コンサルタント=ピアニスト=ランナーはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストがランニングと仕事術とピアノと英語とかについて語ります

コンサルティング

生産性が高まるオフィス(4)

具体的なアイデアとして思いついたのは和室である。 普段見慣れているしかし馴染めないガラスや金属や樹脂やコンクリートで明るい照明ではなく、対極的に草木の落ち着いた趣の空間、喧騒ではなく静寂、PCやスマホではなく紙と鉛筆か毛筆。 これは現代のビジ…

生産性が高まるオフィスとは(3)

前回はイノベーションを創出できるオフィスの再定義をすれば自家撞着にならない、ということを述べた。 ではどう再定義するか。コトを起点にするのである。従来のハコ(建築物)やモノ(家具や備品)ではない。 ちなみに私は建築専攻なのでハコモノ起点の考…

生産性が高まるオフィス(2)

前回は生産性を定義した。 日本では野中郁次郎先生の有名なナレッジマネジメントが人口に膾炙してから、知的生産性を上げるオフィスというものが研究され、様々な形態、或いは概念が提示され実験されている。 しかし未だ結論は出ていない。 否、結論は無いと…

生産性が高まるオフィスとは(1)

知的生産性が上がるオフィスとは何かについて考えている。 そのためにはまず知的生産性とは何かを定義する必要性がある。 生産性はシンプルにインプットとアウトプットの比とし、インプットを時間とお金(時間も金額換算できるが)とする。 ここまではいいと…

Society 5.0ではなくSociety 4.1(あるいは4.0.1?)

・・・というべき内容。インフレも甚だしい。●●x.0という表現は、そもそも大きく市場・業界が変わることを意味する。 マーケティング戦略の一環として業界関係者が言うならまだしも、政府が言うからには具体性はともかく、Societyがどう変わるかのかめざまし…

プロジェクトマネジメント力は稀少資源

企業の価値の本質は何か。稀少資源である。 他の誰にもできないことをやる、他の誰も提供しない価値を提供できる。 なぜ他の誰にもできないのか。それはその企業が他の誰も持っていない(稀少)経営資源を持っているからである。 経営資源は、知識、ノウハウ…

充実の日々

今週末はコンクール全国決勝大会 来週月曜と木曜はクライアントとのプロジェクトミーティング 来週火曜〆切の提案書が2件 来月末はICEEなので英語磨かねば 再来月の議員会館での講演資料も未だ手付かず いずれも普通に考えれば重いが重いと思わないようにす…

キャズムとトルネード

今となってはマーケティングの古典とも言えるジェフリー・ムーアのキャズムとトルネード。 ハイテクスタートアップの成長継続を決める要因と戦略について書かれた二部作、Crossing the ChasmとInside the Tornadoである。 キャズムの内容はこの5分と短い動画…

組織知

コンサルティングファームの付加価値の源泉は組織知にある。 クライアントが求めるのは自分では到底知り得ないこと、実現し得ないことを教えてくれる、やってくれるファームである。 選ばれるファームになるためには、どのような業種のどのような課題を解決…

テレワークの議論の陥穽

目下、国を挙げてテレワークが推進されている。 総務省|ICT利活用の促進|テレワークの推進 そもそもテレワークとは何か。総務省の定義にはこうある: テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。 ふむふ…

仕事とは理不尽で合理的なもの

好きなことだけやればいい。 嫌なことは断り避ければいい。 嫌なことをやっても大した価値は出せない。 好きなことこそ本気になれるし良い結果も出て客も喜ぶ。 企業相手の仕事だと、法外と思われる要求や、決して自分のせいではないトラブルに巻き込まれ、…

あいまいさを受け容れる

あいまいさを受け容れることは難度の高いスキルである。 説明できないこと、予測がつかないことは耐え難い。 説明できないことが気持ち悪いから、両断論法に陥りがちである。 白か黒か、善か悪か、敵か味方か。 判断基準が一つでない場合もあるし、白か黒か…

起業に勝る学習は無い

コンサルタントとして大小様々業種様々な企業と向き合い、直接の関与もしてきてあらためて思うのは、お金を稼ぐことがどういうことかを身を以って知ることが如何に大切かということだ。 コンサルタントとして国内と外資双方の大企業で責任ある立場で仕事した…

エピクロスの哲学が意味するもの

古代ギリシアの哲学者であるエピクロス(Epikouros)は、エピキュリアン=快楽主義として知られているが、彼の主張する快楽とは肉体的快楽ではなく精神的快楽であることはあまり知られていないようである。 彼が追求したのは幸福であり、その幸福とは心の平…

原体験

コンサルタントとして成長意欲が高くハードワークな人には(自分を含む)、安っぽいモチベーションなどではない強烈な原体験があることが多いように思う。 自分の場合は、最初はコンサルタントに転職する前に勤めていた大企業の新しい取組を潰す文化だった。…

仕事が山積

しているが誰にも振れない モジュール化して分業できる仕事ではない もはやコンサルとして培ったケイパビリティが活かせる水準ではない 自分の知見と人脈しか頼れない もう限界だ ・・・と思うことはここ半年よくある そんなときは決してその量と期限に圧倒…

アスペルガー症候群は疾病ではなく個性

いまの職場でもそうだが、これまで何人もいわゆるアスペルガー症候群という疾病が存在するとすればぴったり「診断基準」を充たす人たちと仕事をしてきた。 アスペルガー症候群については多くのサイトがあるが、たとえばここにわかりやすい解説がある。 h-nav…

国連英検特A級二次試験受けてきました

昨日7/8は2018年第一回国連英検A級特A級の二次試験でした。 一次試験の合格通知と共に送られてきた二次試験の案内にある時刻と試験会場に10分ほど早めに着き、受験票と身分証を提示して受付完了。 会場は新宿の宝塚大学東京校でした。 受付時間の10:15から控…

国連という組織はコンサルを燃えさせる

こんな記事がある。 「70年と0.5兆ドル後に国連は何を成し遂げたのか」https://www.theguardian.com/world/2015/sep/07/what-has-the-un-achieved-united-nations そもそも国連(UN, United Nations)は何のためにあるのか。公式には第三次大戦を未然に防ぐ…

国連英検特A級二次試験準備

結果通知が来た(そして見た)のが金曜の晩だったし、ここ数か月あまりに仕事が忙しい(やること多すぎ)こともあり、まったく手付かずであった国連英検特A級二次試験の準備を開始! 昨日は午後にコンクールの予選であったため、午前中は朝から5時間ピアノの…

CSVはあたりまえ

医薬品のCSVが業界の一部で対応に苦慮していると聞いたのでどういうものか調べてみたが、データインテグリティとかごくあたりまえのことではないか。 逆にいえば不完全なデータで医薬品を開発製造している可能性があるということになる。 CSVとはcomputerize…

眼精疲労に目薬は効かない

ここ2か月、買収案件の事業DD(デューデリジェンス)のベンチャー企業のハンズオン成長支援できわめて忙しい。 国会図書館に通い膨大な資料を読み、ウェブで隈なく情報収集し、Excelで分析しPowerPoint資料を作成することにずっと追われている。 誰か若手を…

不動産クラウドファンディング

先日不動産テックについて書いた。不動産テックはフィンテックの一部だという人もいるし、単なる「スクレイピング」だと批判する人もいるが、それはあまり本質的ではなく、テクノロジーによってこれまでの不動産の常識を覆し、前提を変え、制約を外し、社会…

孤軍奮闘孤立無援

一流の職人でチームは組めない。 わが社がめざしているのはドリームチームだが、いざ自分が業務を担当してしまうとプロである以上クライアントの期待に全力で応えねばならず、全力である以上他のメンバーを助ける余裕はない。 他のプロからしても同じこと。…

不動産テック

なにやらフィンテックFintechに続きリアルテックReTechなる言葉が昨年あたりから言われ始めアドテック含め〇〇テックが氾濫している。 不動産という業界はITの活用、というよりデジタル化が遅れている領域と言われているが、大学の頃から建設CADをやり、建物…

カウンセリング体験

先日、カウンセリングを受けてきました。 カウンセリングというと、一般的には臨床心理士が精神を病んだ人に対して療法の一つとして行われるもの、という形で受け止められる傾向が強いと思うが、今回のカウンセリングを受けた目的は、「治す」ことではなく、…

コンサルの技シリーズ(13)異才のレバレッジ

シリーズが進むにつれ難度が増すコンサルの技シリーズ。 連載13回目ともなると、もはやこの段階になると従来のコンサルという範疇では語れない。 コンサルタントが苦手であることが多い異才のレバレッジである。 コンサル業界に長くいると、クライアントは様…

特異点解消定理

中学の頃、親から勧められて広中平祐先生の「学問の発見」を読んだ。 広中平祐先生は代数幾何学の世界的権威で、フィールズ賞受賞者だ。 フィールズ賞受賞の理由は特異点解消定理である。 当時の自分はおろか今でもその理論を理解しているとは言い難いが、次…

コンサルの技シリーズ(13)大企業のベンチャー投資

昨年から、Corporate Acceleratorとかなんとか、大企業が新たな技術(AIなど)を取り込みベンチャー企業に出資したり買収したり、あるいは出資はせずとも提携するといった取組が増えている。 動機はもっともだし、自社にないケイパビリティ(技術のみならず…

コンサルの技シリーズ(12)事業撤退

コンサルの技シリーズ連載12回目は、おそらく最も難度の高い事業撤退についてシンプルに述べる。 特に日本企業相手の難度は高い。 難度が高いということはすなわちコンサルティングのニーズが強くかつコンサルに求められる能力水準も高いため、一流でなけれ…