるか前から、製造業ではSPC(統計的プロセス管理)を当たり前のようにやってきていますし、故障や不良のデータに基づく予兆検知も行われています。

最近のビッグデータマネジメントはこれと何が違うのでしょうか。ただ違うだけではなく、新たな付加価値を生むのでしょうか。

データサイエンティストは経営を科学することが使命ですから、現在そして今後意味のある仕事をするのであれば、まず、

①基本的な統計知識(Excelに標準装備の統計関数(検定を含む)やその使い方を理解していることは最低限の要件ですね。ビジネス数学検定を準備無しで受けてAA合格以上(80点以上)とれる)

②プログラミングのスキル(ただこれは必須ではないと思っています。プログラマーにアウトソースすれば済むので)

に加えて、

③OR(オペレーションズ・リサーチ)の各種手法も理解している

そして何より

④経営、ビジネスというものに興味があり、基本的な概念や用語はおさえている(しかしMBAを取得している必要はない)

これら4項目を満たすのが、自分が考える「使えるデータサイエンティスト」です。

ORは決して古くさい手法ではありません。

線形計画法待ち行列(確率過程の理解が必要)、ゲーム理論など、既にビジネスで大いに活用されている重要な手法があります。

 

さいわいにも、自分のチームにはこういう人材が複数名いる(中にはバリバリに金融工学やっていた人間もいる)ので、チームとして社会の役に立つべく、絶賛作戦を練っているところです。

エンゲージメントとは何か

ここのところ人事関連のプロジェクトも多いので、最近の人事領域で何がホットなのか調べています。

様々な「HRテック」も花盛りだが、エンゲージメントとインクルーシブネスが考え方としては依然ホットなようです。

エンゲージメントとは、「日本の人事部」サイト(https://jinjibu.jp/keyword/detl/176/)によると:

エンゲージメントとは、社員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」を表すものと解釈されますが、より踏み込んだ考え方としては、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」のことをいいます。

だそうです。

あれ、この記事は2007年ですね。その当時は外資系に勤務していた頃ですが、人事の人ともよくプロジェクトで一緒に仕事をしていましたが、エンゲージメントなんて言葉を使っていませんでした。

人事の人同士では使っていたのかもしれません。

よくよく調べると、これは和製英語なのですね。アメリカではemployee engagementと言うそうで、engagementと言えばやはり婚約です。

自分が勤めていた米国系企業では、engagementではなく、別の表現を、人事の用語ではなく、全社員共通の行動規範として表現していたので、わざわざengagementという言葉を使う必要が無かったのだと思います。

上記のエンゲージメントの説明は、正しいといえば正しいのでしょうし、そういう状況が実現できている組織は素晴らしいと思いますが、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」というのがどういう姿なのか具体的にイメージできるものなのでしょうか。

難しいですよね。

かつてGEに勤務していた頃、GEのリーダーの発言の中で最も印象に残っているのは、当時のボスのボスであったJoe Hogan(当時のGE HealthcareのCEOで、後にABBのCEOに就任)が日本に来た際にわれわれ日本法人たちの前で言った:

Love your company.

です。

日本の会社の社長が社員に向かって「あなたの会社を愛しなさい」というでしょうか。

言うのも気恥ずかしいし、言われた社員としてもしっくりくるでしょうか。

「何言ってんだよw」という反応が多かったりしないでしょうか。

しかしJoeの言葉は心からのもので、場がしらけるなどということもなく、自分自身はとても「そうだ。会社を愛するんだ。」と思いました。

GEのリーダーには、Joeに限らずこういう方々がおられました。

エンゲージメントを高めるには、人事施策をいろいろ講じても難しいと思っています。会社のビジョンであり、戦略であり、それがあって初めて個人の能力や意向に応じた働き方や業務を提供できるのです。

そうはいっても現実にはなかなか難しい。

それでも何か短期的に効果的にエンゲージメントを高めることはできないものか。

こんな場合こそリーダーシップの価値が顕在化します。

Love your company.と言えるようなリーダー。そしてそれが社員に腹落ちする。

世の中にこんなリーダーが増えてくることを期待していますし、そのような社長の相談相手になれればうれしいと思っています。