コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

一般人でもトップクラスの持久系アスリートのようにトレーニングできる?

よく見ているTEDトーク

TEDといえばくまさん🐻ですね。いえいえちょっとちがいます。

一般人でも陸上の長距離走やスキーのノルディック競技で世界トップクラスのアスリートを輩出しているノルウェー(=ヤコブくんの国)ではアスリートはどんなトレーニングをしているのか、運動生理学者がそれまでの常識を完全に覆されたと語るのがこの動画です。

それまでの常識とは

No Pain, No Gain.

ちがうんだそうです。


How "normal people" can train like the worlds best endurance athletes | Stephen Seiler | TEDxArendal

英語の動画です。がんばって視てください。

この内容を一言でいうと

「ニコニコペース」(あるいはEペース)でトレーニングすることが最も重要
です。動画の9:00頃にグラフが出てきます。このGreenゾーンこそが強さの秘密であり、強くなるとは楽しく継続することとこの先生はおっしゃる。

なるほど。

そうだったのか。。。

苦しいことを我慢してもダメなんだということ。やはり楽しむことこそ正義!

【読書メモ】ランニングする前に読む本

いつものまえがき:ランナーにとっては、走らない時間すなわち一日の9割超の時間もトレーニングである。考えながら走るのは良くないが、走らない時間は正しい考え方で考えよう。そのための読書である。先人の知恵に学ぶ。ただし批判的に読むこと。

今回手に取ったのはこの本であります。

著者は田中宏暁さん。福岡大学スポーツ科学部教授で、日本陸連科学委員、JOCの強化スタッフ等を歴任された運動生理学の権威。
帯には「今始めても、3ヶ月でフルマラソンは完走できる!」と書いてあるが、フルマラソンにいまのところ興味がない自分はそんな帯には目もくれず、ランニングのカニズムが知りたいがために買ったのでありました。

そういうわけで、7章で構成される本ですが、「第1章 走るための基礎知識<理論編>」と「第4章 ランニングの生理学」しか読まないです!

忙しい方々のために、ハイライトをご紹介します(つまりネタバレ)。

第1章 走るための基礎知識<理論編>のハイライト:

  • ランナーと一般人が同じスピードで走った場合の消費カロリーには5%しか違いがない
  • 移動距離1㎞あたりの消費カロリーは体重1㎏につき約1kcalで、これはスピードに依存しない
  • 走れる体を作るための筋トレは必要ない

(所感:3点目はあくまで🔰向けの内容なので、タイムを短縮するには高速で走っても決してブレない強い体幹を作る、腸腰筋ハムストリングスの強化は必要かと思います)

第4章 ランニングの生理学のハイライト:

  • 筋収縮などランニングに必要なエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)がADP(アデノシン二リン酸)に分解される時に発生することでまず供給されるが、ATPの体内貯蔵量はわずかなのでそれでは足りない
  • ATPがADPに分解されると直ちに高エネルギーリン酸化合物であるCP(クレアチンリン酸)が供給されADPをATPに再合成する。ただしCPの体内貯蔵量もATPの倍はあるとはいえわずか
  • CPによりADPがATPに再合成される際、CPはC(クレアチン)とP(リン)に分解されるが、ここでミトコンドリアがエネルギーを供給してCPに再合成される。このときミトコンドリアは糖が分解されてできたピルビン酸と脂肪酸を酸化して水と二酸化炭素に分解する過程でCとPの結合に必要なエネルギーを発生する
  • ミトコンドリアのエネルギー生成能力は酸素運搬能力に依存する。目安として、時速20㎞(キロ3’00”)で走る際に必要なエネルギー(単位時間当たり)は安静時の20倍

じむは理系だが生物は苦手な科目だったのでATPとかよく覚えていないのですが、要するにミトコンドリアのおかげで走れるということです。
そして、ミトコンドリアというのは実はまだ生物学でも医学でもホットな研究対象で、まだまだわかっていないことが多いのですが、一つの細胞に多い臓器では1細胞内に数千個もいらっしゃるとのこと。
仮に人体の細胞の数が60兆個(これも諸説あり)だとすると、ball-park(概算)で京(ケイ)のオーダーのミトコンドリアがいらっしゃることになります。
10,000,000,000,000,000個のオーダーですね。
ですので、練習やレースで苦しくなったら、ミトコンドリアを応援しましょう。

がんばれぼくの(わたしの)ミトコンドリア達よ!

ミトコンドリアといえば瀬名英明のパラサイト・イブですね。名作です。
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なぜパラサイト(寄生虫)かというと、そもそもミトコンドリアはエネルギーを効率よく産生するバクテリアを人体が取り込んだという説が有力だからなのですね。
(友人がミトコンドリアの研究者なので詳しく聞いてみようと思います)
あと、ミトコンドリア病という難病があって、ある先生によればミトコンドリアはすべての疾病の原因とまでされる仮説もあります。未検証ですが・・・



ふむふむ。



かなり脱線してしまいましたが、要はランニングとはどういうことかを一度突き詰めて考えてみたかったというのが今回の主旨になります。

ではまた!

【ランニング】Jakob Ingebrigtsenというランナー

おはようございます。
きょうはめずらしく寝坊(起きたら4時半)してしまったので朝ランはおやすみです。

きのう、良いイメージをもつためにYoutubeを見ていたら、有望なランナーを発見しました。
ノルウェーの19歳、Jakob Ingebrigtsenです。

ヤコブ・インゲブリクトセン

呼びにくいですね。ヤコブくんでいいでしょう。
2017年5月27日、アメリカはオレゴン州ユージーンでのレースで、史上最年少で1マイル4分を切ったことで一気に名を知られることになったそうです(じむには知られていませんでした)。記録は3分58秒22(秒以下はぼくの記憶なのでちゃんと確認しておきます)。

ちなみに1マイルのパーソナルベストは去年2019年6月30日にパロアルトのレースPrefontaine Classic(おぉあのプレフォンテーンの名を冠したレースですね!)で出した3分51秒30秒とのこと。

彼が単なる早熟な天才ランナーということにとどまらず、エリートランナーとして一躍名声を得たのは2018年の欧州選手権(ベルリン)のこと。
1500mで3分38秒10で優勝した翌日、5000mで13分17秒06で優勝。

ハイライト動画をご覧ください。

Jakob Ingebrigtsen best moments • 1080p


果たして彼はどこまで速くなれるのか。1500mを3分21秒(!)と予想する人もいます。説明動画:

JAKOB INGEBRIGTSEN - HOW FAST CAN HE RUN?

注目のランナーです。

ランニングの目標設定について

おはようございます。。初心者🔰ランナー(元陸上部という過去はブランク長すぎるためオールクリア!)のじむです。
昨日は出社でノーラン。今朝も雨でノーラン。体幹トレを10分やりました。

今回はランニングの目標設定について語ります。

この1月から外ランを始め、明らかなオーバーユースで膝の痛みが発生したのをきっかけに、プロのランニングコーチにレッスンを言受け、走り方(フォーム、呼吸法、意識など)について学び、この4月からジム休業に伴い外ランにスイッチして約1ヶ月。
Youtube動画、ランニング本、ランナーの友人(サブスリー)に多くを学び、やっとランナーらしくなってきたところで、ちゃんと目標設定して目的的に練習を行なうことにようやく目覚めました。

自分にとって目標とは何か?それはランニングへのモチベーション、できれば外発的ではなく内発的であるべき。内発的動機(intrinsic motivation)の方がはるかに強いからです。
速くなりたいというのが根底にあります。
なぜ速くなりたいか。
気持ちいいからです。それだけです。そしてそれだけで十分です。

フルマラソン完走でも、ましてサブスリーでもない。誰かより速くなりたいということでもない。

コーチから言われたこと: タイムはあとからついてくる。タイムを追いかけると苦しい。タイムは出せればうれしいけど出せないとがっかりする。とはいってもタイムを一つの目安として、達成できなくてもチャレンジすることを楽しめればいい。

速くなりたいとはいっても、何か定量的な目安は欲しい。
ライバルは昨日の自分ではあるものの、タイムというのはその日のコンディション(自分の体調だけではなく、天候もある)にもよるので、タイムは単調減少関数ではない。

強いてタイムで言えば:

  • 10kmで40分を切ること。そのためには
  • 5kmで20分を切る。そのためには
  • 3kmで12分を切る。そのためには
  • 1,500mで6分を切る

という感じ。要するにキロ4でどれだけ長く走れるか。そのうちフルマラソン走りたい欲求が芽生えたらそれがそのままサブスリーになる。そんな感じでよいのではとおもってます。

重要なのはフォーム。それも全身の連動という意味でのダイナミックな意味での(スタティックではなく)フォーム。

キプチョゲ美しい・・・ 人間の走りというのは本来美しいものですね。よどみない回転運動。重力に逆らうのではなく重力を利用している。人体のすべてがまるで走るためにあるかのようにさえ思わされます。

Eliud Kipchoge's RUNNING FORM - 5 Simple Ways for YOU to Run Better

フォームについてコーチに言われたこと3つ:
①自分の身体がゴムのように柔らかいことをイメージする
②軸をまっすぐに。頭から吊られているように
③地面の反力を利用するように

①はこんな感じ?

Incredibles 2 - Elastigirl Best Moments

②はこんな感じ?(thanks toぱり先生)

マリオネット体操(アップテンポ版) / Puppet House

③はこんな感じ?

月でジャンプするとどうなる?月と地球の引力重力の違い。

・・・まぁとにかく、ピアノでもゴルフでもそうですが、良いイメージをまずは持つことが第一。練習で良いイメージを身体に覚え込ませていく。タイガーウッズもそう言ってました。
要素還元論的に分解して考えることも時には必要ですが、最終的には統合しないと。

なので、目標はあくまで美しいフォーム(スタティックではなくダイナミック。大事なことは2回言う)。
タイムはそれがどこまでできているか、最大酸素摂取量という一朝一夕には上がらない能力がどこまで向上しているかの目安。

ということで本日は以上です。雨が上がったらイメージ改善ジョグに出かけます。

【読書メモ】最高の走り方 ~超効率的「ベストな1歩」が記録を伸ばす!(弘山勉)

いつものまえがき:ランナーにとっては、走らない時間すなわち一日の9割超の時間もトレーニングである。考えながら走るのは良くないが、走らない時間は正しい考え方で考えよう。そのための読書である。先人の知恵に学ぶ。ただし批判的に読むこと。

今回取り上げるのはこの本である。


筑波大駅伝監督の弘山勉さんが「最高の一歩」のメカニズムと練習方法について教えてくれます。
千里の道も一歩から。フルマラソンの数万歩も一歩から。日々の練習も一歩一歩の積み重ね。

一歩入魂。

では最高の一歩とはどのようなものか。
弘山さんによると、ランナーにアンケートをとった結果、走るときに意識するポイント1位~5位は姿勢、接地、腕振り、骨盤、重心だということで、まずはこの1つ1つについて正しいこと/間違っていることを図解してくれています。

姿勢: まっすぐ立つ(マリオネットが吊られているように)。頭は背骨の上に載せるイメージ。背骨は力を入れずまっすぐに、骨盤を立たせ(自然に立つ)、腹圧を保つ。その姿勢のまままずは歩きの際にも常に感覚をつかむよう意識して歩く。そして走りにつなげていく。感覚を動きとして形にしていく。

接地: 着地は接地と乗り込みに分けられる。接地(着地開始の瞬間)は足はまだ身体の前にある。そして体重が乗る乗り込みの瞬間には重心の真下に来る。しかし接地を足先でコントロールするのではなく動きの中で自然に決まるもの。

腕振り: 腕振りの目的は身体の軸を中心に効率よくトルソを捩ること。身体の構造的に腕振りはやや斜めになる。振り子の原理で、腕が下り肘が体側を通過する際に力を加えるように。

骨盤: 骨盤は固定するのではなくタテ(前後方向)にローリングすることで推進力を生み出す。

重心: 乗り込み~沈み込みで身体は上下動し、地面の反力を推進力に変える。地面を押すときは膝と脛を動かさない。

これらはあくまでも要素分解したものであって、最も重要なのはランニングは全身の連動であり、全身を連動させてこそ「最高の一歩」が生まれる、というのが本書のメインメッセージです。

初心者であるぼくの段階では、どうしてもこれらのポイント(および呼吸など)の個々に意識が行ってしまって、「連動」ができていないわけです。脱力脱力と言い聞かせてはいるものの、どこかを意識すると必ずどこかに力が入ってしまう。
また、どうしても左右の差があるので軸もぶれてしまう。大きなぶれではなくとも、長距離を走れば必ず無駄(非効率)も大きくなる。
筋力があってもフォームが悪ければスピードは出ないし、スピードは出ても非効率なフォームであれば持久力は弱くなる。
もちろんフォーム以外に最大酸素摂取能力や乳酸耐性も重要なファクターではありますが。
間違ったフォームでただ距離を積んでも間違ったフォームが定着してしまうだけであり、故障にもつながる。

最高の一歩。

まだ自分のフォームを録画して点検したことがないので近々やってみようと思います。

【読書メモ】サブ2.5医師が教える マラソン自己ベスト最速達成メソッド

いつものまえがき: ランナーにとっては、走らない時間すなわち一日の9割超の時間もトレーニングである。考えながら走るのは良くないが、走らない時間は正しい考え方で考えよう。そのための読書である。先人の知恵に学ぶ。ただし批判的に読むこと。

ランニング書籍を取り上げるのもあと数冊になりました。

今回取り上げるのはこの本であります。

この本は良著であるです。2つのポイントにおいて:
1.トレーニングの種類が目的ごとに書かれていること
2.メンタルの重要性を説き具体策が書かれていること

まず、1について。トレーニングの種類と目的をまとめると:

  • ジョグ: ペースの構築、フォームや接地感覚のチェック、疲労抜き

インターバル走: 心肺刺激とスピードの慣れ
レペティション走: 同上(インターバルより長い距離での)
ペース走: スピード持久力の養成
距離走またはLSD: 持久力の強化
月1タイムトライアル: 成長実感とモチベーション維持
準高地トレーニング: 夏場での高負荷練習
この他にクロストレーニングとして、筋トレ、ウォーキング、トレッドミル、スイミング、エアロバイク、自転車との組合せも提案されています。

いいですね。

次に、メンタルについて。いくつか引用します:

「やりたくないな」というマイナスのイメージではなく、強くなるためにも「この練習は絶対に必要な練習だ」といったプラスのイメージを持って、モチベーション高く取り組むことで効果も上がります。歯を食いしばって何とかきつい練習をこなせた時の達成感こそが、気分を爽快にし、レベルアップにつながる鍵になるのです。

ラソンのような持久系競技において、パフォーマンスアップのための目標設定強度としては、心理学的には成功する確率が50%(五分五分)に近いことが推奨されています。

「ちょっとした考え方の工夫によって、脳を騙して効率を上げる」これが私の練習法の特徴の一つです。

いいですね。すごくいい。

さらに、第三章では怪我・故障の防ぎ方をきわめて具体的に解説してくれています。

「一歩入魂」のためにもこれはすべて理解しておかなければ。

ではまた。あした。

【読書メモ】走れるカラダになる 体幹「3S」メソッド

いつものまえがき: ランナーにとっては、走らない時間すなわち一日の9割超の時間もトレーニングである。考えながら走るのは良くないが、走らない時間は正しい考え方で考えよう。そのための読書である。先人の知恵に学ぶ。ただし批判的に読むこと。

今回取り上げるのはこの本である。

この本を手にしたのはもう2年ぐらい前になる。当時はほとんど走れなかった。1㎞走るのも苦しいくらい。
しかし体幹レーニングは毎日かなり強度を上げてやっていた。
どちらかというと「走れる」より「体幹」に興味があってこの本を買った。

「3S」というわかりやすいキャッチコピーもいい。コンサルタントは「3」が好きなのだ。「その理由は3つあります」「戦略オプションは3つあります」というように我々の職業にとって「3」はマジックナンバーなのである。

著者の青山さんはご自分もトライアスリートであるトレーナーだが、青山さんが言う「3S」とはStretch, Switch, Strengthである。
ストレッチとは文字通り我々が理解しているストレッチのこと。この本では20種目のストレッチが詳しく紹介されており、「全部やりなさい」とのことである。

はい。全部やります。

スイッチとは、いい身体状態にするにはスイッチを入れる必要があること。
そして、ストレングスとはスイッチが入った状態の身体でトレーニングを行ない強化するということである。

わかりやすい。

そして、ランナーにとって、そもそも立つ姿勢の重要性、歩くことの重要性も説かれている。
買った当時はこの辺りは読んでいなかったが、いま読んでみると腑に落ちる。

メソッドとあるが、単なるHow toではない。なぜそれを意識する必要があるのか、やる必要があるのかをロジカルに説いてくれるという意味において良著である。
初心者ランナーにも、そして既にかなりのペースで走れるが体系的にトレーニングを受けていたわけではない上級者にとっても役に立つのではないだろうか。

自分の場合、コアトレは1年半以上毎日やってきているので体幹特に腹筋はかなり強い。
問題は走り込みが足りないこと。あと強いて言えば相対的に背筋が強くないかも。
自分の体幹に自信を持って毎日走ろう。

【読書メモ】走って、悩んで、見つけたこと。

ランナーにとっては、走らない時間すなわち一日の9割超の時間もトレーニングである。
考えながら走るのは良くないが、走らない時間は正しい考え方で考えよう。
そのための読書である。先人の知恵に学ぶ。ただし批判的に読むこと。

今回取り上げるのはこの本である。

大迫傑選手は先日の東京マラソンでまたも日本新記録をマークし脚光を浴び、延期されたものの東京五輪代表の座を手にしたが、彼が佐久長聖高校から早大へと進み、またオレゴンに渡ってさらに力をつけた世界のトップランナーとして活躍する姿をずっと応援してきただけに感動もひとしおである。

その彼が自分について語るのだから読まないという手はない。

彼は走りもかっこいいが語りもかっこいい。
かっこいい理由は考え方に筋が通っているからである。
自分の考えというものをしっかりと強く持っている。

強くなるというのはすごく単純なことで、毎回ハードなトレーニングをして、ハードな毎日を過ごす。それを毎週繰り返していくだけです。

くぅぅ。かっこいい。

彼は悩みはするけれども決してもやもやしたままにはしない。悩みは自分で解消しそれを強みに変えていく。

かっこいい。

ランナーは哲学者とか修験者とか言う人もいるけどちがうと思う。プロセスを心から楽しんでいるのだと思う。

タイムやペースは距離はわかりやすい目安ではあるけれどもゴールではない。あくまでも目安。
人と較べるのは楽しくない。

毎日確実に昨日の自分を超えていく。成長する進化する喜び。今朝のRunであらためて認識した。

【読書メモ】走ることについて語るときに僕が語ること

ランナーにとっては、走らない時間すなわち一日の9割超の時間もトレーニングである。
考えながら走るのは良くないが、走らない時間は正しい考え方で考えよう。
そのための読書である。先人の知恵に学ぶ。ただし批判的に読むこと。

今回取り上げるのはこの本である。

自分は村上春樹の小説を愛読してきたが、この本だけは読んでいなかった。そもそも学生時代に陸上競技を実に中途半端な形で放棄してしまい、同級生や親友が社会人になってから(それもけっこう経ってから)フルマラソンなどに挑戦するも「ふーん」て程度で、まして世のランニングブームなどには目もくれないできたからだ。

しかし今年になって(いや正確には昨年の秋からか)フィットネススタジオでトレッドミルで走るだけではなく外ランもするようになってからはランニングに傾倒してきた。いや正確にはCovid-19でジムが休業になった1ヶ月前からのことだ。

トップランナーでさえ2時間かかるフルマラソン。市民ランナーであればサブ4達成すればかなりいい方とは言え、2時間という時間は自分にとっては途方もなく長い。
仕事においては世界最高の効率を心掛けている自分は、どんな仕事でも15分で概ね結論が出るよう思考を集中する。
ピアノの練習も30分連続を超えると練習の質が下がる。

2時間

長い。長すぎる。一体ランナーは何を考えて走っているのか。人間は健全な精神の持ち主であれば思考をシャットダウンすることはできない。いつか大迫傑さんも退屈だ(なのでテレビドラマのことを考えたりしているとか)というようなことを言っていた気がする(要確認)。

この論点について、おそらく考え過ぎるプロであろう村上春樹氏であれば何らかの答を持っているだろうと思ったのがこの本を手にした理由である。彼のトレーニング方法やタイムに関心がある訳では毛頭ない。

そしてまさに自分の求めていた答(一つの)をさすが村上さん美しく表現している。

僕は走りながら、ただ走っている。僕は原則的には空白の中を走っている。逆の言い方をすれば、空白を獲得するために走っている、ということかもしれない。そのような空白の中にも、その時々の考えが自然に潜り込んでくる。当然のことだ。人間の心の中には真の空白など存在し得ないのだから。

さすがだ。

そして、これに加えて、自分はこうも考える。
高い強度で走っているとき、血液の殆どが筋肉に流れていく(だから走る前にたんまり食べてはいけない)。当然、酸素と栄養のおおぐらいである大脳への血流も減る(減らねばならない)。おのずと余計なことは考えられない。自分のように考えるのが仕事で考え過ぎるきらいのある人間にとって、これはとても重要な転換である。
余計なことを考えているうちはまだ余裕があるのだ。余計なことを考えるならペースアップできるはず。

はず。

走ることについて語るときに僕が語ることはいったい何なのだろう

走ることについて書いてみる。このブログでランニングについて書くのは初めてだが、目下マインドシェア50%を占めているのだから書かない手はない。いやあるか。まあいいや。

「走ることについて語るときに僕が語ること」はもう10年以上前に村上春樹さんが著した自伝的エッセイである。
amzn.to

彼の本は大学生の頃同級生から勧められて以来、デビュー作の風の歌を聴けに始まりほぼ全作読んでおり、特に羊をめぐる冒険などいくつかの作品は何度も繰り返し読んできたものの、「走ることについて・・・」だけは読んでいなかった。
学生時代陸上競技(中距離)をかじった自分としては、健康維持の為に多少ジムで走ることだけで十分で、フルマラソンに対する何のあこがれもなかったし、ランニングは減量の最善の方法ではないため、世の中のランニングブームには目もくれない時期が長く続いた。
今読んでみると、これまで村上春樹という人間について彼自身が語ることはなかった(少なくともこれまで接した作品では)が、この本を読むとなぜ彼が30年にわたり走り続けているのか、なぜフルマラソンはもとよりウルトラマラソンに挑戦するのか、その理由と姿勢に共鳴できることをいくつか発見し、自分のランニングに対するモチベーションに火が点いた。

しかしCovid-19を機にランニングにのめりこむようになって1ヶ月。入院した2015年4月から、薬に頼らない体質改善の一環としてウォーキングで大幅な減量を行なったためすっかり落ちてしまった筋肉を復活させ動ける体にすべく、ルネサンスに通いTipnessに通うものもあまり積極的になれなかった時期が続き、約1年前の2019年3月からOrange Theory Fitnessのメンバとなり、モチベーションを維持してすっかり動ける走れる身体になってきたが、フィットネスの例外にもれず4月から休業となり、運動量を維持すべく4/11から10㎞を基本に最大20㎞の外ランを始めたのだった。

Orange Theoryではトレッドミルで毎回3~6㎞(15~30分)、ミニインターバル的なランニングをやってきたし、月に1回程度ベンチマーク(タイムトライアル)的なイベントがあり、例えば18分で4.5㎞走るなどの記録もあったのかなり走力には自信があったものの、仲の良い友人にサブ3ランナーが複数おり、スピード持久力の点で自分はまったく彼らのレベルには達していないことを認識、また10㎞程度のランでも膝に痛みが出てきたりなど故障のリスクも認識した為、プロのコーチにもレッスン(通算4回、@皇居)を受けたり、Youtubeでランニング関連動画を見まくって自己流で改善をここ1ヶ月してきた。

現時点での課題認識: 自分はまだ走ることに慣れていない。

短い距離(300mぐらい)であればキロ3分20秒ぐらいで長距離を走るフォームを崩さずに走れるようになったとはいえ、ジョグだと動きが小さくなってしまい、みぞおちを意識していても腰が落ちてしまう、キロ4のペースをたとえば3㎞維持することができないなど、現象的にはいろいろな課題が出てしまっている。
当初は膝から下で走っていたことに起因する膝やアキレス腱の違和感が、コーチからも言われていたハムストリングスを使うことを意識した結果ほとんどなくなったし、着地点や足首のリラックスも意識しているおかげでかなり走りも滑らかになってきたものの、ストライドは1.1m~1.2m程度と短く(2㎞ランぐらいだと1.4mになるが)、まだまだ動きが小さいのだと思う。
各パーツを考えすぎてしまっており、「統合」「連携」ができていないのだろう。そこで:

現時点での走るときのポイント: 細かいことは考えない。

良いイメージ(たとえばMo Farahや大迫傑のようなトップランナーの走りのイメージ)を抱き、「考えるんじゃない、感じるんだ」で自分の身体と対話しながら(ただし言い訳は聞かない)前進することに使うエネルギーを100%に出来る限り近づけることだけを意識する(しかし考えない)。

しかし自分にとって走ることとは、まだ手段なのだ。言い訳する自分、結果を急ぐ自分、長い期間をかけ努力を継続して初めて何かを達成するということを本当の意味で知らない自分を克服するための手段。
そして、これはプロのコーチにも言われたことだが、数字にとらわれてはいけない、走ることの本質的な楽しみを味わうことによって結果はついてくる・・・これができていない。中学高校の頃は誰にも言われることなく勝手に走り回り、突っ込んだペースで走ることも恐れていなかった。
いろいろ考えてしまうのは結局は自分に対する言い訳なのだ。走ることが怖いからいろいろ考えてしまう。そして考えることによって様々な箇所(呼吸筋も含め)に力が入ってしまっている。コーチには9割以上のランナーは脱力ができていないと言われたが、その9割に見事に含まれてしまっている。
本当に走ることが好きだとしたら、何も恐れないだろう。言い訳もしないだろう。自然なフォーム(かつて1500mを4分40秒(陸上部にしては遅いが)で走った記憶は失われていない)で自然な呼吸でのびのびと走ることができるだろう。

最大の問題: 走ることの楽しみを忘れてしまった。

明日は、LSDだの閾値走だのインターバルだの練習の形にとらわれず、またタイムも気にせずのびのびと走るというのはどういうことか思い出すことを目的にしようと思う。