コンサルタント=ピアニストはきょうも語る

現役経営コンサル兼ピアニストが仕事術とピアノと減量と英語と沖縄とかについて語ります

ショパン前奏曲集作品28(50)研究再開6日目ー第6番ロ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、6日目は第6番である。 なんといっても演奏上の重要なポイントは左手で旋律をチェロの如く豊かなあたたかい音色で奏でることにある。 自然な滑らかな重心の移動、腕の重みを活かして大きな動きで自然な抑揚と音色の変化を出すこ…

ショパン前奏曲集作品28(49)研究再開5日目ー第5番ニ長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、5日目は第5番である。 アナリーゼするまでもなく明らかだがこの曲の特徴は目まぐるしい転調である。これによる色彩のゆらぎが聴き手に伝わるような繊細なコントロールが求められる。 また以前この曲の簡単な解説で述べたとおり…

ショパン前奏曲集作品28(48)研究再開4日目ー第4番ホ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、4日目は第4番である。 ショパンの葬儀の際、6番と共にオルガンで奏されたというこの曲は、息の長い、動きの少ない旋律が、左手の和音連打の上に歌われる。 わかりやすい楽想ということもあり、15番「雨だれ」に次いで抜粋で演奏…

ショパン前奏曲集作品28(47)研究再開3日目ー第3番ト長調

ショパン前奏曲集作品28解凍、3日目は第3番である(年内に24番までひととおり解凍するペース)。 コルトーが小川のささやき(The singing of the stream)と評した軽快な曲である。 実際、ショパンはこの曲の冒頭に leggiermente(軽く優美に)と指示してい…

ショパン前奏曲集作品28(46)研究再開2日目ー第2番イ短調

ショパン前奏曲集作品28解凍、2日目は第2番である。 ハンス・フォン・ビューローが「死の予感」と呼んだが、自分としては「死」そのもののように思える。 音の少ない曲だが、それだけに1音1音のウェイトが高い。まず冒頭の2声であるところの左手における声部…

ショパン前奏曲集作品28(45)研究再開1日目ー第1番ハ長調

ここ2ヶ月ほど文献収集・研究を続けてきたショパン前奏曲集作品28。 約8年ぶりに弾き始め(解凍)ました。 毎日1曲に限定し、楽譜にアナリーゼ(和声分析など)を記し、デュナーミクやアーティキュレーションももちろん含め丁寧にさらいます。 まずは第1番ハ…

ショパン前奏曲集作品28(44)最近のレコーディング(3)Andrew Tyson

既に国際的に活躍しており、日本でも人気のピアニスト(今年10月に来日)、Andrew Tysonのショパン前奏曲集作品28の音源がApple Musicに会ったので聴いてみた。 ちなみに月額980円で聴き放題のApple Musicはなかなか優れものである。 Andrew Tysonは2015年の…

ガンジーの言葉

世に名言数あれど、ガンジーのこの言葉ほど重いものはない。自分にとって。 “Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.” この20年以上の月日、この言葉のとおり生きてきたつもりだ。 不器用だけど。 毎日、今日が人生の…

ショパン前奏曲集作品28(43)最近のレコーディング(2)Julien Brocal

Apple Musicでショパン前奏曲集作品28の録音をいくつか保存しているが、これまで聴いたことのない或いは自分の知らないピアニストの演奏を聴いてみる。 Julien Brocalというフランスの若手ピアニスト(1987年生まれ)が昨年リリースした録音である。 彼の経…

ショパン前奏曲集作品28(42)最近のレコーディング(1)Christian Budu

これまで聴いていた音源に限定せず、最近のレコーディングで自分の好みに合うものはないか探している。 グラモフォンが昨年アップデートしたTop 10 Best Chopin Recordings (2017 update)の第9位にChristian Buduというピアニストのショパン前奏曲集作品28…

ショパン前奏曲集作品28(41)ペダリング(5)

ここのところ1ヶ月半にわたり、自分にとって究極のピアノソロ作品であるショパン前奏曲集作品28について書いてきているが、実際に弾く前に知るべきこと、意識すべきこと、考えるべきことが多過ぎるので研究を継続している。 8年ほど前にこの曲集はひととおり…

ショパン前奏曲集作品28(40)ペダリング(その4)13番嬰ヘ長調

前回に続き、加藤一郎氏のショパン前奏曲集作品28の自筆譜に基づくペダリングの分析について書く。今回は13番である。加藤一郎氏の分析については今回が最後になる。 加藤氏の指摘するとおり、13番には5箇所のペダリング指示があり、うち4箇所はドミナントで…

ショパン前奏曲集作品28(39)ペダリング(その3)2番イ短調

前回に続き、加藤一郎氏のショパン前奏曲集作品28の自筆譜に基づくペダリングの分析について書く。今回は2番である。 前回取り上げた1番とは対照的に、ショパンは2番では1か所(ペダルを踏む/あげるの組合せにおいて)しかペダリングを指示していない。しか…

ショパン前奏曲集作品28(38)ペダリング(その2)1番ハ長調

前回に続き、加藤一郎氏によるショパン前奏曲集作品28の自筆譜に基づくペダリングの分析について書いてみる。 下図は1番の譜である。注目すべきは私が赤丸で囲んだ21小節目のペダルを上げる記号の位置である。 加藤氏の着眼の良さは、この小節においても、他…

ショパン前奏曲集作品28(37)ペダリング(その1)

ショパンという作曲家は、強弱(f,p,crec,decrec,dim等)にしてもペダリングにしても、音楽理論的に「当たり前」であることは基本的に記譜しないので、西洋音楽の基本である音楽理論(特に機能和声)を理解し、作曲者の意図を正しく分析し把握しているかどう…

彫琢復朴

先日行なわれたピアノのマスタークラスにおいて、自分はレッスン生として参加したわけですが、講師であるピアニストが使われた用語の中で、とりわけ我々受講生の心に響いた言葉が、「彫琢」です。 彫琢とは、彫刻とは異なり、読んで字の如く「彫(ほ)って琢…

ショパン前奏曲集作品28(34)こんな演奏は好きになれない(4)

前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を13番から16番について述べてみる。 第13番 嬰ヘ長調: 4小節目の右手の五連符が均等でない演奏(第1音が長すぎる) 中間部、左手のラインが出ていない演奏 第14番 変ホ短調: テンポが速すぎて風呂場の早口言葉…

ショパン前奏曲集作品28(33)こんな演奏は好きになれない(3)

前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を9番から12番について述べてみる。 第9番 ホ長調: 右手の三連符と付点四分音符はショパンの記譜ではノート・エガルすなわち三連符の音価に合わせて弾くのがこの曲の壮大な曲想を表現するためにも正しいと思って…

ショパン前奏曲集作品28(32)こんな演奏は好きになれない(2)

前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を5番から8番について述べてみる。 第5番 ニ長調: テンポが速すぎる演奏。ショパンは確かにAllegro Moltoと書いているが、あまりに速過ぎてまるで練習曲の如くなり、色彩の変化も聴き取れない演奏 第6番 ロ短調…

ショパン前奏曲集作品28(36)こんな演奏は好きになれない(6)

今回がこのシリーズ最後になるが、前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を21番から24番について述べてみる。 第21番 変ロ長調: 左手の旋律を歌うのは良いが、右手の歌い方とのバランスが悪い演奏 第22番 ト短調: 左手ばかりになっている演奏 吠えす…

ショパン前奏曲集作品28(35)こんな演奏は好きになれない(5)

前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を17番から20番について述べてみる。 第17番 変イ長調: 和音中の動く音のライン(20小節、22小節など)が不明瞭 後半、11回鳴らされるバスのAsが無造作 第18番 ヘ短調: 4小節目最後の拍の五連符が無表情 休符の…

ショパン前奏曲集作品28(31)こんな演奏は好きになれない(1)

これまでショパン前奏曲集作品28は、ライブ、音源(CD、Youtube)で50人超のプロ、アマ(アマといっても国際コンクールがほとんど)の演奏を聴いてきたが、かなり高い水準の演奏であっても、どうしても気になってしまい好きになれない演奏があるので、どうい…

ショパン前奏曲集作品28(30)自筆譜に見る作曲者の想い(3/3)

前々回、前回に続きウェブ上で簡単に入手できた自筆譜に基づき自分なりに作曲者の意図を汲み取ってみる。今回は13番、14番、15番、20番、22番。 13番 嬰ヘ長調: 最後の2小節が全面的に書き換えられている。ここにも後続の14番との連結を意識しているのであ…

ショパン前奏曲集作品28(29)自筆譜に見る作曲者の想い(2/3)

前回の続き。今回は8,9,10,11,12番。 まずは第8番: 9-10小節かなり書き換えられた跡がある。ここは嬰ヘ短調から変ロ長調に遠隔転調するこの曲で最も印象的かつ自分が最も好きな箇所だけに、このように工夫の跡が自筆譜上でみられることはうれしい。 第9…

ショパン前奏曲集作品28(28)自筆譜に見る作曲者の想い(1/3)

作曲者の意図を汲み取るには(版による音の違いをどう解釈するかを含め)、自筆譜にあたるのが最善の方法の一つである。 しかし一つ問題があって、同じ曲の自筆譜にも複数の種類が存在する可能性があることである。 それでも、どれか自筆譜に自らあたってみ…

ショパン前奏曲集作品28(27)下田幸二氏著「聴くために 弾くために ショパン全曲解説」

ピアニスト下田幸二氏は、「聴くために 弾くために ショパン全曲解説」を著している。本棚の片隅にあったものを引っ張り出して前奏曲集作品28の解説を読んだところ、これが短いながらも寸鉄のごとくこの作品の魅力と意義を伝えているのでここに引用する。 we…

ショパン前奏曲集作品28(26)チュートリアル動画

Youtubeは音源が充実しているのみならず、レッスン動画(チュートリアル)も充実している。 少し前から取り組んでいるスクリャービンのエチュード作品42第5などは、あのナウモフ教授のマスタークラスの動画もあったりする(ロシア語、英語字幕)。 ショパン…

ショパン前奏曲集作品28(25)あえて抜粋するとしたら...

作品28は全曲で1曲と主張してきているが、コンサートなど公開演奏の場でなかなか40分確保する機会はないので、作品28を弾くとしたら抜粋するしかない。 そこであえて抜粋するとしたらどういう組み合わせがよいか考えてみる。 これまで公開演奏は2回やってい…

ショパン前奏曲集作品28(24)往年の名ピアニストの演奏

コルトー、アルトゥール・ルービンシュタインなど往年の名ピアニストの作品28全曲をあらためて通して聴く。 この曲集を聴くときは必ず全曲通して聴く。 曲想のコントラストや曲間もこの作品の重要不可欠な要素だからである。 彼らの演奏を聴いていると、果た…

ショパン前奏曲集作品28(23)楽曲分析サイト編

これまでWikipedia英語版を除き、日本語の文献を紹介また研究してきたが、ほぼ主要な日本語情報源はあたったと思われるので、これからは海外(英語に限らず)をあたっていくことにする。 まずはFred Yuという人による全曲の簡潔な譜例付の解説サイト。内容的…