コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

朝の散歩に竹富島へ

八重山最後の日は午後の便で東京に戻るので遠出はできないし何をしようかと考えた末、竹富島に散歩に行くことにしました。

7月から9月までは石垣島の離島ターミナルから竹富島へ行く始発のフェリーが7:30なので、これに乗って9:45発(30分に1便はあります)で石垣島に戻れば10:00には帰ってこれます。

今回は前回とは異なり離島ターミナルまで歩いて10分ほどのホテルに滞在していたので、ほんとに気軽に島に行けます。

竹富島へは往復で1,150円なのですが、あの素敵な島に行くと思えばほんとに安いものです。

 

港に着き、島の中心まで歩きます。まずはこんないい感じの看板が迎えてくれます。

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ヤギや牛がいるのを見ながら10分ほど歩くともうそこは島の中心です。

竹富小中学校があります。ちょうど8:00の始業時刻でした。中学生が「おはようございます!」と挨拶してくれました。なんだかうれしいです。遅刻しそうな小学生が走って行きました。

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なにげないこんな植物もいいですよね。

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この島は本当にゆったり時が流れています。

早朝で観光客とほとんど出会わないのも良かったです。

カフェとかはやってませんが、ほんの1時間ほどの散歩なのでそこは問題ありませんし、夏の日中だと散歩には暑すぎるのです。

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白い砂が敷かれた道がこの島の特徴です。

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せっかく来たので島唯一の展望台に行ってみました。

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残念ながら老朽化のため上には登れませんでしたが、途中からでも十分島を見渡すことができました。

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ゆっくり歩いて港に戻ります。

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8:45の便に間に合ってしまったので石垣島には9:00過ぎに戻れました。

シャワー浴びて荷物まとめて余裕で石垣空港に行けました。

 

また来たいな。

 

西表島に行ってみた

八重山3日目の8/30水曜日。予定していた西表島半日ツアーに出かけました。

石垣島の離島ターミナル、ツアーを主催する西表島観光センターさんの前に7:30に集合、乗船券代込み8,900円を支払ってツアー券を受け取ります。

西表島行きの船はお世話になっている安栄観光さん。8:00に出港し、40分ほどで西表島の大原港に到着。いつもより少し時間がかかったようですが、大きなゆったりした船で快適でした。

大原港で仲間川遊覧船に乗り換え、全長17kmの仲間川の河口から6.5km先の折り返し点を目指します。

いきなりマングローブ林がお出迎えです。 

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 マングローブというのは植物の名称ではなく、亜熱帯熱帯の塩性湿地に植生するものの総称なのだそうです。西表島には7種類のマングローブがあり、最初に見えてきたのはヤエヤマヒルギのようです。

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熱帯ぽくなってきました。 

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 これはまた違う種類のマングローブです。

そして折り返し点ではちょっとだけジャングルの中を散策できます。

その先にTVでも紹介されたサキシマスオウノキがあります。この木は2000年に林野庁が指定した森の巨人100選に選ばれた木です。

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 板のような根なので板根と呼ぶのだそうです。構造美ですね。

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その奥にも少し樹齢が若いサキシマスオウノキがあります。 

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 やはりすごいですね。

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樹齢400年だそうです。江戸時代ですね。 

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 これから川を下ります。

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ガイドさんがマングローブ林の中で出会える巨大なシジミをみせてくれました。

いちおうたべられるのだそうです。 

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 大原港に戻ったら、次はバスで由布島を目指します。大原港からすぐのところに日本最南端の信号機があります。ほとんど車が通らないので本来は不要なのだけれど、教育用に設置してあるのだそうです。

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バスはさきほど船で上った仲間川にかかる橋を渡ります。 

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そして由布島へ渡る地点まで来ました。水牛さんが引く車に乗って行くのです。 6台ほど待機されています。

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我々14人ほど乗った車を引いてくれるのは9歳♂の由布星(ゆうせい)君。堂々たる体躯です。乗客込みで2トン位の車を引くのだからすごい力持ちですね。 

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引き潮なのでかなり海底が見えています。

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由布島が近づいてきた。ゆうせいくんがんばれ! 

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 由布島は周囲2キロほどの小さな島ですが、島全体が植物園になっています。

中にはマングローブ観察領域がありました。

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 こんなおおきなバショウもありました。

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いろんな花が咲き誇っています。 

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 ブーゲンビリア観察園も満開です。

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迷路のような巡路を歩いていたら浜辺に出ました。目の前にみえるのは小浜島です。小浜島には新婚旅行で来ました。 

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ガジュマルだ! 

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本日は非番の牛さんたちが水浴びされています。 

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 中には蝶園というのもあって、巨大なアサギマダラとかが普通に舞ってます。襲われました!!

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石垣島に戻ってA&Wで軽くランチ。 

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 明日は八重山最終日です。

フライトの都合で遠出はできないのでドライブにするか竹富に行くか思案中です。

 

再び波照間島へ

有給休暇を取得してやってきました石垣島。3回目です。3泊4日で離島を2つ巡る予定できました。

8/28月曜にANAの直行便で羽田から石垣島の南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港に午後到着。タクシーで市内のホテルへ直行(2,980円)、チェックインして早速離島ターミナルに行き旅の相談。翌日火曜は波照間島日帰り、その翌日水曜は西表島に行くことにしました。西表島は大きな島で、路線バスは一日4本しかなく、レンタカーもなかなか人気でとれないので、半日ツアーに参加することにしました。

さて、火曜の朝は早起きして(というかいつも4時に起きているので何の苦もないのですが)、7時半には離島ターミナルで予約しておいたチケットを購入。8時ごろは離島ターミナルは混雑するので早めに行っておくのがポイントです。

これは波照間行きの船。安栄観光さんいつもお世話になります。

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朝一の便はいつも人気があるので、満席になると早めに出ることもあります。予定出発時刻は8:30でしたが、満席になったため予定より10分早い8:20に出発しました。

 

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この日は天候も海もおだやかでしたが、なぜか船は安全運転なのか速度が遅く、通常であれば60分で着くところが80分近くかかり、9:40分に波照間島港に入りました。 

港に着くと一種の感慨があります。

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前回と同じく、港から近い西浜荘さんで自転車をレンタルします。普通のチャリなら3時間600円ですが、波照間島は意外とアップダウンが厳しいので、体力に自信がない方は電動自転車を借りることをおすすめします。

自転車を借りて真っ先に目指すのは島の北西部にあるニシ浜です。ここは絶対に見逃せない絶景のビーチです。快晴だったので一段と鮮やかなブルーが目に沁みます。

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 エメラルドブルーと藍色のグラデーションがすばらしい・・・

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変なおじさんが写ってますがきにしないでください。 

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 ニシ浜を後にしてもう一枚パシャ。なんと美しい・・・

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さてここからは島の南を目指します。 

島の中央部を南北に結ぶ舗装路は南に向かって下りになっています。ここを走りながら東シナ海がどんどん迫ってくるのは息を呑む光景です。ここを見たくて再び来たようなものです。

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もう一枚。 

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そして海岸へ!この下の浜辺はペムチ浜といいます。 

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南の方角をのぞみます。かつて人々はこの先さらに南にぱいぱてぃろーま(南波照間島)という幻の島の存在を信じていました。ここに来るとその気持ちがわかる気がします。

実際にはこの先数千キロ陸はないのです。真南にいくとそこはフィリピンです。

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ここから西へ島を一周する道路をひたすら数キロ走ります。ずっと上り坂なのでかなりきついです。ましてこの日は東からの風が強かったですが、波照間島に来たからには何も苦になりません! 

途中にこんな美しい海の眺めもありますし!

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 道はこんな感じでひたすら続きます。ふと横をみるとヤギが草を食んでいます。人の影はありません。 

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 そしてお約束の日本最南端の碑と共にパシャ。

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 少し北上するとそこには星空観測タワーがあります。いまの季節では無理ですが1月から6月にかけてだと時間帯によって南十字星がみられるそうです。

もっとも、南十字星は見られなくとも、この島から見る夜空はまるで星が降ってくるようだとのことです。

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さらに北上するといまは使われていない波照間空港があります。かつては石垣島と定期便で結ばれていたのですが。運航再開という話が去年出ていましたがどうなったのでしょう。波照間島人気がさらに高まれば再開するかもしれません!

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ここからは島の中央を西へ集落の方に向かいます。島の中心部に学校や診療所、郵便局といった施設が集中しています。 

ふと右側をみると西表島が見えます。意外と近いのです。

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借りた自転車を返す前に、前回行きそびれたカフェ「みんぴか」さんに寄りました。34度の猛暑の中アップダウンのきつい道をおそらく10kmほどは走ったのでさすがにのどがからからです(もちろん途中でこまめに水分補給してはいますがなにせ汗の量がすごい)。

波照間ブルーのかき氷を注文しました。青い海をのぞみながらの波照間ブルーかき氷を堪能した至福の時でした。 

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帰りは13:10の船で石垣に戻りました。復路はかなり波も高く船がかなり揺れましたがなんとか大丈夫でした。

明日は初めての西表島です。

fitbit日記:Earthバッジを獲得!

ひさしぶりのfitbit日記です。

前回は20日前、累積歩行距離が東京から大圏距離で12,131kmのハバナキューバの首都)に到達したというご報告でした。 

jimkbys471.hatenablog.com

一昨日の朝、累積歩行距離が12,713kmを超え、fitbitから与えられるバッジをひさしぶりにもらいました!

この12,713kmというのは地球の直径にあたります。円周率3.1415926575...(こんなに桁は要らないですが・・・)をこの距離にかけると39,939kmとほぼ4万km、地球の赤道上の円周にあたります。つまり地球1周ですね。

fitbitを始めたのが2015年10月14日でしたから、22か月あまりでようやく地球1周したことになります。684日間、一日平均18.6km、24,546歩です。がんばりました。

世界の都市でいうと、前回ご報告のハバナ以降、東京から12,287kmのグアテマラ、12,402kmの南極のConcordia基地、12,568kmのテグシガルパホンジュラスの首都)、12,591kmのサン・ミゲル(エルサルバドル)、12,667kmの南極のDavis基地に到達しています。

fitbitバッジが次にもらえるのはPole to Pole、すなわち北極から南極まで地球を半周した距離に相当する20,004kmと、残り7,300kmもあるので、このペースで歩くと到達はちょうど1年後になりそうです・・・

 

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硬派なピアノ曲とは

自分の選曲の基準はただ一つ、「硬派」なピアノ曲である。

ではピアノ曲が硬派であるとはどういうことか。その私なりの定義を披露しよう。

定義:安易な技巧のひけらかし(①)や過度なロマンティシズム(②)に陥ることがなく、作曲の意図と音楽史上与えた意義が明確である曲(③)であり、かつ現代においてその本来の価値が蹂躙されていない(④)こと。

もちろん異論反論はあるであろうが、あくまでも自分個人の基準であるので異論反論は受け付けません!

はい。話を進めます。

まず、除外条件である①安易な技巧のひけらかし、に該当してしまう曲は所謂ヴィルトゥオーゾ編曲ものすべてです。ゴドフスキー編曲はまずほとんどがそうです。リスト編曲もほとんどそうです。ショパンエチュードのゴドフスキー編曲は本来のショパンエチュードの「何も足さない何も引かない」完成された美を台無しにしてしまっています。バラキレフのイスラメイもそうです。

ただし、個人的には過度に華美とされるドンジョバンニの回想は認めています。動機こそモーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」から借用しているものの、決してドン・ジョバンニの編曲ではなく、リストなりの展開を(ほとんど演奏不可能ではあるものの)見事にピアニズムの極致として表現しています。なのでこの曲は4年前にコンサートで弾きました。

次の除外条件、②過度なロマンティシズムです。メトネルファンには申し訳ないのですが、メトネルは個人的には趣味ではありません。そういう音楽もあってもいいとは思いますが、自分からすれば彼のロマンティシズムは匂いのきつい香水でしかありません。チャイコフスキーも残念ながら多くのピアノ曲はこれに該当してしまいます。

次に、該当条件である③の作曲意図と音楽史上の意義です。ピアノという楽器は18世紀から19世紀にかけて大きく進歩を遂げていますし、作曲技法も対位法やオーケストレーション的、あるいは調整崩壊といった進歩を遂げていますので、これらを見事に捉えて新しい境地を切り開いた作品です。これらは①や②のフィルターにあまりかかることはありません。その例としては:

などがあります。

しかしながら、ここで重要なのは最後の④の基準です。本来画期的な意義・価値を有する作品であっても、コンクールという技巧と音楽性を認めさせたいという参加者の意図によって弾き古され、相対的客観的にみて残念ながら「蹂躙」されてしまっている作品も多々存在します。

上記の中で言えばリストのソナタですし(国際コンクールの審査員によっては「ああまたリストのソナタか」とうんざりする人もいるようです)、これ以外にもラベルの夜のガスパール(特にスカルボ)とラ・ヴァルス、ブラームスパガニーニの主題による変奏曲、などは残念ながら実力を誇示する為に使われ過ぎてしまった感があります。

その点、スクリャービンの6番以降のソナタなどは、その高度な作曲技法と完成度、および演奏の困難さにおいてまだ④に該当するものは無いようです(4番や5番は既に弾き古されてしまっています)。特に演奏困難なのは7番「白ミサ」です。

アルベニスのイベリアも作品によってはまだ④を免れています。

本来真の意味で「名曲」であるにもかかわらず、コンクールという手段の為に「コスパのいい曲」として④に引っかかってしまっている曲は多くあります。上記以外にもたとえばプロコフィエフの戦争ソナタ6番と7番、ラベルのトッカータ、などがありますね。しかしラベルのトッカータなどは本来コスパはとてもよくない曲なのですが、コンクールによっては様式感のない演奏が評価されてしまったりします。

 

以上、あくまでも個人の選曲基準として「硬派なピアノ曲」について述べましたが、やはり以前燦然と最硬派の地位にあるのはハンマークラヴィーアソナタです。これは全楽章弾いてこそ意味があります。一度だけ大学一年の時に図々しくも弾きましたし、近年4楽章フーガだけ弾きましたが、本当の意味でこれを演奏することができれば真のピアニストでしょう。いまでも最終目標であり続けています。ただし今は取り組んでいません。準備ができたと思った時に再開したいと思います。

第8回福田靖子賞は森本隼太くんの手に!

8/23,8/24の2日間にわたって行われた第8回福田靖子賞選考会公開レッスンを聴講(7割ぐらい)しました。

 そして、昨日は選考会が新百合ヶ丘昭和音楽大学で開催されました。

福田靖子賞の概要はこちら:

www.piano.or.jp

 

公開レッスン第1日は先日投稿しましたとおり、とても学びの多いそして幸運にも恵まれた経験でした。

jimkbys471.hatenablog.com

 そして昨日の選考会では8名(本来9名でしたが、1名が残念ながら体調不良のため欠席されたため)がリサイタルに臨み、海外招聘審査員3名とピティナの福田専務理事、江口先生、二宮先生、播本先生、松崎先生が選考にあたられました。

そしてその結果は・・・

www.piano.or.jp

1位に森本君、2位の谷くん(いずれも中学生)、3位に桂田くんと村上くん(いずれも高校生)が選ばれました。おめでとうございます!

これから3年間入賞者は海外での演奏や研鑽の機会を与えられ、過去の入賞者のように飛躍し活躍してくれることでしょう。見守りたいと思います。

 

クララ・ハスキル国際ピアノコンクールで藤田真央くんが優勝!

またもやとてもうれしいニュースです!

スイスで行われていた国際ピアノコンクール、クララ・ハスキル国際ピアノコンクールで、日本の大学生藤田真央さんがクララ・ハスキル賞を見事に受賞しました!

Concours Clara Haskil

クララ・ハスキル国際ピアノコンクールは往年のルーマニアモーツァルトの名手と言われた高名なクララ・ハスキルを讃えて1963年に設立され、隔年で開催されいる、由緒あるコンクールです。今年で27回目を迎えます。

www.musiccompetition.net

このコンクールの賞は1位のクララ・ハスキル賞のみが与えられますが、開催年によっては該当者無しということもあります。前回2015年は該当者がいませんでした。

そしてこのコンクールの優勝者であるクララ・ハスキル賞受賞者にはその後世界的に活躍しているピアニストが名を連ねます。上記の記事にもありますがミシェル・ダルベルトや日本の河村尚子などがいます。

藤田真央くんは東京音楽大学の1年生。先日ピティナ特級グランプリに輝いた片山柊くんも同じく東京音大の3年生です。今夏は東京音大にとってうれしいニュースが立て続けですね。

小学生の頃から国内外のコンクールで優勝を勝ち取り、既にピアノ界ではおそらく最も将来を嘱望されるピアニストの一人でしょう。

藤田真央 - Wikipedia

クライバーンなど他の著名国際コンクールはそうですが、クララ・ハスキルクララ・ハスキル賞受賞者にコンサートツアーで世界各地で演奏する機会が与えられます。これは音楽家の育成を使命とする特典として、今では一流の国際コンクールの一流たる所以ともなっています。日本の福間洸太朗さんもクリーブランド国際コンクールで優勝後世界各地で演奏する機会をもち、大舞台での経験を積むと共に認知度を上げピアニストとして大きく飛躍しました。

藤田真央くんのこれからが本当に楽しみです。

 

武満徹:雨の樹素描II

ピアノ曲は邦人作曲家の作品も好きですが、特に好きなのは武満徹の作品です。

武満徹(1930-1996)は管弦楽作品「ノヴェンバー・ステップス」で世界的に知られる作曲家となり、多くの作品を残していますが、個人的に最も好きな作品は1992年に作曲された「雨の樹素描IIーオリヴィエ・メシアンの追憶にー」という演奏時間5分ほどの作品です。

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この曲は独特の和声が確かにメシアンを思わせ、また透明感のある立体的な響と、「間」がその魅力だと思います。

そしてその美しさからか日本人に限らず多くのピアニストが演奏しています。

譜読みがし難いのでしばらく敬遠していましたが、昨年からいくつかメシアンの作品を弾くようになったこともあって今となってはかなり取り組み易くなり、あらためて練習を始めました。

近いうちにどこかで弾く機会を作ろうと思います。

 

武満徹の別の作品に、この曲とはまったく性格の異なる「ピアノ・ディスタンス」があります。

この曲も5分超の小曲ですが、とても印象的な曲です。先週特級セミファイナル(8/18)を聴きに行った際、特級グランプリを受賞した片山柊さんの演奏は鮮明に記憶に残っています。

 

jimkbys471.hatenablog.com

 

片山さんの演奏がYoutubeにアップされています。

www.youtube.com

片山さん自身がTwitterでつぶやかれていますが、この曲後半に長いポーズ(休止)があります。楽譜には「long」と指示があるだけで、何拍とか何秒とか決められておらず、演奏者の解釈と判断でどれだけ長い休止にするかを決めるのです。

この動画では3分14秒からなんと34秒間にわたって無音の状態が続きます。片山さんもご自分で休止の長さを演奏後に計測されています。

この間、会場の第一生命ホールを埋めた聴衆はみな物音ひとつ立てることもなく、静寂に包まれ固唾を飲んで次の音を待っていました。

ジョン・ケージの有名な作品「4分33秒」は最初から最後まで一つも音を出すことのない無音の音楽ですが、それともまた異なる静寂のエネルギーを感じさせる作品です。

ベートーヴェンピアノソナタ第2番作品2第2

コンクールと公開レッスンを過去1週間立て続けに視聴し、古典派ソナタの重要性をあらためて思い知らされました。

そこで、あえて最初に習ったベートーヴェンソナタをやり直すことにしました。

ベートーヴェンソナタ第2番は、中学2年のときに先生から勧められて取り組んだ曲です。

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この1楽章はイ長調2/4拍子Allegro Vivaceです。Vivaceは快活にです。

この楽章の特徴はカノンです。対位法的扱いをきちんと表現することが命です。

またテンポは速すぎず、16分音符の三連符がきちんと拍におさまるテンポで拍感をきちんととることが大切です。

一見易しそうですが実はかなり高度な技巧を要求される曲です。

ベートーヴェンらしい場面の違いによるドラマティックな性格付けも重要です。

9/1に初レッスンなのでひたすら丁寧にさらっています。

福田靖子賞選考会公開レッスン第1日

昨日は有給休暇を取得して、福田靖子賞選考公開レッスン第1日を朝10時から夕方5時まで終日聴講してきました。

福田靖子賞とは、ピティナ(PTNA、全日本ピアノ指導者協会)の創立者である福田靖子氏の遺志をもとにピティナ主催で2003年に設立し第1回の選考が行われ、その後隔年で実施され、今年で第8回を数えます。

過去の福田靖子賞には関本昌平、須藤里菜、ロー摩秀、阪田知樹、小林愛実、山崎亮汰、古海行子、黒木雪音と錚々たる日本を代表する若手ピアニストが名前を連ねる大変権威ある賞です。毎回書類選考で9名が選ばれる狭き門でもあります。

概要はこちらです:

www.piano.or.jp

今回の出場者は中学生、高校生でありながら既にコンクールで実績を残している有名人ばかりです。

昨年の特級セミファイナリストの村上くん、天才の呼び声高い谷くんと森本くんの中学生コンビなど今回も豪華な面々です。

 

そして今回、予期せぬビッグサプライズがありました。

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出場予定だった山本くんが急遽体調不良の為欠席、せっかく海外から招聘した審査員先生方のレッスン枠空けるのも勿体無いということで、3つのレッスン枠に代役が充てられたのですしかも前日に。

8/22に結果発表があった今年のピティナピアノコンペティション、G級金賞の黒木雪音さん、特級グランプリの片山柊さん、それに今年の特級セミファイナリストの東海林茉奈さんの3名です。今日はいきなり午前10時からの最初のコマで黒木雪音さんのバルトークソナタのレッスンを聴講できたのは本当に幸運でした。講師であるパリ国立高等音楽院ブレッソン先生の指導はとても勉強になるものでした。

また、特級グランプリ片山柊さんはハイドンソナタをシーグフリードソン先生に指導されてましたが、既に特級セミファイナルで演奏した完成度の曲がどんどんさらに良い音楽になっていく様はとても勉強になりました。

片山さんレッスン担当のシーグフリードソン先生は細かい指摘をするのではなく、生徒にどういう音を出し何を表現したいのかを考えさせる本質的なアプローチでした。むしろ弾ける人相手だからかもしれませんが、いいレッスンでした。ウィーン古典派のルールをまず理解することそれが大切だと。そして古典派のソナタを弾くことが如何に難しいかとその理由についても洞察を共有してくれました。

 

こんな素晴らしい学びの機会は、ピアノ指導者の方々こそもっと活用すべきだと思います。席は十分にあいていました。指導者として常に研鑽を積むことの重要性を認識されているならこの機会を逃す手は無いと思います。

 

今日一日聴講しただけで自分の音楽も一段高みに上がりました。

明日からの練習は今日までとは全く違うものになっている筈です。